余所者の処遇〈更新6〉終目の前の相手は、兄弟喧嘩という言葉を皮切りにぼたぼたと血を吐き足元に大きな血溜まりを作っていく。
それはまるで全身を呑み込んできそうな大きな化け物の口のようで、普段よりも敏感になっている感覚から本能的にコイツを相手にしてはダメだという危険信号が送られているのが分かる。
今更逃げるなど降参など出来るわけがないというのに。
「…なあ…さっきから感じてたんだけどさー……おまえ…吐血から羊くんの匂いがするんだけど」
コイツと相対した時から感じていた違和感。
それは相手から少し前に手合わせをした羊くんと似たような匂いがするというものだったが…今やっと理解した。匂いが確実に混ざっている。あの2人を俺に相手させた時よりももっと強く、混ざった匂いが。
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