うぅん、やけに、?なにか熱っぽい。
シュウは微睡みながら体に違和感を覚えた。
彼の睡眠スケジュールは狂っており、実際の時間とは連動していない。寝るのが遅かったからかな、そんなに薄着してたっけ?風邪でもひいたかな。
でも眠い。起きて確認するのが酷く億劫だった。
目を瞑ったまま、ゆるく、ゆるく、夢と現をふらふらしながら頭を回す。しかし眠気は強く、あと数秒で意識が夢の中に落ちる、といった時だった。
「シュウ、起きているかな」
優しいノックの音と、聞き慣れたテノール。
ヴォックスだ。あぁもう、朝食の時間なのかな。
ヴォックスは律儀だからいつも優しく声をかけに来てくれる。起きていたら用意してくれるし、眠っていたらそのままにしておいてくれる。なんとも有り難い話である。シュウはうつらうつらとした意識で睡眠を優先することにした。
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