旅するまれりちゃん(約束編)戦争が終わった時、リーは地上に、マーレイは空中庭園にいた。
ついに終わったのだと歓声を上げる者、その場で泣き崩れる者、茫然とする者、あらゆる形の喜びの渦の中、レイヴン隊はただ黙って熱い抱擁を交わしていた。
それを中断したのはリーの通信端末の着信だった。
構造体にしか感知できないシグナルで報せるそれをどうすべきかと戸惑っていると、リーフが涙を拭いながら「きっとマーレイさんです、出てあげてください」とほほ笑んで促した。
指揮官と目が合うと、柔らかい表情でただ黙って頷いた。
リーは少し離れがたい気がしたが、「ありがとうございます」と言うと、数歩離れて通信を繋いだ。
「…あ、繋がった!兄さん、大丈夫?問題はない?」
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