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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    チェズモク800字。今度はモさんがうだうだしてる。
    https://poipiku.com/108543/4050417.html の続き。
    ルクアロルクの描写を含みます。

    #チェズモク
    chesmok
    ##BOND

    ■最近の悩み(Side:M)


    「じゃあまたコーヒー淹れてくるわ」
     モクマはチェズレイの空になったカップを受け取って書斎を出た。さっき彼の手にしていた携帯の画面が、遠目でちらりと見えてしまったのを思い出す。
     さすがにここまで共に過ごした上であれを見て、彼が自分以外の誰かとセックスがしたいんだなんて思うほどモクマは朴念仁ではなかった。
     おじさん、求められてるんだなぁ。あんな美青年に。
     ぼうっとそんなことを考えながら、キッチンでカップを洗う。
     きっとチェズレイはどっちも未経験だろうから、俺がネコ側やるのが妥当なんだろう。
     でも、あいつは知らないかもしれないが、セックスなんてのは時としてみっともなくて滑稽なものだ。ただでさえこんな――あの美しい男にこんなおじさんの喘ぎ声だとか痴態を晒すなんて、とてもじゃないができない。我慢すればいいだけの話だなんて言わないでほしい。人生で初めてこれだけ惚れた男に求められて触れられて、抑えられるだけの自信がないのだ。
     それが恥ずかしいなんて可愛い感情ならまだどうにかできた。だが自分が抱えているのは恐怖と惨めさ、とでもいえばいいのだろうか。
     もしあいつが途中で萎えたりしてしまったら、それこそ生きていられない。
     少し震える手で蛇口を締めて、はあ、と大きなため息をついた。
     そこでキッチンの隅に置きっぱなしだった携帯に目が行く。アーロンに訊いてみよう。メッセージアプリを起動する。
    〈もしも、ルークがお前さんとセックスしたいって言い出したらどうする?〉
     そう送信するとすぐに返信が来た。
    〈なんだよ突然。でも、あいつが望んでることなら応えてやるだけだ〉
     その答えに清々しいほどの若さと実直さを見せつけられて、モクマは天を仰いだ。そうだなぁ。俺もあと十歳くらい若ければこんな答えを出せたのかもしれない。でもあいにくとそうじゃないから困ってる。
     目元を手で覆って、くつくつと喉を鳴らす。泣いているのか笑っているのか、それは自分にもわからなかった。
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