瓶と飴玉例えるならば、瓶と飴玉
空の瓶に飴玉一つ。
カツーンと高い音を出して底で跳ねる。
その音は瓶の中で反響して、耳障りだった。
でもその音は底が飴玉で埋め尽くされて行く頃には、うるさく感じはするが気にならなくなってきた。これが慣れというのだろう。
瓶の半分ぐらい溜まってきた頃。どんな味がするのか気になり、一つ手に取って食べてみた。
想像以上に甘ったるく、最初は合わないと思っていたのに妙にクセになり、時々口に入れてしまう。
いつかなくなると思っていたが、こちらが食べる速度より倍以上のスピードで飴が溜まっていく。
このままでは瓶から飴が溢れてしまいそうで、その時が訪れたら己は自らの手で瓶を倒して割るだろう。
今は、その時ではない。
瓶に蓋をして、別の瓶を用意する。
空の瓶に飴玉一つ。
カツーンと高い音を出して底で跳ねる。
その音に今は愛しさすら感じた。