全身を駆ける鋭い痛みで、ギコヤは目を覚ました。
それはすなわち、思念体であるギコヤが依り代とする肉体の本来の持ち主が意識を失ってしまった、という緊急事態である。

そのことを理解しているギコヤは、所有権を得た肉体を通して、眼球だけを動かして周囲を見渡す。
すると、すぐに答えが出た。
どういう経緯かまでは不明だが、肉体の本来の持ち主がよくつるんでいる人間に異常が起きているらしい。

猫を模したアーマーに身を包んだ人間は、上体を前屈みに、両腕をだらりと垂らし、ゆらゆらと不安定にゆれている。
普段から挙動が面白い部類の人間ではあるが、それを差し引いても様子がおかしい。
頭部は地面へと向いていたが、もとが獣であるギコヤには、猫型のメットの奥の眼光がこちらに向いていることに気がついていた。

放置されてったニャンニキは小さいクレーターから何事もなかったようにむくりと起きて
「頭いったぁ〜〜〜〜！！あのイヌッころ〜〜〜〜〜〜💢💢」
するぐらいで、(正)気を失った前後と(正)気を失っている間のことはぼんやりとしか覚えてないって感じですね。

ただちょっとスーツに勝手に突き動かされてる感あるなー？
あ、でもあれか、アシスト機能的なやつかな？俺一般人やし。

的な。

多分、戦いに慣れてない一般人を強制的に殺戮マシーンにしたてるという意味では
正しく、アシスト機能なんだろうね。
・戦闘員、非戦闘員関係なく、「イヌの国」の者に対しての殺戮衝動が発生する仕組み
・理性面が強制シャットダウンされて、ほとんど意識失ってるのと同じ状態

まるで、ゴーストタウンのようだった。
アニマルシアの文化や生活様式はよくはわからないのだが、
それでも、ここが集落にあたるものだということは人間であるニャンパルサーにも理解できた。

つい先ほどまで、現地民が生活していたかのような空気が漂う。
その中に明らかな異物があった。
街の広場のような場所に、ニャンパルサーと似た背格好の無機物なヒトガタが佇んでいた。

「ワンパルサー……」
「ふん、遅かったな。」

わかりやすくおびき寄せてやったつもりだったのだが？
と、純粋な疑問を投げかけてくるワンパルサーに、ニャンパルサーは小声でうるせーな……と呟きながら視線を斜め下に外した。

センサーは良好だったのだが、マップが複雑に表示されてしまい少し迷ってしまったのと、街が気持ち悪いほど静かだったので、反応がダミーなのでは？待ち伏せをされているのでは？と、いつも以上に警戒をして無駄な探索をしてしまった…。

在你的脉搏中跳舞路人的病总是反反复复，他时常会觉得自己已经痊愈，但是一旦停药不多时就又会复发。之前攒下的钱还够他用好一阵子，但是长期治疗用的价格实在是超出了他的能力范围。他大概知道自己已经没救了，还不如就这样时而清醒时而混沌。

他的时间就像是沙漏里的沙子，等到落完了以后就再也不会有动静。他偶尔会觉得自己的时间已经停止了，为了使他的时间继续转动，他只能把沙漏倒过来。但是这种行为最终只是令他的生活在一个被框定好的范围中继续，他的一生就是这一摊沙子，无论反复多少次始终都摆脱不了这个沙漏。

后辈消失已经有一大段时间了，实际上路人已经失去了分辨时间流逝的能力，所以他也无法说出具体的时间。他一向不开灯，所以多少还能靠窗外透进来的光得知现在是黑夜还是白天，但也仅此而已。他大约是觉得没有希望了，不管是后辈的消息还是活着的事情，所以比起药，他的天平最终还是向着廉价酒精倾斜。