観月と裕太と比嘉と201号室「おや裕太くん、おはようございます。ゆうべはよく眠れましたか?」
「あ、ハイ……。おはようございます、観月さん」
ここ、いいですか?と尋ねる裕太に、観月はゆったりと片手を挙げてどうぞ、と示す。元より観月が座っていたテーブルには他に誰ひとりいないのだからすんなり座ればいいものを。このような裕太のさりげない礼儀正しさを、観月は内心愛おしく思っていた。
「観月さん、今日も朝メシそれだけですか?」
「ええ……。大体いつもこんなモノですよ。朝はこのくらいがちょうどいい」
クロワッサン一切れに、エビとブロッコリーのサラダ、枝豆のビシソワーズにダージリンティー。意識の高いOLのような観月の朝食に対して、裕太は大盛りごはんに味噌汁、焼き魚と目玉焼きとソーセージ。お盆いっぱいに載ったソレを一瞥して観月が鋭く目を細める。
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