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    refrain0411

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    refrain0411

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    ワンドロワンライ 2回目の参加です。
    疲れていたので37分クオリティ…
    金凌は出てるのに曦臣出ませんが曦澄です!
    叔父甥な気もするけれど曦澄です!
    これは曦澄です!!!

    #曦澄ワンドロワンライ
    eiChengWangdrooWanglai.

    江澄は蓮花塢に来ていた金凌の手を見て、思い出していた。そして、ぽつりと言葉をこぼす。

    「阿凌の手は姉上の手の形に似ている。」

    その言葉を口にしたつもりはなかった。
    ああ、姉は亡くなったが姉が生きていた証がここにあったのかと。

    「え?母上の手の形に?」
    「ああ。」

    姉が結婚する前はよく料理をしているのを横で見ていた。その料理をする手を思い出したのだ。思い出したきっかけは分からない。

    「そうなんだ〜!」

    幼すぎて記憶にない母とのつながりを知ることができ金凌は嬉しそうである。

    「俺はこの手が好きだ。姉がよく蓮根と骨つき肉の汁物を作ってくれた、その時を思い出す。」
    「そうなんだ!ねえ!叔父上!叔父上も作ってよ!作り方も教えて!俺も作れるようになりたい!」
    「分かった。」

    金凌は今までにない程、優しい言葉が嬉しかった。母に似ていると言われた手で母と同じように汁物を作りたかった。

    「ねえ、叔父上?叔父上の手はお祖母様とお祖父様のどちらに似てるの?」
    「…分からない。母上も父上も手をじっくりと見たことがない…。」
    「そ、そうなんだ!だったらさ、好きな手の形はある?」

    金凌は江澄の言葉から僅かな寂しさを感じて話題を変える。思わず出た言葉であったが、いくら話題を変えたいと焦っていても好きな手の形って、そもそもあるのか、しかも、江澄は金凌の手が好きだと先程言ったばかりだ。もう少しましな話題があっただろうと後悔していた。
    それでも、既に聞いてしまったのだから仕方がない。どうせなら自分の手が好きだともう一度言ってもらえれば嬉しいのだからと、江澄の様子を見る。




    江澄は、好きな手の形と問われて自らの手を見た。その手は男の割には華奢で、以前から女みたいな手で嫌いだった。
    好きな手…か。男ならやはり少し骨ばった大きな手になりたかった。そう、あの人のような美しい手に…と思い出したのは、情人である。あの手で愛される時間がいっとう好きなのだ。
    …ふと我にかえった。
    江澄が急に黙ったので、金凌が江澄の様子をうかがっていた。

    「…好きな手の形などない。ほら、汁物が食べたいのだろう?作り方も覚えなくて良いのか!?ほら、喋ってないで手伝え!」

    江澄は照れ隠しで思わず声を張ってしまう。先程金凌の手が好きだと言ったことを完全に忘れているのである。
    金凌は少し不満そうではあるが、汁物の作り方をしっかり覚えるため江澄の横で手伝った。








    金凌が帰った後、江澄は情人に会いたくなった。あの手で愛されたくなったのだ。
    あの人はいつでも伺えば喜んで迎え入れてくれる。いつもは先触れを出すのだが、今日は唐突に伺ってみることにした。きっとあの人は驚きながらも、喜んでその腕で迎え入れてくれるだろう。そして、大きく骨ばった美しい手で…


    江澄は三毒に手を伸ばし、主管に明日の朝には戻ると告げ、雲深不知処へ向かって御剣した。
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    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第三回お題「夢」

    本編終了後、付き合っている曦澄。
    現実での大事なものと、本当は大切にしたいもの。

    ムーンライト宗主→ごめんねすなおじゃなくて→夢、という連想結果が何故こんなことに。
     その夜は金氏と合同の夜狩だった。そこで江宗主は大怪我を負った。
     邪祟から師弟を庇い、腹に穴をあけられた。
     江澄自身、これはまずいと感じた。血を吐き、体から力が抜ける。
    「宗主!」
     倒れたところを誰かに抱え起こされた。
     すかさず金凌が矢を射る。放たれた矢は狙い違わず邪祟を貫いた。
    「叔父上!」
    「金凌っ……」
     声にできたのはそれだけだった。怪我をせず、健やかに、生きてほしい。お前の生きていくこれからは、どうか穏やかな世界であるように。
     江澄は手を伸ばそうとしてかなわなかった。
     まぶたの裏に、白い装束の影が映る。心残りがあるとすれば、あの人にもう会えないことか。
    「誰か止血を!」
     怒号と悲鳴が遠ざかり、江澄の意識は闇に沈んだ。


     まばゆい光の中で、白い背中が振り返る。
    「江澄……」
     ああ、あなたは会いにきてくれたのか。
     江澄は笑った。これは現実ではない。彼は姑蘇にいるはずだ。
     体を起こそうとして、まったく力が入らなかった。夢の中くらい、自由にさせてくれてもいいのに。
    「気がつきましたか」
    「藍渙……」
     ほとんど呼んだことのない名を口に出す。これが最後の会話にな 1653

    takami180

    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第五回お題「夜狩」

    恋人関係曦澄ですが、曦が出てきません。夜狩を真っ向から書いた結果、こんなことに……
     その夜、江宗主は非常に機嫌が悪かった。
     紫の雷が夜闇を切り裂いていく。その後には凶屍がばたばたと倒れ伏している。
    「ふん、他愛ない」
     雲夢の端、小さな世家から助けを求められたのは昨夜のことだった。急に凶屍があふれかえり、仙師全員で対応に当たっているが手が回りきらない。どうにか江家に応援を派遣してもらえないか、という話であった。
     江澄はその翌日、つまり今朝から姑蘇へ発つ予定であった。藍家宗主からの招きによって、五日ほどを雲深不知処で過ごすことになっていた。
     しかし、これでは蓮花塢を留守にできない。
     世家への応援を師弟たちに任せることもできたが、江澄は蓮花塢に残ってひとり苛立ちを抱えることになる。そんなことは御免である。
     世家の宗主は江宗主自らが出向いたことにひどく驚き、次いで感謝の意を述べた。いたく感激しているふうでもあった。
    「あとどのくらいいる」
    「それが分かりませんで。原因も不明のままなのです」
    「ならば、調査からはじめなければな」
     江澄は最初に凶屍が現れたという地点へと向かう。山を進めば進むほど闇が深くなる。今晩、月はまだ出ていない。
     ふいに嫌な気配を感じて紫電 1712

    takami180

    PROGRESS恋綴3-3(旧続々長編曦澄)
    うーさぎうさぎ(羨哥哥が出ます)
     藍曦臣の長い指が、江澄の頬をなでる。
     顎をくすぐり、のどぼとけをたどり、鎖骨の間をとおって、袷に指がかかる。
    「やめてくれ!」
     しかし、藍曦臣の手は止まらなかった。
     無常にも袷は開かれ、傷跡があらわになる。
     温氏につけられた傷は凹凸をつくり、肌をゆがめていた。
    「見るな!」
     江澄は両手で胸を隠したが、遅かった。
     藍曦臣の目が見開かれて、柳眉がひそめられる。
     汚らしい、と聞こえた気がした。

     江澄は飛び起きた。
     跳ねのけたらしい掛布が足元で丸まっている。
     ここは宿だ。姑蘇の宿である。
     江澄は清談会に出席するための旅の途中であった。
    (またか)
     長大なため息がもれた。
     同じような夢を見るのは何度目になるだろう。今日はもう雲深不知処に到着するというのに。
     胸に手を当てる。
     傷痕は変わらずにここにある。
     最後に藍曦臣と会った後、江澄はあらゆる傷薬を取り寄せた。古傷を消すような軟膏を求めて、文献をあさった。
     しかしながら、都合のいい薬種は見つからず、今に至る。
    「宗主、お目覚めですか」
     扉の向こう側から師弟の声がした。少々寝坊をしたか。
    「起きた。すぐに行く 2468