❏設定❏
・彰人がこはねの記憶だけをなくす
・こはねに対してのみ出会った頃の態度になる
・強引に抱く描写あり
❏本文❏
~杏の父親の店~
ビビバスの四人:彰人を除いた全員が表情を曇らせている
杏「……だったら、どうしろって言うの?」
冬弥「どうするもこうするも、彰人に思い出してもらうしかないだろう」
彰人「お前ら、さっきから何をごちゃごちゃと言ってんだよ」
こはね「し、東雲くん……あの、本当に……」
彰人「気安く名前を呼ぶんじゃねえよ、チビ」
こはね「……っ!」
杏「彰人、あんたね! いい加減に……!」
冬弥「落ち着いてくれと言ったはずだぞ、白石。彰人が小豆沢の記憶を失っている以上、今起きていることは彰人の責任ではない」
杏「……っ、…………」
~数分前~
カランコロン(杏の父親の店のベルが鳴る音)
杏「いらっしゃいませー! ……って、なーんだ、あんた達か」
彰人・冬弥:制服姿で杏の父親の店に現れる
杏:二人を見ると、あからさまにガッカリした表情を浮かべる
彰人「おい、それが客に対する態度か? 今オレ達が入って来たところからやり直せよ」
彰人:意地の悪い微笑みを顔に貼りつけながら、杏を挑発する
杏「は? 経営者の娘特権で、あんただけ追い出すこともできるんですけど?」
冬弥「二人とも落ち着け。彰人、そうやってすぐに人をからかうのは、悪い癖だぞ」
彰人「はいはい、そーですか」
カランコロン(杏の父親の店のベルが鳴る音)
杏「こはね!」
こはね「わ!? あ、杏ちゃん! もう、いきなり抱き着かれたら、びっくりしちゃうよ」
杏「えへへ、ごめんごめん。そろそろこはねが来る頃かなってワクワクしてたのに、来たのがこの二人だったからガッカリしちゃってさ。その反動で、つい……って言っても、冬弥にはなんの文句もなくて、主にこのオレンジの髪した誰かさんのことを言ってるんだけど」
彰人「あ?」
こはね「ふふ、仲がいいんだね、二人とも」
杏「はあ!? どこが! ……って、彰人も否定してよ、もう。……彰人?」
彰人:杏の話を聞いていない様子でこはねの顔をまじまじと見つめているかと思うと、突然ふわりと柔和な微笑みを浮かべる
彰人「キミ、見ない顔だね」
冬弥・杏・こはね「…………?」
彰人「その制服、宮女のだよね。あのお嬢様学校の。そんな子がなんでこんな店に? 杏……白石さんの知り合い?」
杏「え? ちょ、ちょっと……どうしたの、彰人……」
冬弥「なにかのドッキリか? そんな話、聞いていないが……」
こはね「え? あ……あの……」
こはね:困惑した表情で彰人を見つめる
杏・冬弥:彰人とこはねを交互に見つめると、こはね同様に困惑したような表情を浮かべる
彰人「……? どうしたんだよ、お前ら。見かけない顔だから挨拶してるだけだろ」
杏「ちょっと、彰人。全っ然、面白くないよ。悪い冗談なら、いい加減やめときなって」
冬弥「……いや、彰人がこんな冗談を言うとは思えない。……彰人、もしかして小豆沢のことを忘れてしまったのか?」
こはね「……っ!?」
彰人「小豆沢? 誰だよ、それ」
冬弥・杏・こはね「……!」
店内:賑やかな喧騒の中で、四人の周囲だけがしんと静まり返る
冬弥「やはり、思ったとおりのようだな……」
杏「他の記憶はしっかりしてるのに、こはねの記憶だけすっぽりとなくなっちゃうなんて、そんなことあるの?」
冬弥「俺は医者ではないから分からない。……彰人、最近記憶をなくすキッカケになりそうな出来事はあったか?」
彰人「お前ら、一体なに言ってんだ?」
杏「いいから、答えて!」
彰人「……ったく、仕方ねえな。最近……最近……そういえば、昨日、絵名……姉貴に頭を殴られたな」
冬弥・杏・こはね「……!」
彰人「正確には、なにかが原因で怒ってる姉貴に出くわしたら八つ当たりしてきて、あいつが投げたカバンが頭に当たったんだよ」
杏「それだ……!」
冬弥「恐らく、それが原因だろうな」
彰人「はあ? お前ら、マジでさっきから、なに……」
杏:四人でフェニランに行った時に撮った記念写真を懐から取り出すと、彰人に見せる
彰人「……!」
杏「こはねと一緒に写ってる記念写真だから、いつも肌身離さず大事に持ってたんだけど、まさかこんなことで役に立つ日が来るとは思わなかった」
冬弥「彰人、お前の隣りに小豆沢も写っているだろう」
彰人「この写真を撮った記憶はあるが、小豆沢なんてヤツは知らねえ……」
彰人:ぼそりとそう言うと、こはねを睨みつける
こはね:落ち込んだ様子で黙り込んでいたものの、彰人に睨みつけられると蛇に睨まれた蛙のようにビクリと体を硬直させる
冬弥「彰人、自分が記憶を失っているなどと突然言われて信じたくない気持ちは分かるが、その記念写真は小豆沢の誕生日に撮ったものだぞ」
杏「そうだよ、彰人。こはねがいなかったら、この写真は存在してないんだよ」
彰人「……」
こはね「……」
彰人「……悪いが、オレは自分の記憶を信じる。こんなチビ、オレは知らねえ」
こはね「……っ!」
こはね:泣きだしそうな表情で俯く
杏「彰人!」
冬弥「落ち着いてくれ、白石」
冬弥:彰人に掴みかかろうとする杏を止める
杏「でも……!」
冬弥「おそらく、小豆沢の存在を認めると自分の記憶を否定しなければいけなくなるから、逆に小豆沢の存在を否定したいのだろう」
杏「……」
冬弥:杏にだけ聞こえる声で囁く
杏:困惑した表情を浮かべて黙り込む
~現在に戻る~
杏「確かに、彰人の責任じゃないのかもしれないけど……それでも、私の相棒……こはねへの態度は見過ごせない」
こはね「杏ちゃん、ありがとう……」
こはね:力なく微笑む
冬弥「とにかく、今後のチーム活動に関わる事態であることは確かだ。できるだけ早く、彰人に小豆沢の記憶を取り戻してもらわなければいけない」
杏「どうすればいいの?」
冬弥「荒療治にはなるが……しばらくの間、彰人と小豆沢の二人きりで過ごしてもらうというのはどうだ?」
杏「……はあ!?」
こはね「え……ええ!?」
彰人「は? ……おい、勝手に決めんなよ」
杏「そ、そんな、獰猛な肉食獣の檻に小動物を放つような真似、危険すぎるじゃない! なに考えてんの、冬弥!」
冬弥「もちろん、俺達の監督つきに決まっているだろう。このままだと、彰人は小豆沢に今のような態度を取り続けるだろう。そうなると、いつまでも小豆沢の記憶を取り戻せずに、チームとしての活動が危機に瀕する可能性がある。それならば、小豆沢と二人きりにして無理やりにでも会話をしてもらい、思い出してもらう他に方法はないだろう」
杏「ふ、普通の手段じゃダメなの? 病院に連れて行くとか……」
冬弥「もちろん、明日にでも行ってもらう。だが、今日一日だけ二人きりで過ごしてもらって、記憶が戻るかどうか試してもらいたいんだ」
杏「……そういうことなら、私は賛成。もちろん、こはねに嫌な思いをさせちゃうかもしれないし、私だってこはねにそんな思いをさせるのはすっごく嫌だ。でも、病院に行って記憶を取り戻す治療なんてしたところでいつまでかかるか分かんないし、彰人がこはねと一緒にいることのほうが一番の治療薬になりそうな気がするの」
こはね「わ、分かった……東雲くんは……?」
彰人:話しかけるなと言わんばかりに、じろりとこはねを睨みつける
こはね:萎縮して目をそらす
彰人「三対一だからな、抵抗したって無駄だろ」
彰人:諦めたようにそう言う
杏「彰人! それじゃ……」
彰人「ああ、今日一日だけ、このチビと二人きりで過ごしてやるよ」
冬弥「ありがとう、彰人」
杏「私はこはねにチビなんて吐き捨てるヤツに、お礼なんて言わないからね」
彰人「言ってくれなくて結構だ」
こはね「ありがとう、東雲くん」
彰人「なんで、お前が礼を言うんだよ……」
こはね「だって、私のことを忘れちゃっても、東雲くんは東雲くんなんだなって思ったから」
彰人「は? ワケ分かんねえ……」
こはね(いきなり記憶をなくしちゃったことが分かって不安なはずなのに、東雲くんの記憶を否定する存在になっちゃった私といたくないはずなのに、それでも杏ちゃんや、青柳くんや、東雲くん自身が大事にしてるチームのために私と二人きりで過ごすことを選んでくれた……そんなところが、東雲くんだなって思ったんだよ)
こはね「よろしくね、東雲くん」
彰人「……変な女だな」
〜店の奥の通路〜
杏「父さんに事情を説明したら、お店の物置き部屋になってるところを使わせてくれるって。……あ、ここだよ」
杏:三人を店の奥に案内していると彰人とこはねが過ごす部屋に辿り着き、ドアを開けて二人を通す
冬弥「……では、俺と白石は十分おきに様子を見に来るから、二人はここで一日を過ごしてくれ」
彰人「十分おき? なんだよ、その頻度は……」
杏「文句を言わない! あんたがこはねをいじめてないか見張るのに、十分じゃ長すぎるくらいなんだからね。お店の手伝いさえなければ、一分おきにしたいくらいなんだから」
こはね「あ、杏ちゃん……あはは……」
こはね:自分に対して過保護すぎる杏に苦笑いを浮かべる
こはね「大丈夫だよ、杏ちゃん。ここは私と東雲くんに任せて、お店のお手伝いに戻っていいよ」
杏「こはね、なんて天使なの……! なにかあったら大声で呼ぶんだよ! すぐに飛んできて、彰人をぶん殴ってあげるからね!?」
こはね「ぼ、暴力はダメだよ、杏ちゃん。青柳くんも心配だろうけど、ここは私と東雲くんに任せて」
冬弥「ああ、俺は白石と一緒に店を手伝うことになった。二人の様子を見るためとはいえ、なにもせずに長居するわけにはいかないからな」
こはね「そっか、がんばってね、青柳くん」
杏「それじゃ、なにかあったら絶対に呼ぶんだよ、こはね!」
冬弥「彰人、小豆沢をいじめるなよ」
彰人「はいはい」
こはね「二人とも、また後でね」
バタンッ(ドアが閉まる音)
彰人「……」
こはね「……」
彰人・こはね:二人きりになった途端に気まずい沈黙が流れる
彰人:こはねの存在を無視するように部屋の奥に進むと、椅子に座る
こはね:気まずそうに彰人の行方を目で追うも、意を決したような表情を浮かべる
こはね「し、東雲くん……!」
彰人「気安く呼ぶなって言っただろ、チビ」
こはね「……っ! と、隣りに座っても大丈夫?」
彰人「は? 今オレが言った言葉を聞いてたのか?」
こはね「き、聞いてたよ。でも、こんなに距離が離れてたら、まともに話せないから」
彰人「話すことなんか、何もねえ」
こはね「……っ!」
こはね:目じりに涙を浮かべて、キッと彰人を睨みつける
こはね「し、東雲くんにはなくても、私にはあるの……!」
こはね:叫ぶようにそう言うと、彰人の了承を得ずに彰人が座っている椅子まで歩いていき、彰人の隣りに座る
彰人「おい」
彰人:その様子を呆気に取られて見ていたものの、ハッと我に返るとこはねを睨みつける
こはね「そ、そんな怖い顔をされたって、全然怖くないよ……何か月も一緒に過ごしてきて、東雲くんが優しいってこと、沢山知ってるから……」
彰人「……へえ、オレのことそんなに知ってくれてるんだ」
彰人:口元に笑みを浮かべる
彰人「だったら、オレが今からすることも予測つくよな」
こはね「え?」
こはね:普段聞いたことのないような低い声で呟かれた彰人の言葉に一瞬遅れて反応するも、ドサリと椅子に押し倒されると、思考が停止したように目を見開く
彰人「なんだよ、その顔。オレのこと分かってるんじゃねえの?」
こはね「……っ、し、東雲くん……!? これ、なに……っ」
彰人「小豆沢さん……だっけ? 今日はオレとキミの二人きりで、お互いのことを知り合う日なんだろ?」
彰人:そう言うと、こはねの制服の裾を掴みバッと勢いよく上に捲り上げる
こはね「――――…………」
こはね:再び思考が停止したように目を見開くと、感情が追いつかずに無表情になって彰人の顔を見つめる
彰人「白、か。お嬢様学校に通ってるくらいだから、想像してたとおりだったが。いかにも清純ですって感じのお前のその態度も含めて、今からたっぷりと汚してやるよ」
彰人:こはねの腹部に顔を近づけると、白く滑らかな肌に舌を這わせていく
こはね「――……っ!」
こはね:彰人の体を力いっぱい突き飛ばし距離が離れた隙に下から抜け出すと、ショックのあまりぽろぽろと涙をこぼしながらドアに向かって走っていき、もつれる手でドアノブを掴むと部屋から出ようとする
彰人「おい、オレにお前のことを思い出してほしいんじゃなかったのか?」
こはね「……!」
こはね:びくりと肩を震わせてその場に硬直すると、ゆっくりと声のした方向に視線を向ける
彰人「今お前が出ていけば、なにもかも終わりだ」
こはね「……」
コンコンッ(ドアをノックする音)
杏「こはね、大丈夫ー?」
こはね「……っ!?」
こはね:ノックの音が響きドアの向こう側から杏の声がすると、びくりと体を震わせる
こはね「……あ……っ、…………」
杏「大丈夫? 彰人に何もされてない?」
こはね「…………っ!」
こはね:なにかを言おうと口を開くも言葉が出ず、再び泣き出しそうな表情を浮かべながら彰人を見る
彰人:余裕の笑みを浮かべながら、無言で肩をすくめてみせる
こはね:唇をきゅっと噛みしめると、無理やり笑顔を作る
こはね「だ、大丈夫だよ、杏ちゃん。ちゃんと二人でお話できてる、から……」
杏「なにかあったら絶対に言うんだよ。それじゃ、冬弥一人に任せてるから戻らないと。また後でね」
室内:杏が手伝いに戻り、しんと静まり返る
彰人:椅子から立ち上がると、こはねに近づいていく
こはね:びくりと体を震わせると、ドアに背中をぴたりとくっつけて動けなくなる
彰人「今のは、小豆沢さんからの、二人で仲良く”話し合い”を続けたいっていう、意思表示と捉えていいんだよね?」
こはね「……っ、…………」
こはね:彰人が初対面の相手に対して使う丁寧な口調に壁を感じ、言葉の端々に含まれる威圧感に縮こまるも、覚悟を決めたような表情を浮かべる
こはね「うん、”お話”続けよう? 東雲くんに、早く思い出してもらいたいから……」
〜数分後〜
こはね「……んっ、ん……っ……ゃ……東雲、くん……ぁ……っ」
彰人「もっと、声抑えて」
こはね:彰人に背後からドアに押しつけられながら胸の先端を指で愛撫され、必死に声を我慢している
彰人「……ここ、ぷっくりと膨らんできた。こんな状況なのにきもちいいんだね、小豆沢さん」
こはね「〜〜っ!」
こはね:羞恥心から瞳に涙を浮かべると、ふるふると首を左右に振る
彰人「……あれ、小豆沢さんって、ひょっとして嘘つき? ちゃんと本音を言ってくれないと、”話し合い”にならねえだろ?」
こはね「……!」
彰人「どうなんだよ」
こはね「……っ……きもち、いい……こんな、状況……なの……に……っ、おっぱい、じんじんして……っ」
彰人「そうそう。小豆沢さんが、そうやって正直に話してくれりゃ、オレの記憶もじきに戻ると思うよ」
こはね「……っ」
彰人「あ、そうだ……正直に話してくれたご褒美」
彰人:こはねの耳元でそう囁くと、こはねのスカートの中に手を滑り込ませ、ショーツの隙間に指を入れる
彰人「……すげえな、胸だけでこんなになってんのか」
こはね「~~っ、や……っ、そこ……は……やめ、て……東雲、くん……っ」
彰人「また嘘かよ」
彰人:こはねの耳元で低く囁くと、愛液を溢れさせているこはねの膣内にぬぷりと指を入れる
こはね「……ぁ、いや……っ」
彰人:嫌がるこはねを無視して、じゅぷじゅぷと音をたてながら、こはねの中を激しく指でかきまわす
彰人「ほら、ここはやめてなんて言ってねえだろ。むしろ、もっとって言ってんのが聞こえるか?」
こはね「……っ、や、いや……! し……しのの、め……く……や、め……て……! ん……ぁ、あぁ……!」
こはね:びくびくと何度も腰を跳ねさせながら指だけで絶頂に達すると、くたりとその場に倒れ込む
彰人「おっと……」
彰人:倒れ込みそうになったこはねを腕で支えると、耳元に唇を寄せる
彰人「……”話し合い”を続ける? それとも、やめる?」
こはね「――――…………っ」
コンコンッ(ドアをノックする音)
こはね「……っ!?」
こはね:ノックの音に驚くと、びくりと体を震わせる
冬弥「彰人、小豆沢、様子を見に来たが……大丈夫か?」
こはね「あ……」
こはね:どくどくと心拍数が上がっていきパニックに陥りそうになるも、きゅっと唇を噛みしめると冷静さを取り戻す
こはね「だ、大丈夫だよ、青柳くん……」
冬弥「小豆沢、彰人にいじめられていないか?」
彰人「人をいじめっこみたいに言うな」
冬弥「彰人、俺は小豆沢に聞いているんだ」
こはね「……っ、い、いじめられて……ないよ……」
冬弥「そうか、彰人は記憶を取り戻せたのか?」
彰人「取り戻せてたら、お前らのところに戻ってるだろ」
冬弥「……そうだな。では、俺は店の手伝いに戻る。なにかあったら大声を出すんだぞ、小豆沢」
冬弥:ドアを離れると、手伝いに戻っていく
彰人「……ったく、杏みたいなことを言いやがって」
彰人:ドアの向こう側にいる冬弥を睨みつけながら不機嫌そうに呟くも、すぐにこはねを視界にとらえると口元に笑みを浮かべる
彰人「冬弥を帰したことも、このまま”話し合い”を続けたいっていう小豆沢さんの意思表示だって捉えるけど、いいんだよね?」
こはね「……っ、…………めて」
彰人「……? 今、なにか言ったか?」
こはね「あ、小豆沢さん、は……やめて……!」
彰人「!」
こはね「……お願い、だから……その口調、も、やめて……! い、いつもの東雲くんに戻ってくれる、なら……私、なにされても、いい……!」
彰人「……」
こはね:目じりに浮かべていた涙が頬を濡らし、いまだに状況を吞み込めずにいながらも必死にそう叫ぶと、言葉通りの覚悟を決めた表情で彰人の顔をじっと見つめる
彰人「……下の名前は、こはね、だったか。分かった。その代わり、何しても抵抗すんなよ」
こはね「……!」
こはね:震える唇をきゅっと噛みしめると、こくりと頷く
~数分後~
こはね「……ん、ん! ……んんっ……!」
彰人「……っ、…………」
彰人:こはねをドアに押しつけて口元を手で塞ぎ声を押し殺させながら、ショーツの隙間から挿入している性器を何度も激しく出し入れしている
彰人「……っ、こはね……」
こはね「ん、んん……! んーーっ、ん……んん……っ」
こはね:彰人に口を塞がれているため、自然と声を押し殺しながらも、奥を突かれるたびに鼻にかかった甘い声を漏らす
彰人:お互いの肌がぶつかるたびに、服が擦れあう音とパンッパンッという乾いた音が響き、その音に興奮を高まらせながら、こはねの口を塞いでいる手とは反対の手で胸を揉みしだき、同時に激しく突き上げ続ける
こはね「ん! んっ、ん! ……っ……ん、んん……! ん~~っ!」
こはね:びくびくと腰を跳ねさせ、大きく背を仰け反らせると、彰人に突かれながら絶頂に達する
彰人「…………っ! ……はっ、お嬢様学校の清楚な制服に身を包んでるわりには、すげえ敏感じゃねえか」
彰人:こはねが達した瞬間の締めつけに眉根を寄せると、ぴたりと動きを止める
こはね「……っ、んん……っ」
こはね:達したばかりで意識が朦朧としながらも、口を塞ぐ彰人の手に手のひらを重ねると、手を退けてほしいと伝えるように力を込める
彰人「……っと、わりい。これじゃ喋れねえよな」
彰人:すぐに手を退けるとこはねの制服のスカートを掴み、止めていた律動を再開すると、達したばかりで敏感になっているこはねの中を何度も強く突き上げる
こはね「……っ!? や……! あぁ……っ、あ……! あ! あん! しの、のめ……くん……っ、いやあ……!」
こはね:逃れられない強すぎる快感から必死で逃れようとするように、何度も左右に首を振る
彰人「そんなでけえ声出してたら、店まで聞こえちまうぞ」
彰人:こはねの耳元で意地悪な口調で囁きながら、口角を上げる
こはね「……っ!」
こはね:いつの間にか声が大きくなっていたことに気がつくと体をびくんと震わせ、今度は自分の両手で口を塞ぎ、彰人に突かれるたびにくぐもった甘い声を漏らす
彰人「……っ、こはね……」
彰人:こはねの耳元に唇を寄せると名前を呼ぶ
こはね:先ほどまで苗字でしか呼んでくれなかった彰人に何度も名前を呼ばれていることが嬉しく、思わず絶頂に達しそうになると中をきゅっと締めつける
彰人「オレの記憶を取り戻すために、わざわざヤらせてくれたのに悪いけど……お前のこと、全然思い出せそうに……」
彰人:突然ズキッと頭が痛み動きを止めると、顔を歪めながら痛む場所を手で押さえる
こはね「……っ、あ……はぁ……はぁ……っ、しののめ、くん……?」
こはね:律動が止まり快感の波が引いていくと、背後にいる彰人を振り返って見上げる
彰人「……なんだ、今の、…………っ」
こはね「東雲くん?」
彰人「――――…………っ!」
彰人:一瞬痛みが引くもすぐにもう一度ズキズキと頭が痛みはじめ、不安そうな表情のこはねに名前を呼ばれて目が合うと、ビクリと体を震わせる
彰人「~~っ! もうオレに近づくな!」
こはね「え……?」
彰人:吐き捨てるように拒絶の言葉を口にするとこはねの中から性器を引き抜き、目の前のこはねの存在を無視して乱れた服装を整えはじめる
こはね「……っ、あ……」
こはね:引き抜かれる刺激にすら快感を拾ってしまいぴくんと体を跳ねさせるも、支えを失ったせいか不安そうな表情を浮かべたままぺたんとその場に座りこむ
彰人「オレは、お前のことなんか知らねえ! ……はずなのに……なんでだよ……なにか、思い出しそうに……くそ……っ」
彰人:もう一度吐き捨てるような口調でそう言うと、こはねから離れようとするように部屋の奥へと向かっていき、どかりと椅子に座るとズキズキと痛み続ける頭を手で押さえる
こはね「し、東雲くん、どうしたの……?」
こはね:乱れた服装を整えることも忘れて彰人を見つめると、不安そうな声色で問いかける
彰人「こはね……」
彰人:こはねの名前を呼ぶたびになにかを思い出しそうになり、無意識にこはねの名前を何度も呟く
こはね「……? ……東雲、くん……?」
こはね:彰人が自分のことを呼んでいるように聞こえると、ふらふらとドアの前から離れて彰人に近づいていく
こはね「し、東雲くん、さっきからどうしちゃったの……?」
こはね:戸惑いながらも彰人の隣りに座ると、恐る恐る声をかける
彰人「こはね……?」
彰人:こはねの顔を見てハッとなにかを思い出したような顔をすると、口元に手を当てて目をそらす
こはね「……? 東雲く……」
彰人「悪い」
こはね「え?」
彰人「お前のこと……思い出した……」
こはね「あ……」
彰人「オレ、お前にすげえ酷いことを……」
こはね:罪悪感を覚えて目を合わせることもしない彰人をじっと見つめると、ようやく思い出してくれた喜びにひたることもできずにスカートの裾をぎゅっと握りしめ、意を決したような表情を浮かべる
こはね「東雲くん、こっちを向いて?」
彰人「無理だ、お前に合わせる顔が……」
こはね「わ、私に酷いことをしたと思ってるなら、私のお願いを聞いてくれないかな……東雲くん……」
彰人「…………」
彰人:相変わらず目はそらしたままにこはねのほうを振り向くも、気まずそうに黙り込む
こはね「……っ、東雲くんの……ばか……!」
こはね:ぺちんっと渇いた音をたてて、彰人の頬を張る
彰人「……!? 痛っ……くは、ねえか……なんだよ、今の軽すぎるビンタは……」
彰人:驚いたように目を見開きようやくこはねと目を合わせるも、叩かれた頬を手のひらでさすりながら戸惑い混じりの口調で言う
こはね「え、えっと……思いっきり叩いてないから、だと思う……」
彰人「どうせなら、思いっきりやれよ」
こはね「……っ! そ、そんなの、絶対にイヤだよ……!」
彰人「おい……」
こはね「わ、私は今ので十分満足したの……さっきまでの東雲くんを許したの……だから、東雲くんも……さっきまでの東雲くんに怒ってたとしても、今ので許してあげて……?」
彰人「お前はそれでよくても、オレは……思いっきりぶたれたほうが、少しは罪悪感がマシになんだろ……」
こはね「ふふ、ダメだよ。そのほうが東雲くんが楽になるのかもしれないけど、罪悪感が消えるっていうことは、東雲くんがしたことを忘れちゃうってことでしょ。東雲くんにとって苦しいことでも、もう私との思い出とか、全部を忘れてほしくないんだ」
彰人「――……っ! 忘れねえよ、もう……」
彰人:こはねの後頭部に手を添えると、目を見開くこはねを自分のほうに引き寄せて唇を重ねる
こはね「……!? ……ん、っ……ん……」
こはね:突然のことに混乱しながらもぎゅっと目を閉じて行き場を失った手をうろうろとさ迷わせると、口内に入ってきた舌の動きに翻弄されるように鼻にかかった甘い声を漏らし、だんだんと体の力が抜けてくると彰人の服の裾を弱々しく掴む
彰人「好きだ、こはね……」
こはね「……はぁ、ん……っ、……し、しの……のめ……くん……」
彰人「こはねは、どうなんだ?」
こはね「……っ、聞かなくても、きっと……分かってる、よね……」
彰人「こはねの口から、聞きてえ……」
こはね「…………っ」
こはね:彰人にこはねと呼ばれるたびにきゅっと胸が締めつけられ、泣きそうな微笑みを浮かべる
こはね「……好き、だよ……東雲くんのことが……大好き……」
彰人「――――…………っ」
彰人:こはねの笑顔に胸を鷲づかみにされたような衝撃を感じると、こはねの華奢な体を力いっぱい抱きしめる
こはね「きゃ!? い、いた……い、よ……っ、東雲、くん……っ」
彰人「悪い……」
彰人:すぐに体を離すも、こはねの両肩に手を置くと真正面からこはねを見つめる
こはね:口元に手を当てると、ふわりと微笑む
こはね「ふふ、やっぱり東雲くんは、東雲くんだったね」
彰人「は?」
こはね「だって、私がお願いしたらちゃんとこはねって呼んでくれて、そのおかげで私のことを思い出してくれたから。それって、東雲くんが私のことをこはねって呼んでたことを覚えてたからだよね?」
彰人「さっきも思ったけど、やっぱり変な女だな……」
こはね「そ、そうかな……」
彰人「――……こはねがそう言うなら、きっとそうなんだろうな」
彰人:ふっと柔らかな微笑みを浮かべると、こはねの耳元に唇を寄せる
彰人「こはねも、オレのことを名前で呼べよ」
こはね「……え、ぇ……えぇ……!?」
こはね:顔を真っ赤にすると、うろうろと視線をさまよわせる
彰人「お前だってオレに小豆沢って呼ぶなって言っただろ、おあいこだ」
こはね「~~~~っ、あ……彰人……くん……」
彰人「……ふっ、上出来」
彰人:こはねの頭をぽんぽんと優しく撫でる
彰人「もう一度」
こはね「……あ、彰人……くん……」
彰人「もう一度」
こはね「……っ!? は、恥ずかしいよ……! な、何回、言わせる気なの……」
彰人「何回でも……」
彰人:こはねを椅子の上に優しく押し倒すと、なにも言わずに唇を重ねる
こはね:驚いたように目を見開くも、すぐに受け入れて彰人の背中に腕を回すと目を閉じる
~店内~
杏「ふう……冬弥、そろそろ休憩しよっか」
冬弥「そうだな、彰人と小豆沢の様子も気になるし、二人で見に行こう」
杏・冬弥:店の奥へと進み、彰人とこはねがいる部屋の前に辿り着く
杏「こは……」
杏:ドアをノックしようとして手を上げたところで、部屋の中から聞こえてきた声に気を取られて動きを止める
こはね「……いや! ……めて……くん! やめて……!」
杏「…………!」
杏:顔からさっと血の気が引いていき、慌ててドアノブをひねると、部屋の中に飛び込んでいく
杏「こはね! ……彰人! あんた、私のこはねをいじめてたら、ただじゃ、…………!?」
彰人「……っ、こはね……!」
こはね「あっ、ぁ、あぁ! いやっ……あ、ぁ……あ、あん……! あき……と、くん……やめ、て……! おかしく、なっちゃう……!」
彰人「……ったく、下の口はこんなに正直なのに、上の口からはやめてしか聞こえねえな」
こはね「……っ! や、あ……っ……だって……あ、んっ……だっ……て……っ、あ……いや、あ、あぁ……!」
彰人:部屋の奥にある椅子の上でこはねの上に覆いかぶさり、こはねの中に挿入した性器で何度もこはねを突き上げている
こはね:彰人の背中に腕を回し、快感の強さから逃れようとするように左右に首を振りながら彰人に突かれている
杏「……………」
冬弥「これは、とんでもない展開になっているな、白石……白石?」
杏「…………………………」
杏:冬弥の言葉が耳に届いていない様子で、その場に立ち尽くしている
彰人・こはね:ようやく二人が入ってきたことに気がつくと、二人同時に「あ……」と短い声を出して固まる
冬弥「……えっと、こういう時はなんと言葉をかけたらいいんだ?」
こはね「~~~~っ! あ、彰人くん……抜いて……お願い……っ」
彰人「あ……っ、わ、わりい……って、今抜いたら……お前ら、向こう向いとけよ!」
冬弥「……っ、す、すまない……白石、向こうを……」
杏「……彰人、くん……? 抜いて……? あはは、なにを言ってるの、こはね。お願いだから、正気に戻って……あはは……は……」
冬弥「二人とも、白石が正気を失っているようだ……」
彰人「チッ……なんでもいいから、早く……」
冬弥「彰人」
彰人「なんだよ……」
冬弥「記憶は戻ったのか?」
彰人「ああ……」
冬弥「そうか」
冬弥:安心したように微笑むと、ショックのあまりその場から動けなくなった杏を支えながら部屋を出ていく
彰人「……ったく」
こはね「ふふっ」
彰人「なに笑ってんだよ」
こはね「だって、彰人くんに忘れられちゃった時は、まさか彰人くんとこんなふうになるなんて、思ってなかったから」
彰人「……? だから、笑ったってのか?」
こはね「う、うん……嬉しいなって思ったら……思わず、笑いが出ちゃったの……」
彰人「……そうか」
彰人:なにかを考えるように目を細めると、こはねの中に埋めたままだった性器をゆっくりと抜き差しする
こはね「……えっ……あ……!? ……ゃ、あき……と、くん……っ」
彰人「邪魔者はいなくなったし、続きをやるぞ……」
彰人:こはねの耳元に唇を寄せて囁くようにそう言うと、突き上げを激しくしていく
こはね「……や、あ……っ、ぁ……あん……! あ……ぁ……っ、あ……! あき、と……く……っ、ん……んんっ……、んぅ……っ」
彰人:だんだんと律動を激しくしながらこはねの唇にキスをすると、酸素を奪うように激しく口内を犯しはじめる
こはね「……はぁ……あ……ん、ん……っ、んん……っ……ん、ぅ、ん……っ」
彰人「……っ、こはね…………」
彰人:こはねの口内と膣奥を乱暴に犯しながら切羽詰まった声色で名前を呼ぶと、ゆっくりと体を起こしてこはねの両手に指を絡ませる
こはね「……ん……ゃ、あっ……あ……あぁ……! ……ゃ……あんっ……あ……! あき……と、く……っ」
彰人「……こは、ね……っ、好きだ……っ」
彰人:パンッパンッと肌同士がぶつかる激しい音を響かせながら、真剣な表情で何度も好きだと呟くと同時にこはねの名前を呼び続ける
こはね「……あ、ん、あぁ……! わた……し、も……っ、あき……と、く……あっ……ん……すき……っ、あ……だいすき……っ」
こはね:彰人に名前を呼ばれ、好きだと言われるたびに中をきゅっと締めつけ続け、快感によって表情を歪ませながらもふわりと微笑みを浮かべると、途切れ途切れの言葉で彰人への想いを伝えようとする
彰人「く……っ、こはね……もう……っ」
こはね「~~っ! いい、よ……っ、あき、と……くん……っ、わた……し、に……ぜん……ぶ、ぶつけ……て、おねがい……っ」
こはね:いつも余裕のある表情を歪ませて限界を訴える彰人にきゅんと胸を高鳴らせると、目じりに溜まっていた涙をこぼしながら先ほど重ねられた両手に力を込めて受け入れる
彰人「――――…………っ!」
彰人:興奮が最高潮まで高まりこはねの両手をぐいっと乱暴に椅子に押しつけると、全ての欲望をぶつけるように突き上げを激しくしていき、何度も強く膣奥を突き上げてから最奥で射精する
こはね「……あっ、や……あ……! あ……! んっ、あ、ぁ……! や、あ……! ……あ、ぁ、ああぁぁ! ~~~~っ!」
こはね:何度目になるかも分からない絶頂に達すると、重ねた両手と繋がっている内部に無意識に力を込め、びくびくと全身を跳ねさせながら大きく背を仰け反らせる
〜数分後〜
冬弥「それで、二人は交際することになったのか?」
こはね「……っ!」
彰人「なんで、そんな個人的な質問に答えなきゃいけねえんだよ?」
冬弥「はぐらかすな、彰人。俺達のチームに関わる問題だからと、分かっていながら聞いているのだろう?」
彰人「チッ……ああ、そうだよ。オレとこはねは付き合う。これで満足か?」
彰人:恥ずかしそうに頬を赤らめながら呟く
こはね「〜〜っ!」
こはね:彰人がしぶしぶといった様子で冬弥に打ち明けると、その様子を側で見守りながら恥ずかしそうに俯く
杏「…………」
冬弥「白石、まだ立ち直れていないのか?」
杏「…………」
彰人「おい、杏」
杏「……うるさい、ほっといて」
こはね「あ、杏ちゃん……」
杏「……っ!」
杏:がばりと勢いよくこはねに抱きつく
こはね「あ、杏ちゃん……!?」
杏「こはね……! もしも今日ので赤ちゃんができちゃったら、私にも育てさせて!」
彰人・冬弥・こはね「……!?」
杏「たとえ彰人の血を引いていようが、こはねの赤ちゃんだったら、ぜったい、ぜったい、ぜぇーったいに超かわいいの確定だし、こはねの相棒として私も子育てに協力させ……」
こはね「ま、待って、杏ちゃん……! な、なんで、そんな話になって……!?」
杏「もしもって言ったじゃん……今度こそ、彰人に汚されることのない、私だけのこはね二号が誕生するかもしれないじゃん……」
冬弥「いまだに正気を失っているようだな」
彰人「こはね二号って……」
こはね「あ、杏ちゃん……うん、その時は杏ちゃんが名前をつけてね」
彰人「おい、こはね……いくら慰めるためでも、んな軽率に……」
杏「いいの!? じゃあ、こはねとハムスターをかけて、こはむはどう?」
こはね「こ、こはむ……!?」
彰人「そんな名前には、絶対にさせねえ」
杏「彰人には関係ないでしょ!?」
彰人「オレの子だろ。東雲こはむなんて、ふざけた名前……」
杏「いや! やめて! オレの子とか言わないで! 現実を直視させないで!」
冬弥「こはむか、いい名前だ」
謙(あの後なにがあったかは知らないが、ツッコミが不在で収集がつかなくなってんな、ありゃ……)
〜終〜