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    TaigaTorazo

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    ・vsr夢
    ・明治軸

    ヴァシリにタイタニックしてもらった 第3話「…………」






    「…………」







    死神にでも腕をつかまれたのではないかと恐る恐る振り向いた。






    するとそこには、見慣れぬ出立ちをした外国の男性が私の腕をしっかりとつかんでいた。





    父の着ていた軍服とは全く違うが、それでも軍人の娘として、この男性が兵士であることがわかった。





    鋭い眼光をした青い目。
    だけど何故か怖くはなく、むしろどこか暖かい何かを感じさせるような眼差しを私に向けていた。

    そしてどこか高尚な雰囲気を彼は纏っていた。



    欄干を挟んで私と彼は見つめ合っていた。
    一瞬だったのか、長い時間だったのかはよくわからない。



    あまりにも予期せぬ人物の登場に、私はついさっきまで自分が海に飛び込もうとしていたことを忘れていた。
    靴も履かずに、足袋のままでいたことも忘れていた。



    そして今、自分が欄干の外側に立っていることを思い出した。





    「……ぁっ!」




    突風が吹きつけ、私の身体はまた船から離れそうになった。







    ーーー怖い








    ーーー死にたくない。



















    今度こそ黒い海に吸い込まれると思い、目をつぶった。





    しかし、大きな力で自分の身体が引っぱられていくのを感じ、私の身体はしっかりと何かに包まれていた。







    「………」






    「………」







    目の前にあるのは、コートの生地とその下にあるであろう、鍛えられた男性の身体の質感。




    私がこの男性に覆い被さるようにして、身体が重なっていた。



    とはいえ、私の方が身体が小さいため私が覆い被さるというよりかは、この男性が仰向けで私の下敷きになっていた。


    彼は片方の腕で私の背中を、もう片方の手で首の後ろ辺りを髪の毛ごとしっかりとおさえていた。



    思わず顔を上げると、彼は口元を布で覆っており、唯一露出してるのは目元だけだった。しかし、それだけでも彼が整った顔立ちであることがわかった。



    「……」




    何も言わずに彼はその神秘的な色の目を私に向けた。
    あまりにも綺麗な目で、私は急に恥ずかしくなってしまい、そのままうつむいた。



    喋れないのか、喋れたとしても言葉が通じないのか。




    彼の手はゴツゴツと大きくて、指も存外太く、この人が「男」であることを感じさせた。



    先刻ベッドで押し倒された時とはまた違って、私の心臓はおかしな鼓動を刻んでいた。




    こんなわずかな時間の間に、別の男性と密着している自分が信じられなかった。
    それも、外国の男性とーーー。





    でも、何故か彼からは生前母が愛用していた香炉から漂っていた匂いが少しだけしたような気がした。


    蘇合香(そごうこう)といい、品のある甘さをもった香りで、日本女性のお手本のような母によく似合っていた。


    …その香炉も今はもうどこかの質屋に流れている。



    私は不思議と異国の男性に亡き母を思い出していた。














    ーーーーー







    どのくらい経ったのだろうか。




    月がだいぶ移動したようにも思えるが、私も彼女も何を言うわけでもなく、このままでいた。



    眠ってしまったかと思ったが、伏し目がちの目は開いているようだ。
    漆黒に濡れたまつ毛が一本一本、月明かりにやわらかく照らされていた。
    涙で光るそこはまるで宝石をちりばめたようだった。




    冬の星空を幕に、月を照明にして、デッキの上で私たちは観客のいない劇でもしているかのようだった。




    最初は小さく震えていた彼女の身体は徐々に落ち着いたのか、そのまま私に身体を預けたままでいる。




    夜空をつむいだような色の髪はとても綺麗で、薄着の彼女からはロマーシカの花のような香りがした。

    幼い時、家の周りにたくさん咲いていた花。

    描く動物がいない時に描いていた花。

    茶葉が買えない時に、摘んで飲んでいた花。
     




    日本人である彼女に、何故かロシアの片田舎での遠い記憶が呼び起こされていた。






    これまで生きてきた中で、最も心地良い時間と言っても過言ではなかった。







































    ーーーガチャッ




    ーーーコツコツコツ…。




    1人分の革靴の音が近づいて来た。


    …今度は男だろうか。










    彼女も足音に気付き、音の鳴る方向へ顔を向けた。





    「!」






    「……………………何をしているんですか。」







    彼女はすぐに私から離れ、一瞬で顔をこわばらせた。



    そして随分歳の離れた、眼鏡をかけたその男に向かって頭を下げた。





    「も、申し訳ありません……。」





    「……その男は貴方の知り合いですか?」





    「い、いえ……。」







    「………………そうですか。




    では、戻りましょう。そのままでは風邪をひきますよ。

    羽織をお忘れになったでしょう。
    それから靴も。



    私がお部屋まで送りますから。」





    そう言ってその男は彼女に上着を着させ、彼女の肩を抱きながら船内へ去って行った。



    眼鏡の男は私など居ないかのように振る舞い、一度も振り向くことはなかった。




    彼女はうつむいたままだったが、ガラスの扉の向こう側に入る前に一瞬だけ私の方を見た。









    彼女の体温がまだ胸のあたりに残っていた。















    ーーーーー





    結局あの後、部屋まで無言のまま戻り、「おやすみなさい」と言った私に婚約者は何も言わずに自分の部屋へ戻って行った。







    今思い出しても、あの月下の抱擁は夢だったのではないかと思う。


    この船には外国の人々も多く乗っているが、「彼」は何というか、その人たちとは全く異なる世界からやってきたような気がする。


    それは彼が口元を覆っており、全く言葉を話さなかったことが余計に神秘的な印象をもたらし、やはりあれは夢かまぼろしを見ていたのではないかと思わせた。



    しかし、あの鋭いけれどもどこかやさしい青い目だけははっきりと覚えていて、やはり夢ではなかったのかもしれない。











    身支度を済ませ、朝日が燦々と差し込むテーブル席で婚約者と二人で座っている。



    テーブルクロスの上には白磁のティーポット、金の縁がついたティーカップ、青い花模様の珈琲カップ、籠に盛られたパン、グラスに入れられたオレンジジュース、つるんとしたミルクピッチャー、清潔なシュガーボウル。
    目の前のお皿には瑞々しいサラダ、ゆで卵、鮮やかな色のオムレツ、つやつやとしたミニトマト、てらてら光るベーコンがのせられていた。




    食欲はなく、私は飴色に透き通った紅茶を少しだけ口に入れた。






    昨晩部屋の前で別れてから、婚約者とはひとことも言葉を交わしていない。




    「……」




    珈琲を飲みながら私に顔を向けてくる婚約者。
    眼鏡が日の光に反射し、彼がどんな目をしているのかはわからない。



    「……」




    決まりが悪いように私はティーカップを持ちながら、絨毯の模様を見つめていた。






    「……昨晩、君はあそこで何をしていたんですか?」





    「……」


















    「まさか、あの男に身体を売っていたんじゃないんだろうね。」






    「っそ、そんなこと…!

    助けていただいたのです…。私が海に落ちそうだったところを…。」





    「……そうですか。ですが、間もなく私の妻になる方が他の男と真夜中に外で抱き合っていたなんて、亡くなられたお母様が聞いたらなんて思われるでしょうね。


    しかも、外国人の男と。」





    「………申し訳、ありませんでした。」






    「……身なりからして、あの男はロシアの兵士でしょう。何故この船に乗っているのかはわかりませんが…。


    日露戦争で大勢の日本兵を率いていた海軍大佐の娘である貴方が、ロシア兵に心奪われるなんてことがもしあれば、貴方は一族の恥ですよ。




    彼はきっと3等室か、もしくは切符も買わずにこの船に乗っているんでしょう。




    ーーー貴方にはふさわしくない。」











    ーーーーー







    セルゲイとの約束までまだ結構時間があるので、絵を描くことにした。



    何を描こうか……。

































    「わっ!!それ、おねえさまだよね!お兄ちゃん上手だね!」



    不意に今度は日本語で話しかけられ、思わず振り向くと、これまた身なりの良い、私より随分と若い…というより、ふくよかな少年が立っていた。




    「ほかにももっと描いてるの?あったら見せておくれよ!」




    そう言ってその少年は好奇心あふれる眼差しを私に向けながら、隣に座ってきた。





    ……見るからに警戒すべき相手でもないので、私は無言で隣席を許可した。






    「おねえさま、本当に綺麗だよね。

    山梨のお爺様も別嬪さんだって言ってたし!

    …なのに、あんな奴と結婚させられるなんて可哀想だよ。

    ぼくがもっと大人だったら、絶対おねえさまをお嫁さんにしてさしあげたのに。」





    何を言っているのかはわからないが、どうやらこの少年は彼女と知り合いのようだ。





    「って、お兄ちゃんに言っても仕方ないか…。


    お兄ちゃん、どこの国の人?絵描きさんなの?


    ぼく函館で異人さんのショーを観たことがあるんだけど、異人さんってどこの国の人か全然見分けがつかないや。」




    当然少年の言っていることは私にはわからないので、彼の日本語を横で聴き流しながら私は鉛筆を紙に走らせ、再び彼女を描き始めた。





    「お兄ちゃん、それにしてもヘンテコな被り物してるね。




    …そうだ!


    お兄ちゃんのこと、『頭巾ちゃん』って呼んでもいい?」




    「!」



    その響きには聞き覚えがある。



    国境を越えた先での奇妙な旅路で私は「ズキンチャン」と呼ばれていた。


    どういう意味なのかはわからないが、間違いなく私のことを指していた。



    「やっぱり!その反応、君はやっぱり『頭巾ちゃん』だね!」




    「フンフン」




    再びその名前で呼ばれるとは思いもよらなかったが、言葉も通じない異国の少年が相手なので、わざわざ本名で呼ばれる必要もないだろう。


    少し懐かしい自分のもう一つの名前を呼ばせることにしておいた。



    「僕の名前はチヨタロウってんだ。よろしくね、頭巾ちゃん。」
















    「ヴァシリさん、お待たせしました。」



    正午を過ぎた頃、セルゲイがやって来た。



    「お腹空きませんでしたか?さ、食堂へ参りましょうか。」




    「お兄ちゃんのお友達?このお兄ちゃん、『フンフン』しか言わなくて困ってんだ。でも、とっても絵が上手だよね!おねえさまの絵、すごく似てるよ!」




    「?

     君は?お母さんやお父さんはどうしたの?」



    「お兄ちゃん、異人さんなのに日本語話せるのかい⁉︎」



    「ああ、私は日本に留学しに来ていてね。セルゲイ・エリセーエフと言います。

    君くらいの歳にパリの万国博覧会に行って、日本の絵や工芸品を見たんだ。

    そこで日本の文化に魅かれて、日本で勉強することを決めたんだよ。」



    「へえ〜、そうなんだ、すごいね。万国博覧会かあ…函館で観たショーよりもすごいんだろうなあ…。

    ぼくはチヨタロウって言うんだ!

    お母様もお父様もいるけど、大人同士でつまんない話ばかりしてたから僕、抜け出して来たんだ。
    部屋で一人でいても退屈だしさ。
    そしたら、このお兄ちゃんがおねえさまを描いてたからびっくりしたよ!」



    セルゲイが私の描いている絵をのぞき込んできた。



    「この女性は、君の姉上なのかい?」



    「うんとね、再従姉妹だよ!小さい時から優しくて賢い自慢のおねえさまさ!」



    セルゲイは、意味ありげに私を見た。



    「よかったら、『おねえさま』のことをもっと教えてくれませんか?」





















    「お兄ちゃん、本当にこの絵もらっていいのかい?」



    「……」



    私は無言で首を縦に振った。



    「ありがとう!ずっと大事にするね!



    …あ、そうだ!

    御礼にコレあげるよ!」




    少年はそういうと、ポケットから薄い紙に包まれた何やら菓子のようなものを私に差し出した。



    キャラメルーーー。

    明治32年(1899)、森永製菓創業と同時にキャラメルの製造が始まり、バラ売り・量り売りが開始された。

    明治37年(1904)、キャラメル1粒の値段は0.7銭であり、当時の天丼(並盛り)は10銭であった。

    その後、鉄道開発や港湾整備が進められ、百貨店が誕生し、買い物好きな人々の購買意欲が喚起され、ハイカラブームが始まった。







    初めて見るその菓子の包みを開け、琥珀色の立方体に吸い寄せられるように目を見張る。


    空腹であったので食べてみようと思い、バシュリクを外した瞬間、



    「!?

    お、お兄ちゃん……、その傷……。

    …そうか。だからずっとしゃべれなかったんだね。」



    とっくに慣れた反応を気にせず、少年からもらった甘味を舌で転がしていた。


    それは絵を描きあげた後の脳にとろりとしみるようだった。














    セルゲイと向かい合わせで昼食を取る。


    「どうやら、『彼女』は望まない結婚をするようですね。まあ、よくある話でしょうが…。」




    「……」



    「ヴァシリさん、





















    彼女に恋しているのでしょう?」






    「!」









    「…ヴァシリさん、オムライスにスプーンは2本も要りませんよ。






    ……私が生まれる何年か前に、隣の家のお嬢さんが突然家出したそうです。


    Софияという名前の女性で、あの皇帝暗殺事件の首謀者だとも聞いたことがあります。

    その後は最果ての流刑地に送られ、今はもう生死不明だそうですが…。」




    ……きっとその娘は、あのЮлбарсの仲間でもあるのだろう。


    今となってはもう、追うつもりもない皇帝殺したち。




    「少年時代、そのお宅に招かれた時にその女性の肖像画が壁に飾ってありました。

    黒髪の美しい女性でした。

    でも、絵の中の彼女はどこか遠くを見つめていて、額縁の中から飛び出したそうな、自分の居場所はここではない、と全身で叫んでいるようにも感じました。


    先程ヴァシリさんが描いていた絵の中の『彼女』のように。


    …きっと彼女は、家柄や時代や女性であることにがんじがらめにされているが故に、内側にある『何か』がある日突然吹き出したのでしょうね。」





    私は昨晩、『彼女』が海に飛び込もうとしたことを思い出した。

    彼女は、死にたがっていた。

    しかし同時に、生きたがってもいたように思えた。


    ーーーもっと自由に、自在に、気の赴くままに。



    ……彼女を死なせたくなかった。


    だから彼女の腕をつかんだ。











    ーーーーー




    重苦しい朝食が終わり、部屋にいるとますます気が重たくなりそうだったので、風に当たりにデッキに出た。



    ……もしかしたら、「彼」がいるかもしれない。


    昨晩のあの場所に行ってみることにした。
















    ……結局どこにも見当たらず、やはりあれは夢を見ていたのかもしれない。





    「あ、おねえさま!」


    可愛らしい少年の声がし、振り向くと再従兄弟がいた。



    「チヨタロウちゃん。」



    「見て見て!コレ、おねえさまの絵だよ!」


    そういって私の前に見せてくれたのは、確かに私の姿が描かれた鉛筆画だった。


    とても上手で、それに、描いた人の暖かい気持ちが感じられるような絵だった。


    下の方にサインが小さく書いてあるようだが、英語でもなければ仏蘭西語でもなさそうだ。




    ………ロシア語?




    「これね、『頭巾ちゃん』が描いたんだよ!
    ロシアの兵隊さんなんだって!」




    「!」









    ーーー彼だ。



    ーーー夢でもまぼろしでもなかった。確かにこの船に居る。






    私の心臓は不思議な鼓動を刻み始めた。




    「頭巾ちゃん、ヘンテコなマフラーみたいなのしててね、『フンフン』しか言わないの。そしたら、ほっぺたにすごいケガしてたんだ。ぼく、最初見た時にびっくりしちゃったよ。
    でも、キャラメルあげたら嬉しそうに食べてたよ!」





    ーーー彼は喋らなかったのではなく、喋れなかったのか。



    ーーーあの目の下にそんな傷が。








    ーーーーー




    食後の紅茶を飲み終わり、そろそろセルゲイと別れようとしたその時、






    「あっいたいた!」


    先程キャラメルをくれた少年が私たちのテーブルの方へ駆けて来た。


    そして、その後ろから、




    「チヨタロウちゃん、待って…!」





    象牙色の着物を着た彼女が来た。


    あの紫色の着物とは違って袖は少し短く、深い緑色の線で描かれた一枚の絵画のようで、彼女自身がまるで一つの芸術作品のようだった。





    「あのね、おねえさまが頭巾のお兄ちゃんに御礼をしたいんだって!」



    「ヴァシリさん、彼女が貴方に御礼をしたいそうですよ。」




    「ぁ、あの、昨晩はありがとうございました…!危ないところを…。本当に…。」




    セルゲイが彼女が言ったことを訳して私に教えてくれた。




    私は持っていた紙と鉛筆を使い、




    『君が海に落ちなくて良かった。』



    と、セルゲイを通して彼女に伝えた。





    彼女は、恥ずかしそうに少しうつむいた。



    ーーーあの時と同じように。






    「……」




    「……」




    「……」





    「……?



    おねえさま、それだけでいいの?
    さっきこの絵を見てとっても嬉しそうにしてたじゃない。あんなに嬉しそうなおねえさま、ぼく初めて見たよ。」




    少年が絵を取り出し、彼女にそう言った。




    すると彼女はハッと顔を上げ、頬を薄紅色に染まらせながら、
















    「あのっ……、もしよろしかったら、今夜の晩餐会にお越しになりませんか……?」










    ーーーーー







    大変なことになってしまったーーー。


    御礼を言うだけのつもりだったのに、何故あのようなことを…。






    『彼はきっと3等室か、もしくは切符も買わずにこの船に乗っているんでしょう。

    ーーー貴方にはふさわしくない。』





    今朝の言葉が頭をよぎる。


































    ふさわしくないか否かは、私が決めるーーー。
























    私は象牙色の訪問着を脱ぎ、戦場に行く心持ちで身支度を始めた。














    ーーーーー








    ……セルゲイの部屋で私は何故か半裸で居る。



    何故かキャラメル少年も興奮気味で居る。



    「ヴァシリさんと私なら身長もほとんど同じですし、大丈夫ですよ。」



    そういってセルゲイは清潔そうなシャツやらなんやらを出し始めた。



    「頭巾ちゃん、すごい身体してんだね…。やっぱ軍人さんってすげえや…。」



    キャラメル少年は私のコートやバシュリクを手に持ったままそう言った。





    「……」






    何故か抵抗するでもなく、私はされるがままにめかしこまれていった。


















    ✳︎
    君が海に落ちなくて良かった。

    =君が生きてて良かった。

    =I love you.




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