一夜の夢を、愛しき喧騒を「たくさんお菓子用意しといてよ!」
「僕からもお願いします」
今日はハロウィン。昼前からリヴァイの住む家を訪れた少年少女は、来るなり菓子の用意を催促した。
お願いというよりはもはや命令のような態度でガビが言い放つ。もともと勝ち気な性格の少女であるから、このような物言いにももう慣れた。
意外なのは、控えめな性格のファルコまでが、菓子を用意するように言ってきたことだ。
「何を企んでいるかは知らんが、ろくなことにならなかったら承知しねぇぞ」
「企むって何!」
「すみません……でも、リヴァイさんのお菓子、楽しみなんです」
もうガビの態度は気にしないことにして、ファルコに免じて頷いた。
「やったー! それじゃあさっそく……」
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