ブレワイリンク✕転生バル何度かリンクの腹を蹴ったらリーバルはようやく満足したらしい。小さな嘴をツンと上へ向け、ぷいと顔を逸らしてしまった。
「ごめんって、許して、な?」
リンクが顔を覗き込むとリーバルはその碧水晶のような眼をちらりと開き「フン」と言った。
いかにもリト族の雛らしい甲高い愛らしい声だ。
「そこの屋台のビードロ」
「え?」
「ママにねだったら、今日はもうおもちゃ買ってあげたからだめ!って言われたの」
「おもちゃ?」
「この狐のお面!だから、君がかってよ、ビードロ、それでゆるしてあげるから」
「ああいいよ、ビードロぐらいいくらでも」
「ウン」
リーバルはニコッと笑った。吊り目の彼が笑うと目尻が釣り上がるのに――キツさが増すどころか更に愛らしくなる――その笑いが、百年前の彼そっくりで、リンクはもう少しで声を上げて、泣くところ、だった。
「4歳ぐらいで、ボクは英傑リーバルじゃない、べつのリトのひななんだ、って気がついて」
「それで?」
「もうガノンはいなくなってて、ゆうしゃとひめぎみが倒したって聞いて、ボクは役目をはたせたんだって、安心した」
「みんなのおかげだよ」
「ウン」
リンクの膝の上に乗りながらリーバルはリンクのもみあげをいじっている。これも、百年前の彼の癖だった。
「名前もリーバルなのかい?」
「ボクだけじゃない、他にもリーバルって名前の雛いるよ、英傑の名前をもらうのってそんな珍しくないから」
「へえ」
「ボクのパパ、リーバルのファンなの。まあパパはリーバルが大男だと思ってるけど」
「今日、パパとママと一緒に来たのかい?」
「ウン」
「いまどこにいるんだ?ご挨拶しないと」
「わかんない、ボク迷子だから」
「ええっ!」
リンクがリーバルをだっこし急に立ち上がると、驚いたのかリーバルが「ピィッ!?」と叫んでリンクの体にしがみついた。
「急に立ち上がらないでよ!ピッ!」
「ごめん、でも迷子なら心配してる、早く探さないと」