どう、しようかな。目が覚めて、天井を眺めて、服の中をまさぐる彼に気付きながらもそんなことを思う。いや、だって彼の気持ちも分かるのだ。酷く久しぶりの逢瀬で、一緒に食事をして気分もいい。一緒にホテルに行くという予定は元々決まっていたから、そういうことをする準備もしていて。だからまぁ、うん。別にそれについては何の疑問もない。レイシオだって溜まっていただろうし。そのつもりだったのに発散させてあげられないのは、アベンチュリンとしても申し訳ないと思ってもいるし。
でも、今の今までずっと激務だったのだ。久しぶりの逢瀬であるといことは、つまりそれができない状況が今日まで続いていたということである。疲れなんて当たり前のように溜まっているし、そんな中でうしろの準備までして体力を使って、でも腹は満たされて。しかも、それに加えて今はレイシオが近くにいる。彼の傍というのは一種の安寧をもたらしてくれるから、睡魔がこの身体を襲うことも正直仕方のないことだった。
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