Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    maboyoshino

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    maboyoshino

    ☆quiet follow

    アルゲラとアブゲラ
    まほケットの話 完

    さよならタブレット この話に読者がいるならば、ここからの顛末はわかって頂けることだろう。
     バッドエンドだ。注意書きが必要だったかもしれない。
     度重なるいともたやすく行われるえげつないおたく行為に、弟の怒りは頂点に達した。
    「このクソオタクども!」
     修羅場も終わり、完成したところに飛び込んできた彼は、バグショット女史からゲラートが借りてきたタブレットを「こんなもの……こんなものがあるから、アリアナを守れない!」と膝でカチ割った。データが飛んだ。一八九九にはクラウドはない。ただ、雲が流れるばかりである。
     修羅場明けで呆然としたアルバスとゲラートだったが、ゲラートが動いた。
     彼の怒りも沸点に達していた。
    「このっおれがっ、さんざんっ、恥ずかしい思いまでして、参考資料になってやって、やっとやっと完成したっていうのに、わかってんのかこのクソ山羊野郎!絶対許すか!お前なんて…くらえ!」
    「ああ!ゲ、ゲラート、それはいけない!やめるんだ!」
    「知るか!くらえ!†††磔の呪文†††」
    「ああああああ~貴方は◎◎◎◎◎◎人目のお客様~古から伝わる黒歴史呪文!うかつに手が出せない!」
    「うっ……くそっ苦しくて……意味がわからないけれどこそばゆい!かゆさで死にそうだ!」
    「うう、僕にも、ノートに描かれた伝説の光の勇者でありながら呪われしアバダシリーズ完結していない3巻の記憶が流れ込んでくる……、ゲラート、止めるんだ…止めてくれ…」
     だが、さらなる暴風が、黒い嵐が私たちを襲ったのだった。それが止んだ時、私たちは最も愛おしむべき者を失っていた。
    アリアナは言った。最期に。
    「……みんなでこすぷれをして出かけたいな、あれは……手製で縫った衣装?それとも既成の…?」「「「アリアナーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」

    ゲラートは私の人生から消えた。
    そして、私は葬式で弟に殴られて鼻を折った。
    もう、留まる必要は無くなってしまった。弟のホグワーツ卒業までの手配をして、旅に出た。けれど、どこにもゲラートも、彼に似たよすがをもつものも、世界のどこにも見つけることはなかった。できなかった。おそらく、ずっとそうだろう。
    これでいい。
    いつか、また、ゲラートと同じジャンルになったら。
    サークルが隣になってしまったら。
    有望なニュート・スキャマンダーにサークル主代行を頼もう。
    あの子は新しきケモナー界の新星だ。上梓したばかりの本は面白かった。
    いつか教科書に採用したいほどに。

    アメリカのまほケットで、ゲラートが久しぶりに参加したと伝わってきた。
    赤紙を貼られたと。相変わらずだ。
    その件かテセウス・スキャマンダー率いる闇祓いたちが面会を求めてきている。
    古参おたくはめんどくさいのだ。
    彼らの望む協力は、私からは期待しないでもらいたい。ただ、大いなる善のために、おたくには解釈戦争はつきものなのだから。
    END.




    ここまで読んでくださってありがとうございました♥
    FB2の予告が出た時あたりの時期に書いた話でした。
    普通のあの夏の話を書いたファイルが消えて
    泣きたい気持ちで書きなぐった思い出があります。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭💘💘💯🙏🙏🙏💗💗💗
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works