能ある鷹は、「それじゃ……乾杯!」
グラスのぶつかり合う音とともに、本日の飲み会は幕を開けた。
エスターシの存続が無事決まり、それに伴った忙しさも徐々に落ち着いてきてからは、編集部の皆で飲む頻度も戻ってきた。場所は勿論、エヴァーグリーンだ。
珍しく──恐らく断りきれなかったのだろう──湊さんも今日の飲み会には参加していて、皆の箸もお酒もいつもより進んでいるようだった。
「それにしてもさー」
程よく酔っ払ってきたのだろう大江さんが、大きめの声でそう切り出した。
思わず周囲を見回してしまったが、向かいの男性陣は男性陣で盛り上がっているようだし、店内も賑わっていて特に誰も気にしていないようだ。
「五月女くんって、実際どうなの?」
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