味はわからなかった。※付き合い始めてすぐ
※クリプトはまだ童貞
※エロはない
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ふんわりと鼻腔を擽るいい匂いで目が覚めた。重たい瞼を開けると、日差しはすでに高い。どうやら寝過ぎたらしい。
(昨日は……仕事が終わってそれから……)
溜まっていた仕事を漸く片付けて、オクタンに「終わった」とメッセージを入れたらすぐ飛んできてくれたんだっけか。途中で買ってきてくれた飯を二人で食って、俺はシャワーを浴びて、ソファであれこれ話をして……ああ、その後俺が眠気に負けそうになっているのを察してオクタンが「寝ようぜ」って。
(そのまま寝たのか)
腕を額に置いて反省する。仕事でしばらく放ったらかしにしていた恋人を呼び寄せたくせに、大して相手もせずに寝るなんて、経験のない俺でも酷い仕打ちだとわかる。
のっそりと起き上がって、リビングと寝室をつなぐ扉を開けば、キッチンに立つ若い恋人の姿と部屋に広がる香ばしい匂い。
「よう、寝坊助さん。コーヒー飲むか?」
「ああ」
別のマグにコーヒーを淹れて、二つのマグを持ちオクタンがキッチンから出てくる。
「っっっ!?!」
「ほらよ。あ?…くくっ、童貞には刺激が強いか?」
「スウェットあったろ…」
「あんたのサイズじゃデカいんだよ。上もな」
「……お前のサイズのを買っておく」
「勝手にしろよ。どれを着るかは俺様次第だぜ」
Jaja‼︎と快活に笑う恋人の曝け出された艶めかしい脚に気を取られて、俺が舌を火傷したのは言うまでもない。
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童貞プトくんはボクサーパンツにすら翻弄されそう
2022−05−30 一生休日
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ベッターから移行
2022-08-31 一生休日