ちょっとおかしな日「赤ちゃんできちゃぅ……」
航海がそう囁いた。航海の中に入ったばかりの俺のモノに感じ入っているようで、ほぼ無意識に零れた言葉。
全身にぞくぞくとした感覚が走って、航海の太ももを掴む手に力が入った。
「ふ、そうだな。航海と俺の子供なら、絶対かわいいな」
0.01mmの壁がないのは数か月振りで、航海も俺も少しおかしくなっているのかもしれない。
結構深刻な話題。普段の航海なら絶対こんなこと言わないし、俺もノらない。
背徳感ってこういうことなんだと、初めて体感した。
「うん、うん……♡ ユウ……っ♡」
航海の目からは宝石の雫が溢れそうになっていて、早く動いてと言わんばかりに腰を揺らす。ぎぃぎぃとベッドが鳴って俺をさらに急かす。
「航海っ……」
口ギリギリまで引き抜くと、航海が息を飲むのが分かった。そのまま勢いよく奥まで叩きつける。我慢できない。
「あ”ぁっ♡」
「ぐっ……」
航海の中がうねって、早くよこせ、とせがまれる。
「は、は、っ……♡」
「航海、軽くイったんだな」
こくこく、と首を縦に振るのが精いっぱいらしい。口で息をする航海が少し苦しそうに見えて、息を分けることにした。
「ん、」
「ぁ、う……♡ ん……♡」
舌を絡ませると一生懸命ついてくるのがかわいい。ぐちゅ、くちゅという音が響いて、ふわふわしてくる。アドレナリンってやつかも。
「大丈夫か?」
「ん……平気……」
顔を真っ赤にしてふにゃふにゃと微笑む航海。最初に誘ったのは航海だからな。
「……今度は止まってやれないかも。すまん」
「……うん」
首に腕を回されて、航海のぬくもりをさらに感じた。
いつもより熱くて、焼けてしまいそうだ。
「……っ」
ばちゅん、ばちゅ、と卑猥な音を立てて、航海に突き立てる。
「ぅあっ、あっ♡ や、ゃら♡ いく、ィっちゃうぅ……♡ ああぁっ♡♡」
航海は5回くらいでイってしまった。俺も耐えるために一度止まる。
喉をそらしてびくびく、と震える姿があまりにも可愛くて、目に焼き付ける。航海の慎ましいモノからはとぷり、と申し訳程度に精液が出ていた。
俺のもきゅうきゅうと締め付けられて、まだなのか、とおねだりされる。もう少しだから、な?
航海が少し落ち着いたのを見て、再び動きだす。
「っは……、航海……♡」
「ゅう……」
だんだん余裕がなくなってきて、航海のことを気にしてやれない。自分本位な動きであることは百も承知だが、航海の中はあまりに気持ちよくて、ぱちゅ、ぱんと響く音の間隔がだんだんと短くなってくる。
「はっ、ぁ、航海っ……」
「ひぅっ♡ あっ、ゆぅ、ゆうっ♡ 出ちゃう……? 赤ちゃんできちゃうっ♡ ぼく、も、またイっ……く……♡ あうぅっ♡♡」
「わ、たる……っ、出るっ……!」
孕め。
頭の中で一瞬そう過った。もしかしたらこれが、俺が本当に考えていることかもしれない。
びゅく、びゅるると勢いよく大量に出ていっている気がする。奥に擦り付けるようにぐりぐりと腰を動かす。
「は、ぁ、それ、やめっ……♡」
航海はびくびくと震えて、快感に溺れているようだった。
「……まだ、足りないよな」
「えっ、ひっ……!?」
航海をぐるりとしてうつ伏せにさせると、繋がっているところがよく見えた。さっき出したやつがもう溢れてきていて、縁取っている。
今日は俺も航海も少しおかしい。だったら、もっとおかしくなっちまおう。
「まだ俺たちの子供、できてないかもしれないだろ? だからもう一回、な」
「……うん」
航海の声はひどく甘えているみたいだった。