「っ寒……」
腕がひやりとする感覚に意識が押し上げられる。この感覚はいつまでも慣れない。
心当たりのある方へ視線を移すと、やっぱり。
ユウ、エアコン切り忘れてる。寝る前消してって言ったのに。通りで寒いわけだよ。
エアコンはこうこうと唸っている。
明け方。四時二十二分。
カーテンに透ける外は、既に少し明るいけど雀が鳴くにはまだ早いかな。
起きる時間まであと……四時間もないけど、それまで休ませてあげよう。ヘッドボードに手を伸ばしてリモコンをなんとか捕まえる。ピ、という電子音を合図に、エアコンは待ってました、と羽をしまった。
ふと、隣でぐーすか眠る恋人に目を向ける。僕はこんなに寒いのに、悔しい程かっこよくついた筋肉のせいでかけらも寒くないらしい。年の割に、寝顔は幼くて、何だか気が抜ける。
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