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    せなかがかゆい

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    せなかがかゆい

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    次に発行予定の本の冒頭です。

    大・爆・殺・神ダイナマイトと秘密の恋人①(勝デ)証言 緑谷出久

    僕の幼なじみであるかっちゃん、もとい大・爆・殺・神ダイナマイトに恋人がいるらしい。
    ……ええええ! 嘘だろ? 少なくとも週一回は一緒にご飯を食べてるのに、ぜんぜん知らなかった!! 先週なんて、かっちゃんのうちでお手製のカツ丼をご馳走してもらって、お泊まりまでしたのに! 中学時代や雄英入学時と比較したら、信じられないくらい良好な関係を築いたっていうのに!!
    ぐぬぬ、あるいは、ぎりり。思わず奥歯を噛み締めた。彼の広大なパーソナルスペースを飛び越えて、すっかり懐に入ったつもりでいたけれど、実際に僕が置かれたのは、たいして深い場所ではなかったらしい。
    そう悟ると同時に、ひどい喪失感に襲われ、ため息がこぼれた。
    つまり僕はとうとう、完膚なきまでに振られたことになる。もともと望みはないに等しかったし、行動を起こさなかったのだから当然の帰結だ。振られたこと自体にダメージはない。だって、長年抱えてきた感情が簡単に失われるわけでもないし。彼を追いかけた時間が、灰燼となるわけでもない。きっとこれからも、僕は変わらずかっちゃんを想い続けてゆくのだろう。
    ただ、納得はできなかった。本人から恋人ができたと教えられたわけでもなく、想いを告げて断られたわけでもない。どこの誰かもわからない、SNSアカウントのつぶやきで情報を得た事実は、想像以上に僕を打ちのめした。
    こんなに頻繁に会ってるのに教えてくれないなんて、ひどいじゃないか! だいたいこんな感じ。
    思い知らされた二人の距離に、ふたたび深く息を吐く。落ち込んでもいられない。いざ情報収集だ。
    近しい人の情報をネットで検索するなんて、いよいよストーカーじみてるなあ。なんて、ちょっと情けないけれど、画面をスワイプ&タップする手は止まらない。
    つぶやき系SNS、写真特化型SNS、さらには某掲示板サイト、大手検索エンジンの知恵袋。思いつく限りあたってみるが、一向にめぼしい情報は集まらなかった。
    なかば意地になってスマホを操作していると、ふと思いつく。
    もしかして——
    「ひみつの、こいびと……?」
    ひゃー! 響きがなんか、すっごく大人って感じだ。
    でもかっちゃんが秘密にしている理由なら、朧ろながらに想像がついた。実力主義の彼は、ヒーロー活動としての評価を重んじる。関連のないプライベートで騒がれるのは不本意なんだろう。
    「そういうところが、かっこいいんだよなぁ」
    感嘆とともに吐(つ)いた息は、もう何回目だろう。幸せが逃げるなんて迷信があるけれど、苦悩にも感動にも伴うんだから、ため息って実は優秀だ。もうひとつおまけに深々と息を吐いたとき。
    「さっきから何をハアハアしとんだ」
    「かっ、かかかかっっちゃん!」
    思考を支配していた人物が、正面で訝しげに眉を寄せていた。
    「よォ」
    しかも無愛想ではあるものの、挨拶らしきものを寄越す。
    驚くほどのことでもない。なぜなら僕らは、仕事終わりに食事の約束をしていたのだから。
    「や、やめてよ。ハアハアとか……ため息じゃないか」
    「わーっとるわ」
    「もー」
    「今度は牛か」
    「……かっちゃん」
    睨み上げると、幼なじみはひどくいい(・・)顔で笑う。意地悪そうだけど、いたずらをたくらむ子どものような表情。おかげで胸の内側が少しだけ波立った。憧憬と思慕と、ほんの少しの焦燥と落胆。いろんな感情が揺らいで編まれ、不思議な色を成す。
    「さァて、今日はいずく食うか」
    「ふつうに焼肉って言いなよ」
    踵をかえした幼なじみを追いかける。
    シンプルな黒いTシャツが、陽の傾いた駅前をよどみなく進んだ。ここは僕のアパートの最寄りだけど、かっちゃんにとっても慣れた地域。雄英を卒業してから幾度となく一緒に食事をしているから、路地裏の小さな居酒屋も、無名だけどおいしい焼き鳥屋さんも知っていた。今日の目的地であろう焼肉屋さんだって言わずもがな。
    「待ってよ、かっちゃん」
    数歩前をゆく広い肩に、わざとぶつかってから並ぶ。眇めた赤い眼で睨めつけられるけど、ゆるんだ口許じゃ欠片も怖くなかった。十年前では想像もできなかったことが、現実として許されている。
    昔から変わらず、君を追いかける僕。昔と異なって、近づいた距離。そんな普遍も変化も、同じくらい大切で失いがたい、僕の宝物だ。
    「かっちゃん、ビール飲んじゃおうよ」
    今の関係を喜びたいのかもしれないし、打ちのめされた後の虚勢ってやつかもしれない。いずれにしろ無性にはしゃぎたい気分だった。
    二人とも明日は休みだし、と加えると了承の笑みが返される。
    「つぶれんじゃねえぞ」
    「君こそね」
    「俺ァ、ビールごときに負けるような柔な肝臓してねんだよ」
    「今のは僕の肝臓にけんか売ったぞ」
    「弱すぎてけんかにもならねえわ」
    くだらない応酬を続けていると、あっという間に目的地へたどり着いた。夕食どきには早いのか、二名と告げるやいなや、個室に案内されて乾杯だ。
    独特の苦味と一緒に、刺激的な気泡が咽喉を抜けてゆく。二人同時に息をつき、熱した網を挟んでジョッキを置いた。
    じゅうじゅうと弾ける脂とたれの匂いに、胃袋が空腹を訴えだす。ほんのり残っていた憂鬱だって吹き飛ばす勢いなのだから、僕って生き物はげんきんだ。
    「——んで、なんか悩みでもあるんか」
    開放感に浸ったのもつかの間、眉間にしわを刻んだかっちゃんが切り出した。脈絡なく始まった尋問の意図がわからず、首を傾げてしまう。
    「なんの話?」
    くちびるについた泡をぺろり。舌で舐めとると、行儀の悪さを窘めるつもりか、赤い双眸がつり上がった。
    「ハアハアしとったろーが」
    「え? ああ、ため息ね!」
    君に恋人がいるって聞いて、振られちゃったなあとか、直接教えてもらえなくて寂しいなあとか。くだらないことをつらつら思ってました——なんて白状できたら、僕の思いはもっと早く決着していただろう。
    「別に、悩みってほどでもないけどさ」
    「うぜえ。もったいぶんな」
    流暢に悪態をつく幼なじみは、これまた流れるようにトングで肉をひっくり返し、焼けた最初の一枚を僕の取り皿へ。飴と鞭、というか、意地悪とささやかな気遣いの按配が絶妙だ。
    単純に好みの焼き加減で食べたいだけかもしれないけれど。僕の手にかかると、焼けたかどうかをつつき回して慎重に慎重を重ねた挙句、焦がしちゃうから。
    「いただきます!」
    「おーおー感謝してめしやがれ」
    はふはふ言いながら放り込むと、途端に口のなかに甘い油が溶けだした。
    「——んんっ! おいしい〜お肉がめちゃめちゃジューシーだし、甘辛いたれがサイコーだよね。ビールもいいけど白米食べたくなるよ〜」
    「ふん、安上がりなやつ」
    向かい側でかっちゃんもお行儀よくひとくち。ちらりと見えた赤い舌とか、肉を噛みちぎる健康的な白い歯とか。ただ咀嚼して飲み込むだけなのに、艶めいた仕草に思えてどきどきする。うなじが熱いのは、回り始めたアルコールのせいじゃない。
    そのくちびると歯で、秘密の恋人さんにどんなふうに触れるんだろう。肉を食べながらえっちなことを考える僕は滑稽だ。
    「デブるぞ。つーか肉食ってごまかすんじゃねえ」
    軽口をたたきながらも、かっちゃんは逃がしてくれなかった。ぐいっとジョッキを呷ると僕を睨みつける。これはきっと、白状するまで追求し続けるだろうな。
    「できれば聞き流して欲しいんだけど」
    僕はあっけなく陥落した。今なら大・爆・殺・神ダイナマイトと対峙するヴィランの怯えがよくわかる。
    「す、好きな人……に恋人ができたらしくてっ」
    「好きな人だァ?」
    「ちょっ……と、顔が怖いよ!」
    肉を喰むときよりもよっぽど獰猛な表情に、わかりきった指摘をしてしまう。最近は穏やかに向き合うことも多いけれど、やっぱり僕の中では「かっちゃんイコール怖い顔」が染み付いている。だからこそ、ふいに見せる無邪気な笑顔とかやわらかなまなざしに胸が苦しいんだけど。
    「……どこのどいつだ」
    「言わない」
    「言え」
    「誰でもいいじゃないか。そもそも望みがなくて、完全に片思いなんだよ」
    便乗して彼の「秘密の恋人」について聞けたら……なんて浅はかな期待もあったのに大誤算。問い返す間もなく、しつこく質された。狙いを定めた獣のように容赦なく追い詰める。
    「言わねえってことは、俺の知り合いだな。吐け」
    「やだよ! せっかくの特上カルビが!」
    「そっちじゃねえ!」
    吼えたかっちゃんが、トングを握りしめる。こめかみだけじゃなく、手の甲にも血管が浮いた。骨ばって男らしいのに、美しい造形物のようなかたちに、またしても心を奪われる。改めてひとつひとつのパーツを眼にするたび、いつだってまた好きになってしまうんだ。
    「つーかよ、らしいってなんだ」
    ガスに炙られた網で、こびりついた脂が焦げた匂いと煙をたてる。次の肉を焼く前に、網をかえてもらわないと。着々と包囲網を狭められ、思考がどうでもいいことに逃げようとうする。
    「んで曖昧なんだよ」
    「それがよくわからないんだよね。たまにSNSとかで話題になるんだけど、すぐ消えちゃうし」
    「ふうん。クソナードはまどろっこしいことしてんなァ。直接聞けよ。んで、さっさと振られちまえ」
    したくちびるを突き出した表情が、拗ねた子どもみたいでかわいかった。ひどいことを言われているはずなのに、また好きが募ってしまう。
    「つーかよォ、出久のくせに好きなやつとか生意気なんだよ」
    出たよ、いじめっ子理論! なんて呆れると同時に浮かんだのは「これはチャンスじゃないか!?」。いよいよ僕にとっての本題に突入だ。
    答えによっては致命傷になるというのに、つぐむなんて選択肢は欠片も浮かばなかった。ビールでくちびるを湿らせ、口火を切る。
    「じゃ、じゃあ! かっちゃんはどうなのさ」
    「あ?」
    「お付き合いしてる人とか、好きな人とかいないの?」
    怒りの爆破を危惧したものの、かっちゃんは穏和しいものだった。うろうろと視線を泳がせ、店内の雑音に紛れそうなほどちいさく零す。
    「……ほしいやつは……いる」
    「まじか!」
    まなじりを赤らめた反応にきっと嘘はない。トングを置いたかっちゃんは、勢いよくビールを飲み干した。空になったジョッキをがつん、とテーブルに置くとふたたび吼える。
    「っ、んだよ! このこっぱずかしー空気はよォ!!」
    おお、完全に照れてるな。「ほしい」なんて言い方だったけれど、その人のことを相当好きらしい。つまり、十年以上にわたる僕の「好き」が報われないと判明した瞬間だった。こうなれば自棄だ。
    推察するにかっちゃんは、僕と同じく片想い中。だったら二人で、慣れないコイバナを肴に杯を交わすのもいいじゃないか。魅力的な彼はすぐにでも報われるかもしれないけれど、今はまだ似たり寄ったりの立場だし。何より、秘密を共有する関係って特別っぽいし。
    腹を括ってしまえば、人はどこまでも図々しくなれるのだ。
    「いーじゃんいーじゃん! 僕とかっちゃんで初めてのコイバナしよう。どんな人? もしかして僕の知り合い?」
    「——いずく」
    「なに?」
    唐突に呼ばれて首を傾げた。
    「だからっ、出久だって言ってんだろーが!」
    「え? えええ!?」
    思わず仰け反ってしまう。喫驚のあまり、嘘だろ、なんて短い言葉すら声にならなかった。僕がひたすら無意味な呼吸を繰り返す間にも、かっちゃんはつらつらと持論を展開する。
    「じゃなきゃ、こんな頻繁に誘わねえ。せっかくクソだった頃の清算して、これから時間かけてじっくり落とすつもりがよォ。てめぇがクソなこと言い出すから、白状する羽目になったじゃねえか。だいたい好きなやつって誰だよ。あの言い方じゃ、ぜってぇ俺の知り合いだろが。……ってことは雄英のヤツらか、ヒーロー。順当に考えりゃ、オールマイト……は歳が離れすぎてんな。くっそ童顔のこいつと並んだら犯罪だわ。却下だ。断固阻止してやる。だとしたら——」
    思案のひと呼吸で眉間にしわを刻み、ぎりぎりと歯をくいしばった。あまりに真剣で、かつ悪辣な表情に彼の本気と切実さ、焦燥を知らされる。
    対峙する僕は呆然としながらも、先ほど言葉を失ったことに内心で安堵していた。本心でないとはいえ「嘘だろ」とか「冗談でしょ」なんて声に出なくてよかった。欠片でも疑うような言葉を向けたらきっと、いつだって全力投球でまっすぐで、ちょっぴり繊細な人を傷つけていたかもしれないから。
    「ちょっ、ちょっと待ってよ! かっちゃんってば!」
    なおも続く的外れな見解に切り込めたときは、同級生たちにまであらぬ嫌疑がかけられていた。頭がいい人は想像力もたくましいって本当なんだ。
    「んだよ」
    「ブツクサは僕の持ち芸だろ」
    そんなことだから、同級生たちに「似た者幼なじみ」なんてからかわれるんだよ。雄英を卒業して七年も経ち、別々の事務所に所属しているというのに、僕とかっちゃんは未だにセットで扱われることが多い。——って、まさかまさか! もしかして、みんな僕たちの気持ちを知っていたってこと? 何も言わずに見守ってくれてたってこと? 二人セットで飲み会に誘うのも、やたら隣の席に押し込めるのも、ぜんぶ作戦だった?
    恥ずかしさから遅れることしばし。ふつふつと実感がこみ上げる。かっちゃんが僕のことを、その……好き、だなんて、想像するだけでも烏滸がましいと言い聞かせてきた。それが突然、現実になってみろよ。恋愛ごとに耐性のないクソナードに受け止められるはずもない。
    「……んで?」
    火照る顔を両手で覆って身悶える僕に、低い声が問う。
    「な、にが……?」
    「振るならさっさとしろやクソカスクソゴミ!」
    わあ! この人、曲がりなりにも好きな相手にクソって二回言ったよ。まあ今さら文句を言うつもりはないけれど。
    だって答えを待つかっちゃんは神妙な面持ちでくちびるを噛んでいる。返事次第では世界が終わってしまうみたいな。打ちのめされて二度と立ち上がれなくみたいな。悲痛なほど張り詰めた佇まいだったから。
    「あ、あのっ……ごめん! よろしくお願いします!!」
    「まあ、そうなるわ——は?」
    苦しめてしまった謝罪と、好意への返事が混線したせいで、かっちゃんが呆然とする。間違えたと判断した僕は、慌てて居住まいを整えた。
    「だからっ、僕も、かっちゃんが好きです!」
    「っ、まぎらわしい言い方すんじゃねえ! つーか俺は好きじゃねえ。好きとか、そんなんじゃおさまんねーんだよ」
    耳まで染めた仏頂面のまま、かっちゃんが身を乗り出した。ぞんざいに胸ぐらを掴まれて、網越しに引き寄せられる。鼻先がふれるほどの距離に近づく。
    いつの間にガスを止めたのか、煙も炎も消えていた。動揺してブツクサ披露しながらも、濃やかに気を回しているのが、かっちゃんらしい。
    なんて笑いかけたところで、ふにゅり。やわらかな感触がくちびるに重なる。驚愕に瞠る僕と対照的に、近すぎてぼやけた視界で赤い双眸が細まった。やっぱりけものみたいだ。獰猛なのに整った毛並みをして、苛烈でありながらやさしい生き物。
    「眼ぇ、閉じろや」
    触れたまま、しっとりささやく声に、僕は従順になるばかりだった。角度をかえて何度も繰り返し、互いにくちびるを押し当てる。
    初めてのキスは焼肉の味。甘辛くてしょっぱくて、燻された室内で雰囲気なんて皆無だ。でもだからこそ、すごく僕らっぽい気がした。くちびるから指の先まで多幸感が満ち、なかなか止められそうにない。なんて思考を蕩けさせたときだった。
    「特上ハラミお待たせ——っ、シツレイシマシタァ〜」
    ノックと同時にふすまが開き、一瞬の空白を経て閉じられた。
    返事もないのに開けるなんてマナー違反だよ! 店員さんに非がないとはわかっているから、僕の主張は完全なやつあたりだ。個室とはいえ、公共の場所でキスする僕らのほうが、よっぽどマナーに欠けている。
    つまり僕はめちゃめちゃ焦っていた。いくら何度も来たことがあって信頼するお店だって、絶対安全とは言い切れない。SNSに目撃情報が書き込まれでもしたら……たとえ信憑性が薄くても、噂として広まる可能性がある。
    だというのに、かっちゃんは一向に解放してくれる気配もなく、ひきずられるまま僕もキスを堪能してしまう。
    これから変化するであろう二人の関係も、逃れられない衆目も。考えなければならないことは山積しているけれど、僕はひとまず据え置きにすることにした。
    だって、今はふたりの想いが報われた瞬間だ。望みはないと諦めて、それでも捨てきれなくて抱えて来た想いが叶った特別な夜。わずらわしさなど忘れて、幸せを味わいたいじゃないか。
    開き直った僕は、なおも押し付けられるくちびるに、自分のものをすり寄せた。かっちゃんがほんのり笑った気配が届く。触れるだけの、つたないくちづけに二人はますます夢中になった。
    ——大爆殺神ダイナマイトには恋人がいるらしい。
    だけどそれは秘密じゃない。近所の焼肉屋で脂と煙にまみれてクソナードの幼なじみと結ばれた、なんてロマンチックのかけらもないはじまりだった。
    さて、前置きがたいへん長くなったけれど、これは僕とかっちゃんのありふれた日常のお話。優しいみんなに見守られて、ささやかな幸せを紡ぐ物語だ。
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