(これは後半だよ!)
…………ポコン。彼の携帯が鳴る。かの友達からである。思えば彼がWACCAに触れるきっかけになったのはこの友人がきっかけであった。ふと、彼の頭の中で思い出が呼び起こされる。
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大学受験が終わり、遊びに明け暮れていた頃、彼は友達に誘われたゲームセンターで初めてWACCAをプレイした。記念すべき出会いの場もここであった。
元々「音楽ゲーム」に馴染みのなかったにもかかわらず、彼はその日以来取り憑かれたかの様にWACCAにのめりこむ様になった。春先に始めたバイト代の半分は、この空間へと捧げられていた。イベントにもよく顔を出していた。1週間に1回は、成長記録と称してノートにメッセージを書き付けていた。当然大学帰りのルーティーンもこれによって出来上がったものである。
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