星屑と貴方色「ライ、手を出してご覧。」
「?はい」
言われるがままに手袋を外した丸っこい手を差し出す。
コロン、コロン。
心地よい音を立ててガラス瓶から金平糖が小さな手の中へと転がり落ちる。ライは小さな手から零れ落ちないように両手でそれを受け止めた。
「わぁ…!金平糖だ…」
色とりどりの小さな星屑に目を輝かせるライの嬉しそうな顔につられて紫も顔を綻ばせる。
「お星様みたいですよね」
しばらくの間小さな手の中の小さな宇宙に見とれていたが、不意にはっとしたような表情になる。
「あっ…でもこれじゃ食べられないです」
手が塞がってしまったので口に運ぶ事が出来ない事に気が付き今度はしゅんとする。
紫はコロコロと忙しなく表情を変えるライを愛おしげに撫で、それから紫色の金平糖を小山から1粒摘んで優しく口の中へ入れてあげた。
「!」
嬉しそうに口の中で転がすライ。
「甘くておいしいです」
ふにゃりと笑う。ああ、本当に感情が忙しい子だ。
(それが可愛いんですけどね)
そんな事を考えながら星屑の小山へもう一度手を伸ばし、今度は黄色い金平糖を摘んで自分の口へ運ぶ。
ああ、とっても。
「本当、甘くて美味しいですね」