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    サトリ

    @satori_vinca

    かきかけ且つ箇条書きメモのような超短文小説を上げてます。作品にはタグ付け、地雷配慮などしていないので閲覧は自己責任でお願いします。

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    サトリ

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    十四→獄→寂雷
    酔った獄さんが先生と間違えて十四にキスする話。

    こんな夜遅くに来てもらって申し訳ない。



    自力で歩けないほど酔い潰れた獄は今はソファで横になっている。

    このあとシンジュクに戻らないといけなくて……。獄のこと、頼んだよ。



    獄さん、大丈夫っすか?

    ん……じゃ、くらい……?

    神宮寺さんはシンジュクに帰ったっす。ここは獄さんのお家っすよ。

    獄は寝ぼけているのか苦しそうに云々と唸るだけだった。

    お水持ってくるっす。
    台所に向かおうと立ち上がったそのとき、腕を強く引かれた。
    バランスを崩し、ソファに倒れ込むと獄の顔が目と鼻の先にある。

    お前はいつも……そうやって逃げようとする。

    え、え?
    言葉の意味がわからず困惑していると唇に柔らかな感触

    獄とキスをしていた。

    状況が飲み込めず固まっていると頭に手を回され、口づけがさらに深くなる。

    力いっぱい獄を突き飛ばした。
    獄は勢いよくソファに倒れ込む。

    いってぇ……
    頭をさすりながら
    十四……?
    寝ぼけ眼だった瞳は意識を取り戻し焦点が自分に定まる。

    じ、自分!帰るっす!お邪魔しました!
    おい!十四!
    呼び止める獄の声を無視して逃げ出すように家を飛び出した。
    真っ暗な道をただひたすら走った。
    好きな人とのキス。
    嬉しいはずなのに。
    でも獄さんは自分にしたとは思っていなくて。

    口の中には酒の苦味が残っていた。
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