Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    もろごりら

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    もろごりら

    ☆quiet follow

    何も考えずに書いて気がついたら飽きてた。いっつもそう。私っていっつもそう。

    一郎がアホになった。
    弟たちのために仕事はきちんとこなすし、コミュニケーション能力も高いので一見しっかりしているように見えたが、生活力がアホになったのである。お察しの通り違法マイクの影響で。
    生活力がアホとは、例えば、人間は食事を取らないと栄養失調で倒れてしまうのはご存知だろう。知らなくても、腹が減れば何でもいいから食べたいとなるのが生物の本能だ。しかし一郎は夢中になると普通に食事を忘れ、そして倒れることを何度か繰り返していた。
    どこぞのリーマンみたいに強制的に社畜をやらされているわけでもなく、本当にただただ食事を忘れる時があるのだ。
    ちなみに、弟のどちらかが一緒の時はそんなことは起きない。三郎はそれこそしっかりしているので仕事のスケジュールを把握し、ちょうど良い隙間時間に「お昼にしましょう」と声をかけるし、二郎は本能が素直なのでお昼時には腹の虫が大合唱して一郎に空腹を訴えかけるからだ。
    だが学校のある平日は、弟たちは長男の仕事を手伝えない。二人は過去に「ちゃんとお昼ご飯食べてね」だとか、泊まりの仕事の時は「昼食と夕食を食べたかどうか、連絡してください」などの声かけをしたのだが、何度も言うが一郎は生活力がアホなので言いつけをすっかり忘れる。食べ忘れた日には影響が出ず、次の日の仕事中に必ずぶっ倒れるので、その日に当たった依頼主からしたら心臓に悪いことこの上ない。
    そこで、二郎と三郎は監視を付けることにした。
    日曜日の午後、一郎が単独で依頼をしているうちに2人はリビングで話し合いを始める。
    平日の日中もしくは一日中暇な大人の知り合い、と考えて真っ先に上がったのは有栖川帝統の名だった。

    「あいつなら間違いなく暇人だろ」
    「でもあのギャンブラーに僕らのいち兄を任せられるか?」
    「……無理だな。マメに食事の管理してくれるとは思えねぇ」
    「珍しくお前と同感だよ」

    てなわけで有栖川帝統は候補に挙げられて10秒で除外された。
    残る日中に動けそうな候補は、自営業の飴村乱数、作家の夢野幻太郎、ヤのつく自由業の碧棺左馬刻、元軍人で現在無職の毒島メイソン理鶯、夜の商売の伊弉冉一二三、詐欺師の天谷奴零、くらいだろうか。意外と多いな。この中から消去法で絞っていく。

    「まず天谷奴零は論外でしょ」
    「そうだな」

    早速1人消えた。

    「シブヤのやつらも止めておこうぜ。あいつら口が上手いからなんだかんだで責任逃れされそうだ」
    「う…ん確かに…」

    二郎三郎のイメージ的に乱数と幻太郎は信用できないと判断し、除外。
    残るは碧棺左馬刻と毒島メイソン理鶯と伊弉冉一二三か。ま、碧棺左馬刻も論外だよな、と二郎が口を開きかけたがその前に三郎が言いにくそうに言葉を発した。

    「あのさ、僕の経験上、毒島メイソン理鶯も止めておいた方が良いと思うんだよね……悪い人じゃないのはわかるんだけどさ……」

    三郎は過去に『ヨコハマで取れる幻のキノコ探しを手伝って欲しい』という依頼で山に入り、足を滑らせて軽く遭難した末に理鶯に助けられた記憶を思い出していた。一応太陽の方角や植物の生え具合から現在位置と帰路を考えながら歩いていたのだが、慣れない山道で無駄に体力を消費してしまっていた。そこに見知った顔の理鶯が現れたものだから無意識に安堵してそれまで意識していなかった空腹が大きな声で主張した。

    「毒島メイソン理鶯に助けられて、一応感謝の気持ちはあるよ?腹を満たしてから帰ると良いって言ってベースキャンプに招いてくれたところまでは順調だったんだ。でも出された料理がさ……あれは料理なのか……?あ、思い出しただけで気分が」

    そう言って三郎は白目を剥いて後ろに倒れた。テーブルを挟んで話し合っていた二郎は咄嗟に頭と床の間に身体を差し込んだ。
    ゴッと骨が叩かれた音と痛みがあったが、それは三郎も同じで、その衝撃で目を覚ました。

    「……なにしてんの?」
    「助けてやったのにその態度はないだろ」
    「別にお前に助けてもらわなくても死にはしませーん」
    「はぁー?なんだと生意気な!」

    また幼稚な喧嘩で取っ組み合いが勃発したところにタイミングよく一郎が帰ってきた。

    「ただいまー!ってお前ら!また喧嘩か?」
    「い、いえこれは……」
    「ち、違うよ兄ちゃん」
    「ふーん?」
    「そ、それより、お早いご帰宅でしたね。もう依頼を終えられたのですか」

    三郎は誤魔化すために話を逸らしたのだが、一郎の返答は予想外の内容だった。

    「あー…、依頼主が左馬刻だったんだけどよ。内容が明かされてなかったんだわ。で、会ってから話すって言われたから行ったら『一緒にメシを食え』ってのが依頼だったらしくて」

    一郎の話す内容に弟たちは理解が着いていかなかった。神童と呼ばれる三郎でさえ拾えた内容は「左馬刻」「依頼」「メシ食え」だったのだから二郎の脳内は「???」だろう。

    「で、左馬刻とちょっといい中華料理食って帰ってきただけなんだ。よくわかんねぇけど依頼料と飯代出してくれて太っ腹だな!」
    「そ、うですね」

    えー、なんでいち兄は左馬刻から昼食を奢られてそれを素直に受け取っているんだ?あれだけ険悪だったのにアホなんだろうか。あ、そうだ。今マイクの影響で大いに頭のネジが緩み遊ばしていらっしゃるんだった。って、僕は何を……。

    三郎は普段なら思いつきもしない一郎への悪口を一瞬脳内に浮かべてしまい、自己嫌悪した。

    「じゃ、次の依頼行ってくるな!お前らもチエコさんに会いたかったら仕事関係なく来ていいからな」
    「あー…あはははは……」

    次の依頼主は常連のチエコばあちゃんだった。85歳で腰が弱く、一郎たちによく小さな依頼をするのだ。孫の手伝いレベルの依頼もあり、その時はお金は受け取らないのだが、ばあちゃんというのは謎に甘やかしたがる傾向にあり、よくお菓子やジュースをくれる優しい人。ちなみに、三郎は未だにたまごボーロを手の平の上にちま、ちま、と1つずつ渡される。チエコばあちゃん曰く「一度に何個も食べて喉を詰まらせたら危ないからね」だそうだ。ちなみに耳も弱いのでいくら「僕は14歳だ!」と言っても「あらぁ4歳?自分で言えて偉いわねぇ」と言われる。たぶん視力も弱くなっているんだと思う。あとボケね。絶対ボケてるよあの人。だから三郎はチエコばあちゃんが苦手だった。嫌いではないがやりづらい人ランキングに入っている。最近では毒島メイソン理鶯もランクインしたが。

    話が逸れてしまったが、今回の依頼は屋内清掃の手伝いだった。一郎は私服から汚れてもいいジャージに着替えるために一度帰ってきたのだ。

    「いち兄、お気をつけて」
    「おう!」

    玄関まで見送った三郎は、リビングに戻り一郎と左馬刻についてしばし考えた。3分程考えた末「よし、決めた」と呟き、思考停止して固まっていた二郎の頬をビンタした。

    「え、な、なにすんだよ!」
    「やっと戻ってきたか」
    「あれ、兄ちゃんは?」
    「チエコさんの依頼に出かけたよ」
    「もう?!俺も行きたかったなぁ」

    二郎は身体を動かすのが好きで素直、というおばあちゃん受けする性格をしているのでチエコさんからも可愛がられていた。「友達いっぱいできたかい?」とよく聞かれているのでおそらく小学校低学年だと勘違いされている。こんなデカい小学生がいてたまるかと思うが、チエコばあちゃんにとって身長は関係ないらしい。まあ中身は小学校低学年で間違ってないしな、と心で言ってから三郎は二郎を呼び戻した本題を伝える。

    「それよりも二郎、いち兄に就いてもらう人なんだけど」
    「ああ、そうそう、俺もタイミング逃して言えなかったんだけどさ」
    「碧棺左馬刻がいいと思う」
    「碧棺左馬刻だけはねぇよな」
    「「え?」」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    もろごりら

    MAIKING何も考えずに書いて気がついたら飽きてた。いっつもそう。私っていっつもそう。一郎がアホになった。
    弟たちのために仕事はきちんとこなすし、コミュニケーション能力も高いので一見しっかりしているように見えたが、生活力がアホになったのである。お察しの通り違法マイクの影響で。
    生活力がアホとは、例えば、人間は食事を取らないと栄養失調で倒れてしまうのはご存知だろう。知らなくても、腹が減れば何でもいいから食べたいとなるのが生物の本能だ。しかし一郎は夢中になると普通に食事を忘れ、そして倒れることを何度か繰り返していた。
    どこぞのリーマンみたいに強制的に社畜をやらされているわけでもなく、本当にただただ食事を忘れる時があるのだ。
    ちなみに、弟のどちらかが一緒の時はそんなことは起きない。三郎はそれこそしっかりしているので仕事のスケジュールを把握し、ちょうど良い隙間時間に「お昼にしましょう」と声をかけるし、二郎は本能が素直なのでお昼時には腹の虫が大合唱して一郎に空腹を訴えかけるからだ。
    だが学校のある平日は、弟たちは長男の仕事を手伝えない。二人は過去に「ちゃんとお昼ご飯食べてね」だとか、泊まりの仕事の時は「昼食と夕食を食べたかどうか、連絡してください」などの声かけをしたのだが、何度も 3188

    もろごりら

    MAIKINGサマイチ。おセックス描写練習中。少し肌寒いが、爽やかな風が吹き込む4月の朝。
    昨夜の営みから先に目が覚めた左馬刻は、一郎の寝顔を眺めていた。何をするでもなく、ただ、目に焼き付けるようにじぃっと見つめている。
    人の視線を感じてうっすらと意識を浮上させた一郎は、瞼を開けると左馬刻と目が合った。しばらく見つめ合っていたが、左馬刻がいつになく熱視線を向けてくることにむず痒くなり目を逸らしてしまった。
    なんか、今日の左馬刻甘いな、と思って布団に潜ろうとすると、それを阻止するように名前が呼ばれる。

    「一郎」

    とても、甘い声だった。セックスの時ですら聞いた事のない声。どうせなら昨夜の行為中にその声で呼んでほしかったな、なんて声と同じく甘ったれたことを考えた。
    左馬刻は、一郎の名前を呼んだあと何も言葉を続けなかった。呼んだだけかと思ったが、顔を上げると何かを考えるような、逡巡しているような顔と目が合った。

    「どうした?」

    何か悩んでいるのだろうか。相談に乗れそうなら力になってやろうと、言葉の先を促すと先程の甘い声とは反対に苦い言葉が発せられた。

    「別れてくれ」
    「……は?」

    一郎は一気に身体から温度が抜けていく感覚がした 1921

    もろごりら

    CAN’T MAKE独歩が母校の中学校の入学式の挨拶に呼ばれる話。
    やまなし
    おちなし
    いみなし

    続きは書けない。何をしようとしたのか覚えていない。
    桜の木

    温かい陽射しが降り注いでいる。道は新学期に胸を躍らせる新中学生の声で溢れていた。
    「眩しい…」
    観音坂独歩は、若いチルドレンのエネルギッシュさにすでに参っていた。
    「なんで俺がこんなことを…」
    独歩は母校の中学から入学式の祝辞を頼まれた。当時の俺を覚えてるやつなんて居ないくせに。シンジュク代表になってディビジョンバトルで優勝した途端これである。馬鹿馬鹿しい。校長からは「これから明るく楽しい学生生活が待っている学生たちに先輩としてエールを贈ってやってください」なんて言われたが、俺が『明るく楽しい学生生活』を送ったように見えるか?もっと適任者がいるだろ。一二三とか一二三とか一二三とか…。いや、あいつも真に『明るく楽しい学生生活』は送れてなかったな。女性恐怖症が発症したのってこのぐらいの時期だったか。今はなんとかコントロールが出来ているが、ここに来てフラッシュバックしてしまったら…ジャケットが効かなくなったらあいつの努力が水の泡だ。やはり俺がやるしかないのか…。
    独歩はたいしてこの学校が好きではなかった。学区として定められているから通っていたのであって、スクールモットーには 1080

    もろごりら

    PROGRESS全然書けてないです。チマチマ進めます。
    左馬刻が両目右腕右脚を失った状態からスタートしますので身体欠損注意。
    何でも許せる人向け。
    左馬刻が目を覚ますとそこは真っ暗だった。真夜中に目覚めちまったかとも思ったが、何かがいつもと違っている。ここが自分の部屋ならば例え真夜中であっても窓は南向きにある為カーテンの隙間から月明かりがうっすら差し込んでいるはずだ。しかし今は何も見えない。本当の暗闇だった。

    なら、ここはどこだ?

    耳を澄ましてみる。ポツポツと雨の音が聞こえる。あぁ、だから月の光が届いていないのか。
    他の音も探る。部屋から遠い場所で、誰かの足音が聞こえた気がした。
    周りの匂いを嗅いでみた。薬品と血が混ざったような匂い。これは嗅ぎ慣れた匂いだ。それにこの部屋の空気…。もしやと思い枕に鼻を埋める。
    やっぱり。
    枕からは自分の匂いがした。良かった。てことはここは俺の家の俺の部屋か。ならばベッドサイドランプが右側にあるはず。それをつければこの気色悪ぃ暗闇もなくなるは、ずっ…
    押せない。スイッチを押すために伸ばした右腕は何にも触れないまま空を切った。おかしい。動かした感覚がいつもと違う。右腕の存在は感じるが、実態を感じない。失っ…?
    いやいやまさか。落ち着け。枕と部屋の匂いで自室だと勘違いしたが、ここが全く知らない場 6126

    recommended works