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    himeka_hp

    @himeka_hp

    ヒュンポプ中心に書いてます。
    18歳未満の方は御遠慮くださいませー!!

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    himeka_hp

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    診断メーカーでのお題【ただいまハニー。待たせたな】からできたお話です。

    ヒュが頭おかしいです(笑)
    耐性のない方は御遠慮ください!

    #ヒュンポプ
    hyunpop

    【豹変する君】ヒュンポプ「ただいまハニー。待たせたな」


     帰って来るなりそう言ったヒュンケルに、ポップは持っていたカップをガシャン!と取り落としてしまった。


    「な、何言ってんだ?頭大丈夫かヒュンケル…?」
    「オレは大丈夫に決まっている。ハニー、ようやく会えたな、今すぐただいまのキスを…」
    「わああああ!!!」

     す、と音もなく傍に近づいたヒュンケルは、ポップの腰を引き寄せて、抱きしめ、そして顎に手をかけ上向かせて、顔を近づけた。
     その手馴れた所作に、ポップも流されてしまいそうになるが、慌てて、ヒュンケルの顔に手を押し付けてグイグイと離れようとした。
     おかしい、おかしい。
     普段のヒュンケルじゃない。いつものような、表情の見えない奴じゃなく、ポップを見る目はうっとりと目を細めて愛おしそうにしていて、頬を赤く染めている。ポップはそんなヒュンケルに、鳥肌が立ち、ゾワゾワと寒気がした。

    「ちか、づくなよ!気持ちわりぃ!!」
    「何を言っているんだポップ…、ほら、いつものように愛のハグをしようじゃないか」
    「ひいい!!」

     笑みを浮かべにっこりと笑いながら、ポップへと手を伸ばし、うっとりとしている。
     正直、気持ち悪い。すげー、気持ち悪い。
     ポップは、何故ヒュンケルがこうなったのかが分からない。なんだ?何があった?
     原因が分からないのでは対処のしようがない。
     誰か知っている人間は居ないのか?
     そう考え、先程まで城にいたのだから城へ行けば誰かは知っているだろう、とポップは判断した。
     決まれば即行動とばかりに、ヒュンケルの首根っこを掴むと、ポップは瞬間移動呪文を唱えた。

     
     どさり!!
     いつものように、着地に失敗したポップはヒュンケルを労る訳でもなくて、少し距離を取る。
     座り込んだヒュンケルは、ポップの顔を見るなり、ふわり、と笑い、直ぐに立ち上がると、抱き寄せた。

    「大丈夫か?ポップ、痛みはないか?どこかぶつけてはないか?痣などはないか…」
    「大丈夫だから!いちいち抱き寄せんな気持ちわりぃな!!」
    「気持ち悪いなどと…そんなに褒めるな…」
    「褒めとらんわ!頭おかしすぎだろ!!!」

     ぽ、と頬を染めて恥ずかしそうな顔をするヒュンケルに、ポップは顔をゆがめて、ズサ!と距離をとる。

    「そんなに離れなくても…照れているのか?可愛いヤツめ」
    「そんなんじゃねーから!?!?」

     降り立った中庭でギャーギャーと騒いでいたからか、人が何事かと増えてきた。その中に、ラーハルトを見つけると、ヒュンケルの腕を掴んで、急いでラーハルトの傍に移動した。

    「ラーハルト!」
    「何を喧しくしているのだ…、ヒュンケルお前は帰ったのではないのか?」
    「それなんだけど、ラーハルト話があるんだ!ちょっと来てくれ!」

     ポップは藁をも掴むような顔をして、ラーハルトに助けを求めると、あれよあれよと、ラーハルトの自室に入り込んだ。

    「何なのだ…、一体」
    「いや、それが…」

     怪訝な表情をするラーハルトに、ポップはどう切り出したものかと考えるが、そんな考え込むポップを他所に、ヒュンケルがまたもや腰を抱き寄せてくる。

    「ポップ…好きだ、オレのハニー」
    「「……」」

     すりすりと、ポップに擦り寄ってくるヒュンケルに、ポップとラーハルトは同時に沈黙する。
     そして、ヒュンケルを異質なものを見るような目で見つめて、はあ、とため息を着く。

    「ついに、頭までいかれてしまったか、こいつは」
    「いや、そうなんだけど、そうじゃないっていうか!」
    「なら、なんなんだ、人前でイチャイチャと…、鬱陶しい」
    「俺のせいじゃねーから!?!?」

     ラーハルトのいる前でも、ヒュンケルは構わずにポップを後ろから抱きしめ、頭にちゅ、と口付ける。
     それに、腕でグリグリと肘打ちをくらわせているにもかかわらず、ヒュンケルは平然としながら、ポップを慈しんでいる。

    「ラーハルト、ポップはオレのものだ、お前にもやる訳にはいかない」
    「こんなちんちくりん誰が欲しいと思うか、いらん」
    「なん、だと…!?可愛い可愛いポップを、否定するとは!」
    「言ってる事が矛盾だらけだな、お前」

     自分から話をふっておいて、ラーハルトがポップの事を、貶すようにいうと、ヒュンケルは怒りをあらわにしてきた。これには、ラーハルトも突っ込まずには居られなかった。

    「いいか、ポップはな…、可愛らしさの中に、秘めたる美しさも兼ね添えている…、そしてとても清純で、だが、妖艶さも…特に閨では…」
    「わー!わー!何言ってんのお前!!??」

     いきなり語り出したヒュンケルに、ポップはまたか、とは思うが、まさか閨での事まで話し始めた瞬間、真っ赤になりながら、ヒュンケルの口を抑えてしまうと、涙目で、睨みつける。

    「ポップ、なぜ止める?お前の魅力を奴にも分からせなくては…」
    「ばっかかお前!!言っていい事と悪いことがあるわい!!!」
    「なんなのだ、お前達は結局何をしに来たんだ…」
     
     ラーハルトは頭が痛くなってきたというか、もう馬鹿馬鹿しくなっできたので、とりあえずは適当に流すことを心に決めた。

    「だーから!ヒュンケルが可笑しいんだって!!」
    「いつもおかしいではないか、特にお前が絡む時は」
    「いや、それとは違うっつーか、なんというか…」
    「ポップ、ラーハルトの方がいい、のか…??俺という存在がありながら…!!」

     やっと本題へと入ろうとしたら、またヒュンケルが馬鹿なことを言い出した。いや、そうじゃなくて。
     ポップは、なかなか進まない話に、爆発しそうだった。

    「おれは!お前のためにやってんの!!」
    「ポップ、そんなにオレの事を思ってくれているのか!?」
    「そ、そうだけど、そうじゃなくて!!ああああ!もおおお!!!」
    「どうした、ポップ?!オレの事がそんなに…!!」

     全く噛み合っていない会話に、ポップは、堪らずに頭を掻き乱し、叫び出す。
     だが、それでも、ヒュンケルは変わらずに、ポップだけしか目に入っていないように、愛を囁き続ける。

     その瞬間、ポップは、キレた。

    「お前、いっぺん地獄に堕ちろ…っ、重力呪文!!!」

     その瞬間、重力に押し潰されたヒュンケルは、うつ伏せで倒れてしまった。重力呪文でも、ポップが怒りに任せて使ったのだから、威力は半端ないだろう。
     
    「う…」
    「どうだ?治ったか?」
    「お、オレのポップ…」

     落ちていたヒュンケルが気づいたため、近づいて様子を見ようとしたポップは、ヒュンケルに問いかけたが、案の定、ヒュンケルはまだ治っておらず、またもやポップは、重力呪文をヒュンケルに食らわせてやる。そのまま気を失ってしまったヒュンケルをそのままに、ポップはラーハルトと話を進めたのだった。

    「う、ここは…」
    「起きたか、ヒュンケル。調子はどうよ」
    「ポップ?それにラーハルトも…オレは一体…」
    「まあ、ちょっとした事故みたいなもんかなあ」
    「あれがちょっとというのか…?」
    「ごめんって!ラーハルト!」

     ヒュンケルがようやく起きた時には、もういつものヒュンケルに戻っていた。それには、ポップも安堵の息を吐く。いくらなんでもあんなヒュンケルは、気持ち悪すぎて、たまらなかったから。

    「とりあえず、戻った事だし、帰るか」
    「……よくわかないが、分かった」
    「ラーハルト、ありがとな!またなんか礼でもするから!」
    「そんなものはいい、早く帰れ」

     ラーハルトの言葉を背に、ポップはヒュンケルを連れて、また瞬間移動呪文で戻っていった。
     後に残されたラーハルトは、深い深いため息を着く。

    「全く、傍迷惑な奴らだ」

     その唇には少しの笑みが浮かんでいた。




     だが、部屋の惨状を見た瞬間。

    「爆発してしまえ!!!」

     と叫んだのだった。




     結局、ヒュンケルが何故ああなったかは、何故かわからずじまいであった。しかし、第二第三の被害者が出る前でよかったと、ポップは思った。
     
     それが、フラグであることも知らずに……
     
     
     

     
     
     
     
     
     
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