ロキとメビウスいつものTVAにある食堂はリフレッシュルームよりもずっと殺風景で、ここは食事をするためだけに作られたとしか思えない場所だった。ロキはメビウスと向かい合ってつまらなさそうにプレートに乗ったサラダを突っついていた。ほとんど手をつけずにいるロキとは反対に、メビウスは綺麗に皿をあけて食後のデザートがわりにスプライトを飲んでいた。
微笑みさえ浮かべているように見えるメビウスに、ロキは頬杖をついたまま尋ねる。
「ここの食事はなぜこんなにも不味いんだ。まるで生命を維持するためだけに作られてるようで、味も何もあったものじゃないな」
「そう?僕は普通なんだけど」
「いいか、世の中には美しく素晴らしい味わいの食べ物がたくさんあるんだ。いくら時間の流れが違うとはいえ、限られた時間を生きるお前たちが食事を楽しもうとしないのか不思議で仕方ない」
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