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    あまや

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    あまや

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    SSS/茨+日和
    TtMサマライの感想文
    (作中時間軸はサマライ前)

    ツイッターに上げてたけど分量的にこっちだなと思ったので上げ直し

    ##CPなし

    -26.7の輝き東の地平線が白み始めた。荒野の朝は遮蔽物のないぶん、一秒も遅れることなくやってくる。振り返れば西の国ではまだ鶏だって目覚めていない闇が広がっているのに、俺たちには朝がやってきて彼らにはまだない。朝日のスピードは時速何キロなのだろう。少なくとも休暇に乗せてもらうシボレーアバランチよりも速いのは確かだった。
    世界の片隅からじわじわと夜を飲み込んでいく朝日はオセロを彷彿とさせた。盤上の夜は強烈に差し込む白い光線に次々とひっくり返される。ただ、あちらはゲームでこちらは現実という点だけが違った。
    夜明けは作戦開始の合図だった。俺たちは太陽を背に、まるでその光線の一部かのように戦場へと駆け出し、敵を殲滅する。ほんの一時間も経てば折り重なった死体の山があちこちに形成されることだろう。そのおぞましい山の一部とならぬよう、今日も死に物狂いで生き延びなければならない。明け方の底冷えする風に震えそうになる体を押さえつけ、スコープを除き上官の指示に従い引き金を引いた。
    太陽は開戦の狼煙。そして強者の象徴だった。

    ――と思っていたことを、不意に思い出した。

    安寧の夜闇の世界を無理やり暴いて朝にする陽光の暴力的なまでの強さが殿下に似ている。
    玲明学園での合同ライブの視察。視察対象はEve、というよりも突然殿下が引き抜いてきた漣ジュンとかいう男の方だったが、ついつい殿下に視線を惹きつけられる。自ら発光しているかのような眩しさ。溌剌とした表情。人々に熱狂を届け虜にする求心力。殿下は太陽のような男だ。
    それに比べて闇夜に光る星々のなんと儚いことか。太陽を前に六等星など相手にもならない。夜は暴かれ、盤上は白一色に染まる。白熱光線が地上を焼き尽くし、あとに残るのは強烈な光の記憶のみ。
    敗北していくアイドルを横目に、万人を惹きつけてやまない殿下のアイドルとしての有能さに体が震え、笑いが溢れた。

    恐ろしい太陽も、我が手にあればこそ。

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    あまや

    TRAINING習作/凪茨(主人公ジュン、下二人メイン)
    ⚠︎パラレル。アイドルしてません
    三人称の練習兼、夏っぽいネタ(ホラー)(詐欺)

    登場人物
    ジュン…幽霊が見える。怖がり
    茨…ジュンの友達。見えない。人外に好かれやすい
    おひいさん…ジュンの知り合い。祓う力がある(※今回は出てきません)
    閣下…茨の保護者
    三連休明けの学校ほど億劫なものはない。期末テストも終わりあとは終業式を残すのみではあるのだが、その数日さえ惜しいほど休暇を待ち遠しく思うのは高校生なら皆そうだろう。ジュンはそんなことを思いながら今日もじりじりと肌を焼く太陽の下、自転車で通学路を進んでいた。休みになれば早起きも、この茹だるような暑さからも解放される。これほど喜ばしいことはない。
    「はよざいまーす」
    所定の駐輪場に止め校舎へ向かっていると、目の前によく知った背中が現れた。ぽん、と肩を叩き彼の顔を覗き込むとそれは三連休の前に見た七種茨の顔とはすっかり変わっていた。
    「ひええ!?」
    「ひとの顔を見てそうそう失礼な人ですね」
    不機嫌そうな声と共にジュンを振り返ったのはおそらく七種茨であろう人物だった。特徴的な髪色と同じくらいの背丈からまず間違いなくそうだろうと思い声をかけたのだから、振り返った顔はジュンのよく知るメガネをかけた、男にしては少し可愛げのある顔のはずだった。が、見えなかったのだ。間違った文字をボールペンでぐるぐると消すように、茨の顔は黒い線でぐるぐる塗りつぶされていた。
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