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    すいか

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    類司(🎈🌟)が主の倉庫。
    すいげつ/きんか、あわせてすいかです。

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    すいか

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    雨に降られてガレージに🌟を泊める🎈の🎈🌟

    ワンドロ。
    演目「雨上がり」+5時間
    ※カラフェス🎈のサイスト内容を含。

    #文

    天国は月にあるらしい首のうしろから背骨がいたい。ぼんやりとした意識で始めに感じたのはそれだった。それから自覚した頬に固い感触に、自分が作業机で寝落ちたことを理解する。最近は前に作ったある演出装置を元にして別の用途で使える装置を組み立てていたから寝不足で、そのツケが回ってきたようだ。

    寝起き特有のボンヤリとする視界を正すために何度かゆっくりと瞬きをする。けれど作業用ライトが眩しくて目を背面へとそらせば、まだ部屋の中は暗くて夜だということを理解する。
    そのままソファーに目線を向ける。姿を確認しようとして目をこらしてみると、そこで寝ているはずの人がいなかった。


    今日は練習のあと、ガレージへ一旦よってほしいと司くんへ頼んだ。ランドの都合で少し早めに帰ることになったので、先程話した改良装置の最終調整をその場で試しながら作業するためだった。寧々はえむくんともう少し一緒にいることになったらしく、僕たちは二人で帰路につくことになった。
    もうすぐ到着するというところになって酷い雨に降られた。天気予報では雨が降るなんて一言も言ってなくて傘なんて持っておらず、折り畳み傘を出そうにもあまりにも酷すぎて開けば鞄の中は一気に餌食になるだろう。そう判断してふたりとも全力で走って僕の家へと転がり込んだ。

    互いに全身濡れ鼠に近い状態で、着ているものは水分を吸ってしまっていた。制服をしぼれば水がでたくらいに。慌てて全身の水分をタオルで取りながら風呂を沸かして、風邪をひくといけないからとふたりで一緒に入浴を済ました。何度も一緒にはいっている仲なのでそこについては問題ない。
    こんな天候では調整実験も出来なくて、通り雨かもしれないと風呂からあがってからは司くんの宿題の手伝いをして時間を潰して過ごす。けれど雨は弱まるどころかまた強くなったのではないかというほどになっていて、結局予定のことはなにもできずに困ってしまって。

    ガレージの外をドアから見る司くんに僕は泊まっていきなよと引き留めた。折り畳み傘でもきっと頑張って帰れるし、傘を貸してあげれば安全に帰れる。けれど一緒にお風呂にはいって宿題を手伝って、そばにいてほしい気持ちによってしまっていた。
    このまま一緒にいたいな。そんな言葉を裏に隠して提案した言葉を、司くんは僕の顔をほんのちょっと見つめたあとに「分かった。」と了承して家族に連絡をし始めた。

    それから一緒にご飯を食べて、僕の持っている戯曲や小説を一緒に読んだ。彼と見て話がしてみたくて、のどから外れてしまってバラバラになった月世界旅行を見せたときには大袈裟な動きをして割れ物を扱うような手付きでページを摘まんでいて笑ってしまった。でも僕の大切なものだと分かっていて、きっと一等優しく扱ってくれたんだと思われる手付きにとても嬉しくなった。
    そして読んでしまえば次々と演出の案が浮かんでくるのはいつものこと。司くんが目の前にいて話し合いができるのも相まって、紙を取り出して思い付いた案を書き出して思考することに没頭してしまう。そんな頭のまま作業台へ設計図を書きに座り込んで、あとはそのままだ。

    こうなってしまえば僕は止まらない。経験上それを理解してくれている司くんはそれから一度だけ、どのくらいたっていたのかはわからないが肩を叩いてから「ソファー、貸してもらうからな。おやすみ。」と就寝の挨拶を言いに話しかけにきてくれて。丁寧にかけてもらった言葉を噛み締めながら返事をかえした。
    そこからは設計図を一心不乱にひいていたはずだが、いつのまにか寝てしまったらしい。


    そう、だから司くんが帰ってしまったとかそんなわけではないはずだ。トイレだろうか。部屋の中を観察するとガレージの出入り口になっているドアがすこし開いている。
    もしかして外にいるのだろうか。雨の様子を見に出たのかもしれない。ドアをそのまま開いてみれば、そこには神秘的な景色があった。

    外には司くんがいた。
    雨はもう上がっていた。雲が月のある場所にだけない。まわりに避けて囲むように、またはその存在感を示すように。月だけを引き立たせるかのように夜空に敷き詰まっている。そんな星も見えない夜空の下。やわらかな月光のみに照らされながら彼は月を静かに見上げていた。
    他の景色は暗くてあまり良く分からないのに、その綺麗な金髪に光があたって縁取りのように優しく輝いていている。

    「ああ、類。起きたのか?」

    司くんが振り返る。月明かりを背にしている姿はスポットライトを浴びているようで目を離せない。まるで天に焦がれて目指す人のようにも、楽園から来た天の使いのようにも見えてしまって、胸が暴れて苦しくなる。
    ふとそんな光景に、昔母さんが僕にもいつか仲間ができるよ。と話してくれたことを何故か思い出した。こんなにも綺麗なのに、彼と頭上の輝く月しかないからだろうか。

    けれど目の前の司くんは孤独のようには僕には全く感じられない。ならばその理由は、僕が彼のような人をずっと待っていたからなのだろう。
    そうだ。ずっとずっと、うるさくて歩くのも辛い雨が上がって雲が晴れるのを待っていた。そうして晴れた光の下にいる人が、運命のような相手なのだろうと信じていたんだ。

    「類?」
    返事もせずに見つめていた僕に不思議そうに首を傾げる。
    「いや、月が綺麗だなって。」
    この場に出来たあらゆる感動を、有名な翻訳された愛の言葉に詰め込んで目の前の相手へと贈る。言葉を受け取った相手は、後ろの月にも負けない輝かんばかりの笑顔で言った。
    「オレもそう思って見ていた!」



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    related works

    すずめ

    MEMOこれもなんとなく晒しちゃう
    いつぞやのスレミク(https://poipiku.com/150116/2641897.html)を漫画にしようとしてくじけて文章で……ってなってこれだけ進めて忙しくてやはりやさぐれてしまった、冒頭も冒頭の冒頭
    ◆スレイを探す、とある天族の話。




    目覚めた。


    そう、目覚めた。それだけがはじめの意識だった。ここがどこかはわからない。少し視線を動かすと、あちこち崩れた天井のむこうで、澄んだ青が高く見下ろしている。空だ。しかも昼の、晴れた空。なんだかそれにひどくほっとして、ほう、と息をつく。数回瞬いた。見える。問題ない。自分の意志で視界を動かせる。途方もないことだった。――――? そうかな。途方もないことだったかな。だって、見えるってそういうものではなかったろうか。青空があって、それを見ることができて、そんなのって、珍しかったっけ? わからないなあ。でも。でも。でも。



    背を起こそうとする。
    そういうものだと言わんばかりに、体が無意識にそうしようとした。
    が、阻まれた。ぐぇ、と首元がなにかに引っぱられる。
    わからないので、首を傾げた。耳元でなにかがふさりと揺れる。
    引っぱられた気がしたのだけれど、周囲に自分以外がいる気配はとんとない。
    では何が原因で起き上がれなかったのだろうか。
    右を向く。
    左を向く。
    寝そべっているのは地面だ。
    地面には天井からの落下物や、壁から剥離した装飾物がぼろ 2745

    すずめ

    MEMOへーテキスト機能でござるかーってなったので、テストがわりに手元から適当に引っ張ってみました。

    現代びゃくしょーのつもりのやつ。
    詰め込んだ願望
    ・ジェッソトップ2の共闘
    ・戦場で役立つ入江様(大盛)
    ・薔薇の女王呼ばわりされる入江様(特盛)
    ・もうどうにかこじつけて入江様を盛りたい、という産物



    ◆白蘭を選ぶ正一くんの話
    (※ 一部、HEL/LSINGのオマージュみたいなところあります)


    鈍い鈍いと言われたこの頭でも、一度は“それ”を考えたことがある。
    もし彼が《もう一度》を願ったら。
    そのために力を惜しまぬと言い放ったら、と。


    唐突な呼び出しだった。
    指定場所は、見慣れた並中の校舎。
    その屋上へ君臨するように降り立った天使を、綱吉は食い入るように見上げた。

    「どうして! 白蘭!!」
    「だって、ああも見事な完敗って僕、初めてだったんだもの」

    にこりと、現代に戻ってから見てきたような邪気のない笑顔が綱吉へ返される。
    そう、邪気は、悪意は、感じないのに。

    「失敗したら、反省するでしょう? 反省したら、どうすればよかったか考えるでしょう?
    んでね?」
    「…………」
    「どうすればよかったかの算段がついたら、ほら、試したくなるじゃない?」

    両手を広げて、大仰な演者のように、白蘭は笑う。
    けれどきっと、 9612

    すずめ

    MEMOちょっとしょんぼりしてらくがきなんもできなかったけどなんかアウトプットしないとそれはそれで妄想消化不良で自家中毒してくたばるから文字発散でしのいでる

    ◆たつまよで夏のはなし(未完)
    いつぞやのらくがきの、ひまわり畑の前で先輩呼んでるマヨチヤンのあれのつもり
    ひろくん自転車のれなくて特訓したとか
    たつまよラムネのますとか入れたいとこまで届いてないていたらく…
    無駄に長くなるのなおしてえ
    いかにも夏らしい、高い空のひろがる午後だった。
    ひまわり畑のそば。
    麦藁帽の下の顔はぼんやりと、道の向こうに視線を向けて佇んでいる。
    髪色が濃いせいか、白い肌が殊更浮いて見えた。
    頬だけ、外気に当てられて常より赤い。
    咲いたような彩りの造形がやたら眼について、慌てて首を振る。
    胸の内、雑念を追いやるように戒めて、表情を作った。


    「お待たせしました」


    声をかければ、かの人がゆっくりと振り向く。
    大口の袖から覗く華奢な腕が持ち上がり、数度やわらかく手を振って、笑う。


    「暑いですねえ、巽さん」


    ええほんとうに。
    返事は、滞りなく相手に届いたようだ。
    手のひらには、買ったばかりのラムネの瓶が二つ。
    結露はとうにはじまって、瓶を握りこんだこぶしの先からほたほたと水滴が零れていく。
    足を踏み出せばその振動に、硝子のぶつかる硬質な音がからんと鳴った。



    ・夏の話



    結成から二度目の夏。
    ALKALOIDは四人そろって県を越え、とある海浜公園に出向いていた。
    来たる秋に向けて、参加型イベントの公募を盛り立ててほしいという依頼が入ったからだ。
    先行体験する姿を撮影し、感想を残し、 6309