知っている知らない香り(仮)チャイムがなり、何か忘れ物かなっと玄関までいく
「よぉ」
ドアを開けると、立っていたのは銀髪の男の人だった
金さんから注意する様に言われた人だ…
「あの、どなたですか…すいませんけど帰って」
「お前も、俺の事忘れちまったのかよ…」
キュッと辛そうに口を紡いで、その人は下を向いてしまった
危険な人だと言われたけど…どうして、そんな顔…
「帰って下さい…!私は金さんの」
恋人だと言おうとした…でもそれは阻止されてしまった
腕を掴まれ
その銀髪の人に抱きしめられてしまったから
「離…して」
離してほしいのに、この懐かしい匂いはなんだろう…
前にも嗅いだような…ううん
毎日嗅いでた気がする…どうして…
「離して下さい…お願い…」
「ずっと言わなくて悪かった……俺はお前が」
「だめ…私は金さんがいま、す…」
その先を聞いてはいけない気がする…
本当はずっと聞きたかった…
でもそう思うのはどうしてなのか
なぜ涙が流れるのか…
「貴方は誰…なんですか…どうして私を知って…」
「それは…そうだな…上手く説明出来ねぇわ、泣かせて悪かった…」
スルリと離される体…甘い匂いが離れていく