地球照 「ケイイチくんの誕生日って27日なんだ。お祝い何がいい?」
アルバイト先で腕を取られた女に言われた。
夏休み中はずっとアルバイトをして、家にもほとんど帰らない。だからこういう人は本当に助かる。寝る場所も困らないし食事も惜しまないでいてくれる。
「…金?」
ベッドに裸のまま胡座をかいて、少しだけ考える風に言った。
「だよね。お金、欲しいよね」
夜の仕事している女の、化粧を落とした肌が好きだ。ファンデーションを拭った肌は少し黄味を帯びている。
何も着ていない背中。染めて色の落ち着いてきた髪が流れている。
「うん。でもあなたからは要らないよ」
「そっか。じゃあ、今からケーキ食べに行こうよ。もうお昼だよ、笑っちゃう」
ブラを着けながら女が笑う。
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