25歳になりアイドルとして仕事は増える一方だけれど、家のことは幾分落ち着いて、わしもいよいよ学校に通うことになった。
今までは本を開いてようやく分かることも、学校で先生っちいう人が迅速丁寧に教えてくれる。それから今まで孤独に学んできた身としてはクラスメイトっちうんも有難い存在や。
普段は昼間に仕事があるため夜間に授業を受けているが、今日は担当の教員に提出しなければいけない書類があったため午前中に職員室を訪れることになっている。廊下を歩いていると、階段の上から女の子らが話している声が聞こえた。
「昨日の白鳥藍良のドラマ見た!? すっごくかっこよかった!」
「見た〜! でも、複雑なんだぁ…。ついに全世界に藍良くんが見つかっちゃった気がして。わたし小学生の時に翼モラトリアムのリリイベ見かけた時から藍良くんのこと好きだからさぁ」
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