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    gnzzz04gs

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    gnzzz04gs

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    カミ→ブラ
    遅いけど父の日ネタにしたかったが、できませんでした。オチも意味もないです。

    ブリッジの艦長席に座っていたブライトに、
    カミーユはどうぞと包装紙で綺麗にラッピングされた箱を手渡した。
    現在はティターンズとの抗争もなく、昼食の時刻ということもあって、ブリッジ内は人が少なく閑散としている。
    「今日は父の日らしいです。いつもブライトキャプテンにはお世話になっているので、お礼です」
    カミーユの言葉に、ブライトはそういえばと、以前息子達から父の日に似顔絵をくれたことを思い出す。
    カミーユの本当の父親ではないにしろ、プレゼントをくれるという関係性が嬉しかった。ブライトは「ありがとう」とプレゼントを受け取り、いつも自身の子供達にするようにカミーユの頭を優しく撫でた。
    カミーユの青い髪は柔らかく、ふわふわとしていて気持ちいいなと思いながら暫く撫でていたが、俯いたままのカミーユを見て、つい我が子に対する態度をカミーユにしてしまったことに気付き、撫でていた手を慌てて引っ込める。
    「あ…、すまない。子供扱いするつもりは無かったんだが…」
    「いえ、ブライトキャプテンになら子供扱いされてもいいです」
    子供扱いを嫌っていたカミーユに対して良くないことをした。機嫌を損ねるのは全体の士気に関わるとブライトは危惧していたが、予想していなかった反応が返ってきてぱちぱちと瞬きを繰り返す。
    少し照れくさそうに俯いていたカミーユは、ブライトを見上げて「でも」と続けた。
    「でも、本当は子供扱いしないで、一人の男として見てほしいです。だけど、今の俺にとっての特権は『子供であること』だから。あなたが俺を子供だと思うからこうして触れてくれるのだと分かっています。だから、いつかあなたに振り向いてもらえるよう強くなりますよ。見ててください」
    カミーユは艦長席に乗り出し、ブライトに触れるだけのキスをした。そのまま肘掛を手で押して空中に浮かび、低重力の中ブライトから離れていく。
    不意をつかれたブライトは、自身に起きた出来事が理解出来ず呆然と離れていくカミーユを見ていることしかできなかった。
    「俺、あなたが好きです」
    青い目が真っ直ぐブライトを見つめて、ふわりと微笑む。まだ幼さが残る整った綺麗な顔にブライトは思わずドキッとして、自分に起きた出来事を時間差で理解し、顔が熱くなるのを感じた。


    年甲斐にも無くドキドキしてしまった。幾つ離れてると思ってるんだ、俺は。
    あの後、カミーユがブリッジを出ていくまで彼の姿から目が離せず、ブリッジの扉が閉まってからようやく我に返った。
    はぁ…と深くため息をついて椅子に体を沈める。
    ふと、初めて出会った時のアムロを思い出す。アムロもまた、カミーユと同じく家庭環境に悩まされていた。真っ直ぐで、純粋で、傷つきやすい部分もカミーユとよく似ている。
    7年前、くよくよするアムロを鬱陶しいと感じる部分もあって、つい平手打ちをしてしまった。
    あの時は何もかもが必死で、年下相手に大人気ないことをしてしまったと思う。彼の抱えている気持ちに寄り添ってあげることも、必要だったのだろう。
    それから歳月は流れ、自分は次第に感情的になってしまうことは減っていった。今では2児の父親だ。
    歳をとるとはこういうことなのかと実感する。カミーユがくれた箱を眺めつつ、感慨深いなと思い笑みがこぼれた。
    今なら15歳のアムロを、もう少し上手く導いてあげることが出来るだろうか。そんなことを考えてしまう。
    カミーユに対しては扱いにくい子とは思うが、クワトロ大尉やエマ中尉の言うことをよく聞くし、カッとなってすぐ暴力沙汰を起こすことも無くなった。
    子供が成長するのはあっという間だ。息子のハサウェイや娘のチェーミンも、自分が知らないうちに大きくなって、手が掛からなくなるのだろうと考えると寂しく思う。

    「何貰ったんです?」
    カミーユから受け取ったプレゼントを見つめながら物思いにふけていると、頭上から声を掛けられた。急な出来事に驚いて、思わず「うわっ!」と大声をあげてしまう。振り返れば、エマ中尉が背もたれに掴まり、こちらを覗き込んでいた。
    「ああ…。中身はまだ見てないんだが、父の日のプレゼントでカミーユがくれたんだ。以前中尉が、軍隊は父親役が兵を育てると言ってくれただろう?カミーユにとって僕は、良い父親役になれてるってことなのかな」
    キスされた部分は伏せ、カミーユがくれたプレゼントについて話す。
    どうして彼があんなことをしたのか、それは分からないが、純粋に好意を持ってくれていること自体は嬉しい。本物の父親にはなってあげる事はできないが、彼の中のコンプレックスが少しでも軽くなれば良いなとは思っている。
    エマ中尉は頬杖を付き、考え事をしているのか「ふーん?」と返してきた。
    「でも、父親にキスなんかします?本当はブライト艦長のこと好きなんじゃないですか、恋愛感情として」
    彼女の言葉に思わず吹き出しそうになる。見られていないと思っていたが、いつから見ていたのだろうか。
    ゴホンと咳払いをして、平静を装う。
    カミーユは17歳で、まだ子供だ。ファの好意だって気付けてはいないし、きっと尊敬を恋愛感情と間違えてしまっているに違いないと、自分の中で結論付けた。
    「いやいや、父親への敬愛と恋愛感情が混ざってしまっているだけさ。そのうち好きな女の子ができて、この事も忘れるよ」
    「案外本気かも知れませんよ?」
    「え?」
    彼女の言葉にドキリと反応してしまう。てっきり肯定してくれるものだと思っていた。だが、彼女は可能性を含めた返答をしており、その言葉にかき乱される。
    情けない声を出していたのだろうか、彼女は失笑して「ただの女の勘ですけど」と言い、ブリッジを出ていった。

    女の勘はよく当たるのよ。昔ミライに言われた言葉を思い出す。もしエマ中尉の言うことが本当だったら?そう考えるとカミーユの笑った顔を思い出してしまい、心臓が高鳴っていくのを感じて頭を抱えた。
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