艦長室の扉が突然開いたかと思えば、カミーユ・ビダンは断りもせずずかずかと室内に入り込み、ソファーに座る部屋の主ブライト・ノアの膝の上に頭を預けて寝転んだ。
両手に書類を持ち活字と睨めっこをしていたブライトは、急な出来事にフリーズする。目を落としてカミーユと視線がぶつかり、ようやく「おい」と一言発した。
カミーユは構わずブライトの腰に腕を回し、腹部に顔を埋めるよう抱きついてくる。ブライトが「お前なぁ」と怪訝そうな声を出すが、カミーユは微動だにしなかった。
その様子にブライトはどうしたものかと悩み、備え付けの机に持っていた書類を置いてソファーに身を沈める。はぁと深くため息をつけば、カミーユの体がビクリと動いて腰に抱きつく腕が少し力んだ。
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