パプニカ軍の再編成にあたり、ヒュンケルは責任者としてベストを尽くした。昨日に発表された組み分けは、五日後に始まる来期から運用されるはずだったのだが。
「納得いきません!」
「そうですよ!」
「どうして我々が上級なんですか!?」
早朝から、腕に覚えの有る三名がヒュンケルの執務室に怒鳴り込んできた。上級よりも上の、最上級に編成しろとのことらしい。
偶々部屋に居ただけのラーハルトは部外者なので端から眺めているだけである。己の立場は飽くまでもダイの私兵。軍に口出しは無用だろう。
ヒュンケルは手元の書類を下ろして告げた。
「練兵クラスの編成は、公平を期すために今期一年の獲得ポイントにより割り振った。全兵の試合結果や体力測定、皆勤などを点数化し、400ポイント未満なら下級、400ポイント以上なら中級、1000ポイント以上なら上級としている」
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