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    Shai_mk

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    Shai_mk

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    ドムサブユニバースの新快です。
    名探偵が雑誌で「パートナーが居る」なんていうので色々はっちゃけた快斗君。
    紅子が魔術で守ってくれている安全安心のDom専用高級クラブのキャストとしてたまに遊んでいる。
    そこになんだか懐かしい気配のお客さんがやってきて——

    #DomSubユニバース
    domsubUniverse
    #新快
    newFast

    快斗君の従業員日誌 番外編Dom専用の会員制高級SMクラブ~Limelight~

    1.パートナーの居ないSubが勤めております。
    2.本番行為は禁止されています。
    3.必ずプレイ前にSafewordを取り決めて頂くようお願い申し上げます。
    4.Subの要求は必ず守ってください。
    5.食品や道具のお持ち込みはご遠慮頂いております。(貸出・販売有)
    6.故意にDropさせた方にはご退会頂きます。

    上記をご納得の上、受付にて会員登録(契約)をお願い致します。

    ----------------


    「初めましてカイトさん」

     その客が入ってきた瞬間、ぞわっとした悪寒が走った。

    「はじめ、まして」

     目隠し越しにも感じる、まるで腹の中を探られるかのような強いGlare。鳥肌が立つような、今すぐ逃げ出したくなるようなソレが、真っすぐにこちらに向けられている……紅子が引き入れてきた特別なお客様らしいが、これ、絶対変な客だろ。

    「ああ、よかった、大丈夫そうですね」
    「えっと」
    「僕、Glareの強さに困っていて、小泉さんにこのお店を紹介されたんですよ」
    「はぁ……」

     優し気な物言いとは裏腹に、刺すようなGlareは一向に収まる気配がない、まさか、これが通常状態なのか?

    「恥ずかしい話なんですけど、こういうお店初めてで……初めにセーフワードを決めるんですよね?」
    「はい、私の話し方にも要望があれば、出来る限り沿いますよ」
    「へぇ……なら、もう少し軽口というか、気楽な感じでお願いします」
    「わかった、よろしく。カイトって呼んでいいぜ」

     言われた通り軽く返すと、押し黙られてしまった、違ったか。それにしても、似ている、話し方のリズムがあいつに。声はもうちょっと高いと理想なんだけど。

    「セーフワードはウイングでいいですか?」
    「ウイングだな、えーと、話し方はこんな感じでいい?」
    「ええ、その方が落ち着きます」
    「そりゃよかった」

     にっと笑ってお客様をテーブルへと誘導する、今回は40分のコースだ。お茶と、会話、あとちょっとしたコマンドを使ったプレイの予定。
     手探りで紅茶を淹れてやり、どうぞと差し出せば、礼と共に飲んだ気配がする。そうじゃない、そうじゃねーんだ初見さん。

    「美味しいですね、本当に目隠しなんです?」
    「ちゃんと粘土も入れてるから、視界は0だぜ。それよりさ……リワードは?」
    「あ、ありがとう、いい子だな」
    「どーいたしまして」

     かなり雑だがGlareがいい仕事をしている。この沸き立つような高揚感、やっぱりGlareが強いDomはいいよなぁ。

    「そうだ、受付で購入したんですが、こちらもどうですか」

     ガサガサと何かを取り出すと、バリバリと梱包を破る音がする。なかなかに乱雑なお客様だ。

    「えっと、カイト、Kneel」
    「はい」

     少し遠慮がちに発せられた『座れ』のコマンドに、お客様の足元にぺたりと座り込む。

    「わ……っ、いい子だ、カイト」

     くしゃくしゃと頭を撫でた後、口を開けるように促される。言われるがままに口をぱかりと開けば、舌の上にチョコレートが乗せられた。

    「リワードにオススメだと言われたんですが、どうです?」
    「ん、すっごく美味しい」

     とろける様な舌ざわり、これもしかしてこの店で一番高い給餌用のチョコなんじゃねーの? さすが紅子推薦の客……一体どこの金持ちなんだか。それにしても美味い、コマンドを使って揺らぐGlareと相まってとろけそうだ。

    「ね、お客さんは、呼び方どうする?」
    「呼び方ですか」
    「そ、好きな呼ばれ方」
    「……カイトは、普段どう呼ぶように言われることが多いんです?」

     おっと、そうきたか、うーん、そうだな。

    「ご主人様とか、旦那様とか、一番多いのはおじさん呼び」
    「お、おじさん……」
    「結構人気だぜ、おじさんって呼んでやろーか」
    「いや、まだおじさんはちょっと……」

     明らかにたじろいだ気配に少し笑って「ならお兄さんにしよう」と声を掛ければ、同意が得られた。まったくもー、若いのにこんな店来ちゃってぇ……オレも人の事いえねーけど。

    「お兄さん、Glare強いね」
    「これでも抑えてるつもりなんですけど、そんなに?」
    「なんかもー、体の中をぐりぐり刺されてる感じ、耐性の低い奴はドロップしそう」
    「……正直かなり困ってるんだ、これ以上抑制剤は出せないって主治医に言われてて、すぐにでもパートナーを見つけないと命の保証はしないって脅されてるんですよ」
    「うへぇ、そんな酷いなら、尚更パートナーを見つけないとな」

     明るく言うと、辛そうに苦笑されてしまった。簡単に見つかるなら苦労しないよな。見合いを通り越して、店に来てしまうくらいの難物のようだ。

    「そうだ、ちょっと手を見せて貰ってもいいですか?」

     金持ちそうだし、家柄やら世間体やら色々面倒な事が多いのかもしれない。なるほど、それで欲求の発散にここに来たわけか、これだけGlareが強いと被虐性が低いSubはドロップしちまいそうだし。というか、他の店でさせてないだろうなコイツ。

    「綺麗な手ですね」
    「それはどうも」
    「よく手入れされている、爪も綺麗に整えられてて……」

     先ほど包み紙をびりびりにした人物とは思えないくらい慎重な手つきでオレの手を撫でていく。指先を伝うように撫でられて尻がムズムズする、急にどうしたんだろう、手フェチなんだろうか。

    「あ、あの、お兄さん?」
    「ああ、すみません、職業病みたいなもので」

     パッとオレの手を開放すると同時に、ぶわりと、Glareが強まった気がする。うそだろ、まだ出力上げられるのかよ。

    「ここでこんなことを言うのは良くないんでしょうけど、僕、本当は好きな人が居るんです」
    「好きな人……」
    「その人も手が綺麗でね、良かったら、もう少し付き合って貰っても」
    「いいですよ」

     もはやコマンド関係なしに、従いざるを得ない程のGlareを放っている。変に抗うとドロップしそうだ――その事に本人は気が付いているのだろうか。

    「延長ですね、オレから、連絡を入れます」
    「……いい子だね、カイトは」

     Subからの反応が心地いいのだろう、優しく確かめる様にオレの頬に触れ、楽しそうに笑った。

    「この後予定があるから……1時間が限度かな、カイトはどんなプレイが好きですか?」
    「オレは、縛られるのが、一番気持ち良かった」
    「縛られる?」
    「そう、縄で、縛られて、吊るされたのが」
    「……そうか、受付と相談してみる、いい子で待ってろよ」
    「わかった、先に、内線入れとく」


     お客を見送り、ぼんやりとベッドに寝転んでお客さんを待つ、重たい空気から解放されて、大した事もしていないのに妙に気だるい。延長は早まったか?
     でもなぁ、相性は悪くなさそうだし、このままだとドロップするか、Subへの無差別テロになりかね無いから、仕方ないか……くそぅ、紅子め。
     この待ち時間も延長に含まれているから、経験上、起き上れなくなるような目には合わないはずだ。

    「待たせたね」

     その声に起き上がろうとすると、丁度いいからと制された。ガサガサと袋から何かを取り出し、ベッドが二人分の体重を受けて更に沈む。

    「これなら僕も使い慣れてるから、丁度いいかなと思って」
    「慣れてる?」
    「そう、ちょっとね」

     少しオレの体を動かすと、長く平べったい物を3本、腕と体に巻き付けられる。これはなんだろう、シートベルト?
     不審に思っていると、ころりとうつ伏せにされて、パチリ、パチリと音がした。まるでハムのようだ。

    「う、これ、なに」
    「ベルトです、大丈夫、留め具はプラスチックですから頑張れば外せますよ。頑張れば、ね」

     それなら安心……安心なのか? 頭を撫でる手がとても優しい、反対に腹の中を漁られるようなGlareは強くなっていっている。苦しい、でも、頭がふわふわする。

    「どうです、物足りないかな?」
    「……お兄さんは?」

     プレイで大事な事はお互いの望みが一致していることだ。甘やかしたいタイプのDomだったら、かえってストレスになる、それだとオレも楽しめない。

    「Subにこうしたのは、初めてだけど、結構いいな。なんか、ゾクゾクする」
    「そっか」

     良かった、意外と楽しめてるみたいだ。客の手が、耳の形を確かめる様に指先が伝ってこそばゆい。

    「そうか、オレは、捕まえておきたかったんだな」
    「お兄さん?」

     ぐっとのしかかられて息が苦しい「これで逃げられねーな」と楽し気に告げられて、いっそう体のいう事が効かない。妙な焦燥感が湧き上がってきた、逃げたい、苦しい、だけど、気持ちがいい。

    「……カイトは、どうしてパートナーを探さないんですか?」
    「探して、るよ?」
    「そうは見えないな」

     パチリ、太もものあたりにもベルトが巻かれた。

    「何か、厄介な理由があるんだろ?」
    「う、なに……?」

     思考がGlareに塗りつぶされていく、捕らえた獲物をいたぶる様な残虐性に気が付いた時には、すっかりマウントを取られていた。お茶を飲んでいた時には全く感じなかった支配欲に、頭の中で警鐘が鳴り出す。こいつヤバイかも。

    「その目隠しに関係がある、そうだろ?」

     そういってオレの目隠しを撫でてくる、嫌だ、止めて、さわらないで。身を捩ればギシギシとナイロン製のベルトが軋む。

    「う、ぇ、やぁ……あっ」
    「受付の人に聞いたぜ、何人ものパートナーの誘い、断っているって」
    「ぁ、だって、やだ……」

     優しく頭を撫でると、幼子に言い聞かせるように「何か嫌なんだ?」と聞いてくる。答えてしまいたい、でも、残った理性が首を横に振った。

    「なぁ、カイト、もしかしてお前も」
    「ひ、ぁう、言いたく、ないっ」

     反抗をしたことでこの酷いGlareがどう俺に牙を剥くのかと様子を伺うが、男は想定内とでもいうように変化が無い、むしろ、楽しそうだ。

    「そうだな、悪かった。ちゃんと言えるなんていい子だ」

     のしかかったままオレの首筋に鼻先を埋めると、シーツを掴んでいたオレの手を軽く握ってくる。

    「苦しいか?」
    「ぁ、はぁっ、くるし」
    「悪ぃな、なんかすげー楽しくてさ……」

     くつくつと喉の奥で笑うと、ペロリと首筋を舐め上げられて変な声が出た。まるで獲物を味見する捕食者のようだ。

    「なぁ、縄のお客とはどんな事をしたんだ?」
    「な、縄?」
    「そう、お前を縛って吊るしたお客」

     妙な事を聞かれた。独占欲の強いDomは、他の客とのことをあまり聞きたがらないのだけれども。不審に思いつつもマッサージをされた事、縛られた時のことをぽつりぽつりと説明していく。話を進める度に優しく髪をすかれて気持ちがいい。

    「それで、キスしたのか?」
    「し、した」
    「ふぅん」

     頭に置かれていた手がムニムニと唇の弾力を確かめる様に弄る。その様子がなんだかいじけて居る様に思えて微笑ましい、なんて思っていたら指を押し込まれて歯列をなぞられた。

    「……そいつを舐めてやったりしたんだろ?」
    「んぅ……?」
    「カイト、Lick」

     コマンドを受け、口を開いて男の指を口内に迎え入れる。かさついた指と、整えられた爪を舐めていけば、どんどんと押し込められていく。

    「ふっ、ん……えぅ!」

     その指が器用にオレの舌を摘まみ、ぐに、と弄ばれて息が苦しい。閉じられない口元からはだらだらと涎がこぼれて、シーツに染み込んでいく。そうやって口にばかり集中していると、局部を服の上から揉まれてビクリと体が跳ねた。

    「勃ってるな」
    「っ、ふぅ、んぇ」
    「舐めて勃ったのか? それとも、思い出して?」

     酷い言い分に否定を込めて軽く指に歯を立てると、上顎を軽く擦られる。

    「んんぅ、ふっ」
    「ふは、硬くなってきたな」

     もどかしい刺激に腰を揺らすと、先ほどよりも力を込めて揉まれて、僅かに顎が上がる。オレが身悶えるのが楽しいのだろう「かーわいい」だなんて耳に吹き込みながら、指を引き抜かれた。
     本当に、酷いGlareだ、ギリギリ保っていた思考が溶け落ちていく。なんて、幸せなまどろみなんだろう。

    「あっ、ふ、はぁ」
    「カイト……?」

     不思議そうに聞いたお兄さんが俺の体を横向きに変えて向かい合う、目隠しをして何も見えないはずなのに、アイツがまるで愛おしいものを見るかのような瞳を向けている様に感じた。
     湿った指がオレの頬を撫でていく、まるで恋人同士のような睦事なのに、まだ、巻かれたままのベルト達がそうではないことを主張してくる。

    「あっ、おに、さ、お兄さっ」
    「どうした?」
    「外して、腕、うで」
    「ああ、いいぜ」

     背中に回された腕が、留め具を一つ一つ外していく、はやく、はやくと焦燥感が腹の底から溢れてくる。パチリと3つ目の留め具がほどけた瞬間、自由になった腕で必死にしがみ付く、だってそうでもしないと、また消えてしまう。またいなくなってしまう。
     いい匂いのするスーツに顔を埋めると、オレ以上の力で抱きしめられて何かが頭の中ではじけた様な気がした。世界が甘く沈んでいく。

    「ぁ、はぁっ……」
    「    」

     酷く懐かしい音が響いた。



    ◆◆◆◆◆


     目を開くと真っ暗だ、清潔なシーツと自分とは違う体温と匂いに包まれていてドキリとする。意識を飛ばすようなこと、今まで無かったのに。

    「すみません、無理をさせてしまったみたいで」
    「いや、大丈夫……」

     起きたことに気が付いたんだろう、心配の声が降ってくる。むしろ、不甲斐ないのは自分の方だ、こんなにも自分の性に飲み込まれたことなんて無かったのに。って、そうだ、今何時だ!?

    「あの、時間は」
    「30分くらいオーバーかな、大丈夫、受付には伝えてありますから」
    「そうじゃなくて、予定!」

     慌てて身を起こすとお客さんに向き直る、1時間が限度だって言ってたのに、とんだ失態だ。

    「アフターケアも出来ないようなDomは滅んだ方が良いって言うじゃないですか」
    「いや、でも、起こして良かったんだぜ?」
    「僕が寝かせておきたかったんです、また、指名したいですし」

     先ほどまでの鋭いGlareはなりを潜めていて、とても安定しているように感じる、少し残念だ。

    「凄く体調が良いんです、やっぱり薬はダメですね、これでしばらくは大丈夫そうだ」
    「そりゃよかった、オレも、すごく気持ち良かったし?」

     すっかりベルトは外されて、多分、汚していたであろう服も着替えさせられている。念のために傷を隠しておいてよかった。後片付けまでさせたのは初めてだ。
     なんだか気恥ずかしくて意味もなくあたりの気配を探っていると、髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜられた。

    「うぁ、ちょっと!」
    「ふはは、すげーボサボサ!」

     突然の嫌がらせに口元をへの字に曲げると、やわらかな何かが軽く掠めた。

    「じゃ、またよろしくな」

     キザなその仕草に唖然としていると、お客さんは扉の向こうに消えていった。
    ぐるりとベッドに倒れ込んで、先ほどの幸福を思い返す。幻覚の中、何もかも溶けだす、最高の感覚。

    「これがスペースかぁ……」

     目隠しを外すと、酷く眩しい。うん、これでいいかのかもしれない、本当に欲しいものは眩しすぎる。



    ----------------
    ◆業務報告
    プレイ内容:40分から延長で1時間……とオマケで30分
    簡単なコマンド。質疑応答。給餌。
    追加で拘束。詰問。

    感想:前回がハードだったから緩いのを期待してたのに、更なる耐久性を求められたんだけど?
    とにかくGlareが強すぎて困ってるお兄さんで、こういうお店は初めてらしい。
    まぁ、オレは楽しかったよ。でもほんとエグイGlareだから、他のやつだとドロップすると思うぜ。

     :受付より一言。
      できればまた指名したいとの事ですがいいですか?

     :返信
      目隠しで耐性が強いの、オレしかいないだろ。いいぜ。

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