リンボマンと行く!~火刑の魔女の呪い村~――三万五千円あったら、何をするか。
もやしと鶏むね肉生活にも飽きてきたし、久々に牛のお肉が食べたいなぁ。ステーキなんて贅沢は言わない、ちょっと気が大きくなってつい使いすぎるのが悪い癖なんだから。
「……今夜はとりあえず、妥協に妥協を重ねて、グラム百二十八円の合挽肉でハンバーグかな。いつもなら九十八円にならないと買わないんだけど!」
ウキウキしながら買い物に出るべく、玄関の扉を開け――ばいんと固いような柔らかいような何かにぶつかって跳ね返った。べしゃっと上がり框の上に尻餅をつく。
「立香ァ!! 収入があったのならまず三か月滞納している家賃の支払いでありましょうや!!!」
突如頭上から響き渡る大音声。木造築五十年を超えるオンボロアパート全体がビリビリと震える。
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