ジュル、と水音。
眼下の肢体から、声にならない悲鳴が上がる。
甘い。熱く、爛れた果実の甘さが舌に乗る。
思わず感嘆の息を吐けば、下にある身体が逃れようといよいよ暴れ始めた。
ああけれど。それは細い四肢だ。抑え込むなど、容易い。
手で足で抑えつけて、地面に縫い留めて、腰に下げた小さな鞄を探る。
目当てのものはすぐに手に触れた。
小さな丸薬。
それを、2、3粒。取り出して口に含む。ガリリと噛み砕けば、粒が粗い粉になる。
抑えつけられた痛みに呻いていた相手の、口布を剥ぐ。
顎を手で掴み、戦慄いている唇に噛みつき、鳥獣の親が子にするように口内のものを口移す。
序でにぐちゃぐちゃと舌で相手の口内をまさぐれば、細い身体がふるりとふるえ、切なげな声が小さく漏れ聞こえた。
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