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    2g_umaaai

    @2g_umaaai
    ネタバレとか表に投げるにはちょいあれなものを。

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    2g_umaaai

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    尻叩き書きかけ。序盤も序盤。
    何番煎じか分からないルがストーカー被害に合うタイプの話です。悲壮感は一切ない明るい話。

    アルバムが埋まってしまうほどの、いつ撮られたか覚えがないという写真。
    消印が押されていない、直接ポストインされた熱烈な手紙。
    極め付けは、誕生日に届いた白金とダイヤモンドが光り輝くシンプルな指輪。
    「これ本物のプラチナか?」
    「そこじゃねえだろ気にするのはよ」
    ここまであからさまなストーキングの証拠品を並べた上で、このドギーは「だよなあ」と笑って見せた。

    「最初はディスカードの残党が写真を送り付けてるのかと思ったんだ。目的が僕の監視ならこんなことはしないから、僕自身が目的じゃなくて僕からみんなへの連絡手段や拠点先を入手するためにこういった手段を選んだのかと思って」
    「それがストーカー被害に遭ってたことを今まで話さなかった言い訳か」
    「……平たく言うなら、そう」
    腹の底からため息が出た。こいつはどうして、他人の被害にはすぐ気がつき対処できるのに、自分の被害に対してこうも鈍いのか。
    オレの反応に若干顔を青くしたルークは、言い訳を再開すべく慌てた手付きで何枚かの写真を掴みこちらに見せてきた。
    「途中から送られてくる写真の共通点に気付いたんだ。写真はいつも同じ時間帯のもので、僕の出勤時間に撮られてる。場所も同じで、家を出てすぐにある交差点の辺りが犯行現場だ」
    差し出された写真を手に取り見比べる。撮影地点に違いはあるが、確かに写真は全て同じ交差点が写っていて、被写体のルークは正面から顔が写っているものや後ろ姿のみなど様々だ。盗撮ががバレないための手段なのか、単に下手くそなのかはこれだけではわからない。が。
    「出勤してんのにやたらくたびれた顔してる写真があるのはなんでだ」
    「退勤の姿もあるからね。それは三徹してボロボロの僕」
    よく撮れてるよな、と感心してるが、それはお前の盗撮だと本当に理解しているのだろうか。ジッと責めるような目線を送れば、ちゃんとその意図を理解したらしい。こほん、と分かりやすい咳払いをして再び言い訳が再開された。
    「更に写真を調べると、特定の曜日にしか写真が撮られてなかったんだ。犯人が組織立った人間なら特定の曜日にしか写真を撮らないなんて不自然だろ?だから試しに通勤経路を変えてみたんだ。すると写真は送られて来なくなった。ディスカードの残党なら、道を変えたくらいじゃ僕を見失ったりしない」
    「つまり犯人はその曜日にしかこの撮影地点に来れない個人で、ディスカード絡みでない可能性が高いってか」
    「そういうこと」
    どうた、と言わんばかりの表情に、またため息が出た。だから、お前は本当に被害者の自覚があるのか?
    こいつはなんというか、他者への気配りや物事への察しの良さは生業らしく人並み以上にあるくせに、自身に向けられた感情、行動にはどうも鈍い。詐欺師のあの母親面すら大した抵抗もなく僅かなの疑問符で済ませてしまうようなある種の無関心さは、他者の気持ちに興味がないのではなく、むしろ尊重しているからこその明確な切り離しなんだろう。こいつは人の考えに自分のそれを混ぜて一緒くたにはしないのだ。
    だとしても、今回の鈍さは許容できない。
    「で?」
    「……その後、写真が届かなくなってから一週間ほどして、今度は手紙が届きました」
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    recommended works

    きたはら/しま

    DONEはみ通をよんで我慢できなくて書いた
    部屋ではなく屋上で寝ているアーロンと、なにかものを買ってあげたいルークの話
    アーロンにとって、世の中には嫌いなものばかりだ。餓え、争い、怪我、略奪、銃撃、腐ったパン、泥水。

    いつだったか。「アーロンはどうしていつもそんなに怒っているんだ?」と聞かれたことがある。決まっている、アーロンの世界には許せないことばかり目に入ってきたからだ。怒らなければ、立ち上がらなければとっくの昔に死んでいただろう。

    いつだったか。潜入した国で情報をあさるために図書館で情報収集していたとき。迷子になった子供になぜか懐かれて、絵本を読んでやったことがある。古ぼけた図書館の、これまた古ぼけた木枠ががたついている窓ガラスは、表面があめ玉みたいに波打っていた。そこから入り込む午後の光は揺らめいていて、机にぼんやりとした影を落とす。それがあんまりにも砂漠の日差しと違いすぎて、アーロンの気が迷ったのだ。その子供が、死んでしまった仲間と同じ髪の色をしていたのもいけない。
    アーロンはそのとき読んだ話も大嫌いになった。三兄弟がそれぞれ家を建て、狼が襲いに来るというおとぎ話。わらの家と木の家は吹き飛び、煉瓦の家だけが安全だったという、くだらない夢物語。

    コンクリートとガラスで出来ていた砂漠の家は、 2522

    NEIA_AINE

    DONE #アロルク版深夜の創作60分一本勝負
    【アロルク】28分遅刻しました!すみませんでして!借りたお題は「お酒」の方で、単にアルコール代わりにお酒を吹くアーロンが書きたかっただけ。なお医療行為としては効果はあるけど、正しくはない、みたいな感じらしいし、私自身は医者じゃないので、あくまでファンタジー的に読んでください。あと運営様、お疲れ様でした!最後までよろしくお願いします!
     失敗した。その一言に尽きる。
     「クソッタレ!おいルーク、大丈夫か!」
     「だ、大丈夫だ」
     あまりの激痛に顔が引き攣る。この状態では銃を握ることすらできない。どう考えても戦力外状態だ。痛みが思考の邪魔をする。ただ僕が負傷した現状が、非常にマズイことだけは明白だった。

     時は数日前に遡る。
     「「Discardに関する資料が持ち去られたぁ!?」」
     僕と相棒のアーロンはナデシコさんの一声でミカグラ島の警察本部、警視総監室にいた。
     「正確に言うと、ハスマリー研究の資料が持ち去られた、だ」
     ナデシコさんはいつもの落ち着いた雰囲気からガラリと表情を変え、かなりピリついた態度だった。それだけにこの話の緊急性がうかがえる。
     「今我々が組織の抜本的な改革をしていることは君たちも知っての通りだが、その過程で出てきた資料はすべて紙ベースにした上で資料課が管理をしている。しかし、そこの新人がうっかり鍵を閉め忘れたらしくな。何者かの侵入を許した上に、最重要機密扱いの資料たちを盗んだようなのだ」
     眉間に手を当て、困り果てた顔のナデシコさん。かの研究の悲しくも恐ろしい部分の一端を垣間見てきた彼女だ 3134