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    うちよそ創作BL

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    のくたの諸々倉庫

    DONE「俺たちだけのかみさま」/転生話。死ネタなど含みます(+時事ネタ)

    後で色々修正して支部に上げるやもしれません。何でも許せる方のみどうぞ。
    その男はただ、岩のように目を閉じていた。
    「……ねえ、お兄さん大丈夫? 生きてる、よね」
     その様子を見かねてか、声をかけたのは茶髪の青年だ。腕組みをして道端に1人、微動だにしなかった男の目がゆるり、と開かれる。
    「ああ、生きているぞ」
    「よかった、さすがに立ったまま死んでる……なんてことはないと思ったけどさ」
    「……ふむ、お前はひとつ、失くしものをしているな?」
    「へ……」
     言われて青年は、深海の瞳をひとつまたたく。どうして、とこぼれたその言葉が、続く理由で問いになるのを待つ間──男こと鍾離はふと、とあることを思いついた。
    「よく分かったね、お兄さん。俺この辺りについては詳しくないんだけどさ、どうしてかずっと……うん、それこそ生まれてからずっと、ここに大事なものを落としたような気がしてて」
    「そうか、ならば俺も……お前と一緒に探し物をしよう」
     言うなり鍾離の体から、ふわりと光が浮かんでは消え──青い瞳の青年が呆然と見守る中、それらが全て宙に消えてから、「それでは行くぞ」と背を向けた。
    「……お兄さん、今の何?」
    「鍾離だ。大したもの……ではあったが、俺が持っていると不公平になるも 9750

    のくたの諸々倉庫

    DONE転生学パロ鍾タル。なんでも許せる方向け。「タルタリヤ、少しいいか」
    「……なあに、先生」
     呼び止められて嫌々振り向く、素行の悪い生徒と生真面目な教師。おそらくそれが、俺たちが周囲から得ている認識だろう。
    「ていうかいつも言ってるけどさ、俺の名前はアヤックスだって。いつまで学園祭のノリ引きずってるわけ?」
    「む、いけなかっただろうか。ならば公子殿、と呼んだ方がいいか?」
    「だからそれは役の名前でしょ、俺の名前忘れたの?」
     窓の外から差し込む光は、とうに夕暮れの色に染まり。帰宅部の俺をいつも引き留め、いつも何かしらの理由で長話に付き合わせてくる彼──鍾離先生の姿を鮮やかに照らす。
    「……忘れたように、見えるか?」
    「な、んで悲しそうなのさ。ごめんごめん、地雷踏んだなら謝るって。
     ……だからその、俺今日は早く帰りたいなーとか……」
    「駄目だ。お前はテストで点を取るくせに、課題の提出状況も授業態度も悪すぎるからな……その分の補習だ、それが嫌なら真面目に授業を受けることだな」
     そうして首根っこを掴まれ、ずるずる引きずられていく俺を、「またやってるよ」と周りは笑いながら見ている。まったく、俺の気も知らないで。
     ──実のところ、 2455

    hiwanoura

    DONEパティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話。これにてこの騒動は終結。収まるところに収まりました。
    パティシエなタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話⑤の3「先生、朝のあれは聞かなかったことにして!」

    店のドアを潜り、振り返った深海色の目がパチリ、と瞬いた次の瞬間。聞こえた声に咄嗟に「は、」という酷く間抜けな返事しか返せなかった。
    仕事を終え。いつもよりほんの少し早足で辿り着いた店は、薄暗い冬の夜の中でぽっかりと暖かな光を灯していた。硝子窓越しに店内に客が居ないことを確認して。そっと、開き慣れた扉へ手をかける。

    「いらっしゃいませー」
    「あぁ、こんばんは公子殿」

    いつも通りに迎えてくれた彼に、思わず口元が笑みを描く。一日で二度会えた事がなんとなく嬉しくて。早く、返事をしなければと急く心を落ち着かせ、こつん、と板張りの床を革靴で進んだ。

    「先生」

    いつも通りの呼び声。しかし、それが何故か僅かに緊張を含んでいるのに気がつく。そういえば。出迎えと共にいつもは向けてくれる満面の笑みはなかったな、と。普段の様子とは明らかに違う彼に、何かあったかと、声をかけようとした、その瞬間。聞こえたのが『今朝のあれ、聞かなかったことにして』である。
    2313