驍宗と寝た。
文字通り、寝たのだ。同衾した。
軍に身を置いていて、一度も男同士のそういった話を聞いていないとは言わない。自分が一兵卒だった時にそういう話を聞いたことがあったから。遠い昔の話だが。上官が下官を、という話も、同僚同士で、という話も、どちらも聞いた。だが聞いただけだった。両者合意の上であれば否定はしなかったし、自分の立場が上になり、当事者である下官から聞いても合意であるなら問題とはしなかった。下官が上官に言うということは大抵が合意ではなかったから、そういった輩はしっかり粛清したけれど。そもそも阿選麾下、規律が整っていた。だから、他の隊よりそういった厄介ごとは少なかったように思う。それが今、まさか自分が当事者になるとは思ってもいなかった。お互い禁軍将軍という位で、だ。
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