どうかボクだけを…気に入らない。
そんな気持ちを抑えながら、向かい合わせに座っている○○を見た。
「でね、放浪者がね!~」
そんなボクの気持ちに気づいていないのか、楽しそうにアイツの話を続ける○○。ああ、本当に気に入らない。最近、いつもそうだ。いつもアイツの話を始める。ボクはそれが何故か忌々しくて堪らなかった。会話を終え一人自室に戻った後も、その忌々しさは消える事はなかった。
*
次の日。
ボクは任務の打ち合わせの為、○○を探していた。
しかし、部屋やラウンジを探したが、姿が見えない。
「どこいったんだ····アイツ」
軽く舌打ちをしバルコニーに向かうと、そこには探していた○○の姿があった。柱が邪魔で見えないが、誰かと話しているみたいだ。
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