貴方とマカロンと指輪今日はバレンタイン当日。
俺はソワソワしながらシンクの帰りを待っていた。今日は恋人同士が贈り物を贈り合ったり、愛の告白する日と聞いて居ても立っても居られなかった。
「シンク、喜んでくれるかな…?」
思わずマカロンが入った冷蔵庫の方を見る。アニスから教わって作成した物だ。マカロンには「あなたは特別な人」と言う意味があるらしい…。それをアニスから聞いた時は赤面してしまい、ニヤニヤされたが。思い出してしまい徐々に赤くなる顔を冷やそうとブンブンと顔を振ると、ガチャと玄関が開く音がした。
シンクだ。
そう思うだけで心が温かくなる。
「おかえり。」
帰宅したシンクに声を掛けると、ふんわりと微笑みながら「ただいま。」と言う姿に更に胸が暖かくなる。
「いい香りがするね…。何か作った?」
「あ、あぁ…、お菓子作ったんだ…。その良かったら後で一緒に食べたい…。」
「いいよ。じゃあ着替えてくるね。」
ドキドキしながら言う俺の頭を軽く撫でてくれた。撫でられるの気持ちが良いし、好きだ。このままもっと撫でて欲しい。その気持ちが伝わったのか、シンクはしばらく俺の頭を撫で続けてくれた。少しずつ離れていく手が名残惜しい。顔に出ていたのかシンクはクスリと笑った。
「ねぇ、ルーク。これあげる。」
そう言って紙袋を差し出してきた。受け取り、中を見ると小さな箱が入っていた。
「ありがとう!中身はなんだ?」
「ヒミツ。後で開けなよ。じゃあ、また後で。」
そう言ってシンクは自室に向かって歩いて行った。
「シンク、何をくれたんだろう…?っ!!?」
中身を見た俺は慌てて部屋を飛び出した.
ボクを呼ぶ声が聞こえるまで、
あと少し。
アンタから「アイ」という気持ちを教えて貰った。
お前から「幸せ」という気持ちを教えて貰ったんだ。
どうかこのまま、この時間が続きますように。
(貴方を愛してます)