Recent Search

    pppu___ra

    @pppu___ra
    書きかけ投げるマン

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 13

    pppu___ra

    MOURNING零薫/くるしくして
    以前ツイートしたSS
    備忘録
    小さな電子音に呼ばれ、薫が目を覚ますと隣の零の姿は既になかった。時間を確認すると既に昼近くでそろそろ支度しなければ撮影に遅刻しそうな時刻である。
     睡眠時間はしっかりと取れたはずなのにやけに重たい身体を引きずって鏡の前に立つと冷たい水で顔を洗う。ほんの少しだけクリアになった頭でのそのそと冷蔵庫を覗くが、特に腹に入れたいという感情が湧かない。
    「うーーん……」
     なんとなく目についたトマトジュースを折角だから手に取る。普通においしい。トマトジュースを飲んだら満足したのでさっさと支度をした。今日は雑誌の撮影だけだからそんなに時間もかからずに帰宅できるだろう。零も夜は遅くないはずだからなにかおいしいものを作ろうか、と既に夕食のことで頭がいっぱいである。
     着替えを終えて鏡の前に立つと、いつもよりうねる髪のセッティングに戸惑いながら無駄に整っている鏡の自分を見つめる。昨日ぶつけた額は幸いにもたんこぶなどにはなっていないようで一安心した。
    「おはよう」
     鏡のなかの自分が少し気取った表情で妙に低い声で挨拶した。どんな感じだっけ、と思いながら出来心でやってみたがあまりにもキメ顔で朝の挨拶をしてくる 2355