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    3sodango

    @3sodango

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    3sodango

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    カオpa2にて展示予定だった現パロクリスマス作品です
    オーエンの体調不良描写あります
    あと双子がでかい
    全裸シーンありますが(風呂)エロ描写ないです
    途中までです🙏

    ##カイオエ

    ケーキが食べたい(仮)「ッ、ぁ、ぷしゅ、」
    「なになに今のくしゃみ、オーエンちゃん?」
    「随分かわいいくしゃみだったけど、大丈夫?」
     堪え切れず漏れた控えめなくしゃみに、目ざとく反応した双子の声が降ってくる。茶化したような二人の声に、すん、と鼻をすすり乍ら顔を上げたオーエンはじとりとした目を向けた。
    「……なに」
     文句でもあるのかと睨み付けるオーエンに、スノウとホワイトは顔を見合わせぱちぱちと目を瞬かせる。最近寒かったもんねー。オーエンちゃん、働き詰めだったしねー。などとブツブツ二人で話し合っているのを尻目に、壁に掛けられた時計を確認すると長い針は10を指していた。
     視線を戻すと、双子が何やらこそこそとしている様子が伺える。図体がでかい上いい年のくせにわざとらしく幼い仕草をする二人に、よくやるもんだと鼻を鳴らしてパソコンに向き直ったのだが――先ほどまでメールやら作成中の文書やらが映し出されていたはずの黒塗りの画面が目に入り、オーエンは瞠目した。
    「……、は?」
     突然のことに呆然としていれば、肩にそっと手を添えられそちらを見やる。ぱっと見上げた先にスノウの笑顔が目に入り、オーエンの眉間にしわが寄った。
    「オーエンちゃん、明日は半休だったよね」
     もう片一方の肩にも、そっとぬくもりが添えられる。そちらを見やれば、やはり笑顔のホワイトが立っていた。
    「明後日はお休みだったよね、オーエンちゃん」
     この男たちは、自身らの長身による圧を理解している。故にこのような脅しともとれるような行動も容易に行って見せるのだが、オーエンからしてみればなぜ今それを問われているのかが理解できず、ただ威圧され困惑するのみであった。
    「クリスマスは恋人と過ごすって言ってたもんね」
    「だからここ数日もすごーく頑張ってたもんね」
    「っ、な、そん、、はぁ!?」
     二人うんうんと頷きながらそんなことを言うものだから、驚いて言葉が出ずにぱくぱくと口を開閉させる。確かに、オーエンは明日明後日のクリスマスを年下の恋人――カインと過ごそうと予定立ててはいたのだが。それをこの上司である双子に漏らした記憶は一度だってなかった。筈である。
     様子を探るように育ての親でもあるスノウとホワイトを見れば、何でもお見通しとでも言うような顔で見つめ返してくるものだから余計に混乱してしまう。頭がうまく働いていない、という自覚はあった。
    「オーエン、そなた拗らせると長引くじゃろう?今日はもう帰ったらどうじゃ?」
    「うんうん、また休み明けにまた頑張ってくれればよいぞ」
     何のこと、そう言おうと口を開いたところで、勢いよく開いた扉から覗いた赤毛にオーエンは動きを止めた。少し焦ったような凛々しい顔立ちが、オーエンを見つけるとぱっと華やぐ。
    「オーエン!」
     そんなに大きな声で呼ばなくとも聞こえると言うのに、無駄に元気な声がオフィスに響いた。流石に大きく手を振りながら、という訳ではなかったが、満面の笑みを浮かべながら足早にオーエンの席まで歩いてくる。そのまま双子の方へ視線を滑らせれば、こちらもまた何やらにこにこと微笑ましげな顔でオーエンとカインのことを見ている様だった。
    「……なんで、」
     驚きに開閉していた口から、何とか疑問の言葉を絞り出す。オーエンの記憶に間違いがなければ、カインに職場を教えたことはないはずである。
    「ん?あぁ、お二人に『オーエンを迎えに来てくれ』って連絡いただいて。迎えに来たんだ」
     オーエンの疑問を汲み取ったカインが、なんでもない様に言った。いつの間にそんな連絡をしたんだ、だとかどうして連絡先を知っているのか、だとか言いたいことが浮かんでは消える。いつものように、すらすらと言葉が出てこない。
    「それだけだったから急いできたんだが、倒れたりしてなくて良かったよ」
     オーエンが口を開くより先に、カインが心底安心した様な顔をして指先で頬をかいた。未だぐるぐると思考が回っているオーエンを置いて、カインと双子の会話は進んで行く。
    「それじゃあ、オーエンを頼むぞ」
    「ちょっと大変かもだけど、よろしくね!」
    「ああ、任せてくれ」
     そんな会話も碌に頭に入って来ず、言葉が出て来ることもなく。オーエンは諦めて小さく息を吐いた。
    「オーエン?」
     名を呼ばれて顔を上げれば、思っていたより近くにカインの顔があり瞠目する。どうやら何度か呼ばれていたらしい。
    「帰ろう。車まで歩けるか?」
     そう言って差し伸べられた手に双子の前だからと躊躇していると、何を勘違いしたのか腕を引かれそのまま流れるように膝裏を掬われた。突然のことに驚いてその身体にしがみ付けば、双子の黄色い歓声が聞こえてくる。
    「きゃ~!カインちゃん力持ち~」
    「お姫様抱っこなんてやるぅ~」
     不快なそれらに言い返す前に、明るく笑って返したカインに抱えられたまま扉を抜ける。呆然としているうちに見送られ、気が付いた時には後部座席に放り込まれていた。
    「寝るのは構わないが、シートベルトはしてくれよ」
     そう言いながら鞄を手渡され、素直に従えば優しく笑ったカインの指が頬をくすぐってくる。それでもいつもの嫌味が飛び出してくることはなく、早く帰ろうとカインは急ぎ足で運転席へ回った。

    「オーエン」
     名を呼ばれて、意識が浮上する。重い瞼を押し上げれば少し眉を下げたカインの顔が目に入って、小さく息を溢した。
    「ごめんな、起こして。家に入ろう」
     前髪を掻き分けて額に触れたカインの手のひらは、なんだかいつもより生ぬるくて、不快感に眉を寄せる。元来オーエンの平熱は低めで、カインに触れると熱く感じるくらいなのだ。車外から吹き込んだ冷たい空気に小さく体を震わせれば、いつの間に用意したのかブランケットに包まれあっというまに室内へと運び込まれていた。
    「待って、おふろ」
     仕事終わりのまま寝台に寝転がりたくはないと、オーエンの靴を脱がし寝室に直行しようとするカインに静止をかける。
    「気持ちは分かるが、あんまりよくないんじゃないか?」
     その場で足は止めたものの、肯定的ではない反応を返された。
    「下せよ」
    「でもお前、ふらふらしてるし危ないだろ」
    「このまま寝るのはいや」
    「身体なら拭いてやるから」
    「嫌に決まってるだろ」
     何を言おうと断固として風呂に入ると主張するオーエンを、どうにか宥めようと言葉を重ねる。しかし、遂にはイヤイヤ期の子供のように「いや」しか発しなくなったオーエンに、カインが折れるのも時間の問題であった。
    「頭は濡らすなよ」
     脱衣所でオーエンを下ろし、そう言い残して着替えを取りに向かったカインにふんと鼻を鳴らす。
     通勤、業務と一日外界に晒された髪を洗わないなんてありえないのに。無視してやろうと服を脱ぎ捨て浴室へ突入したところで、いつの間にやら戻ってきて素っ裸になったカインが追いかけてきた。
    「ちょっとくらい待ってくれよ、病人ひとりで風呂なんて入らせるわけにはいかないだろう」
    「は?」
     無論、オーエンの機嫌は急降下する。一緒に入ると浴槽は狭いうえ、がさつなカインにシャワーをかけられたりと散々なのだ。この様子では長風呂を阻止されることは明白であるし、そもそも湯船に浸かれるかどうかも怪しくなってくる。
    「こーら、髪は濡らすなって言っただろ?」
     浴室に入ってすぐに手に取ったシャワーヘッドを取り上げられ、舌を鳴らす。苦笑するカインが「身体は洗ってやるから」と、ボディソープを手に取った。
    「へんたい、さいあく」
     文句をたれながらもそれを受け入れていれば、特に不埒な動きをすることもなく丁寧に身体を洗われ、シャワーで泡を流され少し拍子抜けした気持ちになる。といっても病人に手を出すような男であれば、その時点で裸のまま外に追い出しているのだが。先に浸かっていてくれと促されるまま、湯船に身を沈める。温度のちょうどいいように調節されたお湯は心地好く、深い息が溢れた。
    「熱すぎたりしないか?」
     オーエンの時とは打って変わって、素早くも少々雑に全身を洗い終えたカインが髪を結い上げる。そのまま返答を待たずに浴槽内へ入ってくるものだから、「ちょっと」と不満の声を上げた。しかし当の本人はお構いなしで、オーエンを膝上にのせ抱え込む。カインが肩まで湯船に沈むと、その分上がった水位で浴槽からお湯があふれた。
    「ちょうどいいよ。きみにはぬるいだろうけどね」
     わざわざ自分に合わせてカインが温度調節していることは、さすがのオーエンも分かっている。それに対して感謝したり口に出すことはしないけれど、カインはいつも「そうか、ならよかった」と笑うのだ。
     てっきり今日もそんな反応が返ってくるのだと思っていたオーエンの予想に反して、カインが言葉を発することはなかった。
    「カイン?」
     オーエンを抱える腕に、ぐっと力が込められる。黙り込んだカインに何か不穏なものを感じて、様子を伺うように名を呼んだ。
    「……長風呂はよくないしな、上がろうか」
     そう言って、立ちあがろうとするカインによって水面が揺れ、更にお湯が溢れた。
     抗議しようにも、カインは軽々オーエンを抱え上げさっさと浴槽から出てしまう。驚いて呆然としているうちに体を拭かれ、厚手の寝巻きを着せられる。はっと気を取り戻した時にはもう、自身もしっかりと寝巻きを着込んだカインに再び運ばれていた。
    「オーエン」
     いつもより少し低い、落ち着かせた声で呼ばれ背筋に緊張が走る。カインがこんなふうに呼ぶのは大抵怒っている時で、その原因がオーエンである事もしばしば。
     今回も怒りの原因に思い至ることがひとつふたつみっつほど思い至らないわけでもなく、オーエンは目線を泳がせた。
    「最後にまともな食事とったのがいつか、覚えてるか?」
     頭に浮かんでいた3つのどれにも当てはまらない問いに、処理が追い付かず思考停止する。遅れてようやっと言われた内容を理解して記憶を辿るも、到底口に出せないような食事ばかりで口を噤んだ。
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    「なになに今のくしゃみ、オーエンちゃん?」
    「随分かわいいくしゃみだったけど、大丈夫?」
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    「……なに」
     文句でもあるのかと睨み付けるオーエンに、スノウとホワイトは顔を見合わせぱちぱちと目を瞬かせる。最近寒かったもんねー。オーエンちゃん、働き詰めだったしねー。などとブツブツ二人で話し合っているのを尻目に、壁に掛けられた時計を確認すると長い針は10を指していた。
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