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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編44

    フォーチュンドール6章5話あれから3日経った。幸と将信と雫は今日も鍛錬している。そろそろ雫も武器の扱いきなれてきたころだ。しかし、以前の冬希からの不意打ちにより将信は毒を体に盛られてしまったようで、体の回復にかなり時間を要しているようだ。つまり今は人形の状態で活動している。そして、ここ3日の鍛錬には付き添いで澪と夜もいた。さすがに毎日会うことはなくても雫を狙って悪魔が来たらと思うと澪は気が気じゃなかった。夜もまた悪魔が来た時に朝の情報を手に入れるために行動を共にしている。ここにはいないが夏希も姉の情報を裏で探しているようだ。外で鍛錬をしていると幸が一つ提案する。

    「ここ最近、そちらの二人がいることですし、近接戦闘の相手での練習はいかがでしょうか?」
    「やってもいいが、兄弟は並大抵の魔法はほとんど効かないらしい。」
    「まじか…どんな魔法耐性なんですか…」
    「体質だな、昔からこうだった。」
    「その体質は、もしかしてお姉さんにも同じものがあるのですか?」

    幸のその言葉に澪はハッとした。夜と同じ体質でかつ、それが悪魔になったことにより強化されているとすれば、相手が魔女とはいえ、魔法ほとんど朝には通用しないのではないかと。そうなるとやはり自分が雫を守らなければいけないと思う澪は、鍛錬に付き合うことにした。そんな鍛錬の途中、何かが襲い掛かってきた。金属でできた手のような何か、それは鎖で繋がれており、その先に浮いた魂と周りはマントで覆われており、ペストマスクのついたその存在。これも悪魔なのだったら、元人間なら弱点があるかもしれないと澪はすぐに鏡を取り出した。そしてその両手が伸びてくる。澪はその手を躱すが、その狙いは雫と幸であった。捕らえられた二人は、何とか魔法で脱出し、雫は澪に、幸は人形達に受け止められた。

    「なぁ、あいつも元人間らしいんだが…赤馬くぅん知り合い?」
    「はぁ?」

    澪は戦いながらも見た過去に幸と将信の姿があったらしく、幸と将信に心当たりがないか聞いていた。その特徴には体が半身サイボーグになっているというのだ。幸は驚愕した。そして、幸はとっさに前に出た。

    「ここは私が相手します。」

    幸がそういうと、悪魔の周りに禍々しい靄がかかり、全員を埋め尽くす。そして5人の視界は暗転し、気が付けば謎の場所にいた。雫の周りには人形達がいたがそれ以外に何もない土に覆われた建物の中にいた。雫は人形達を持ちながら幸を探した。将信は周りに誰もいず、これが幻覚とフィールド魔法を合わせた魔法であることに気付き、魔法の隙を探し始めた。澪と夜は共もいたが周辺には建物がなく更地、強いて言うなら向こうに朽ち果てた感じのいうなればコロッセオのような建物があった。澪と夜はその建物に向かおうとするが、地面から現れた巨大な餓者髑髏。邪魔だなぁと思いながら澪と夜はその餓者髑髏を退治するのだった。


    ああ…思い出したくもないが、人生で最もしがみついていた過去だ…
    これのために生きていたのだろう…そして、これは悪魔に魂を売り、全てを失う前の走馬灯なのだろうな。
    思えば、あいつのことは最初から嫌いだった。

    それは、私が小学生の頃だった、小学生の手芸コンクールに親友の女の子と二人で見に来ていたのだった。その子は目を輝かせて色んな作品に感想を言っていたが、私はそれとは違い、参加していた姉の作品を見に来ていたのだった。親友は姉の作品も絶賛していた。私も姉の作品が好きだったが、姉の作品は惜しくも銀賞。金賞に輝いたのは私と同い年のあいつだった。当時はあいつのことは気に入らなかったがそれ以上の意識はしていなかった。

    しかし、その翌日だ…姉は部屋に引きこもるようになった。悔しさのあまり、作品つくりに没頭しているだろうと最初は思っていたが、その日以来、姉の姿を見ていない…。
    部屋の扉越しに話しかけても、拒まれる日々が続き、次第に声もかけなくなっていた。

    それから数年が立ち、私は高校生になった。親友とも同じ学校であったが、最初に話しかけていたのはあの時のあいつだった。

    「やぁ、藤宮さんの弟さんだね、初めまして、僕は尼波樹。お姉さんは元気にしてますか?」

    あぁ、そういうところ、大っ嫌いだ。

    その後も仲良しのつもりなのかあいつは何度も話しかけてくることはあった。しかし、私はそれに対してはあまり反応を示さなかった。

    そんなある日だ、母親からたまに皿洗いに部屋から出てくるなど、姉を見たという情報が入ってきた。これで姉に数年ぶりに顔を合わせることが出来ると、希望を持っていた矢先である。

    事故は起きた。学校であいつが起こした事故により私は半身を失い、入院した。しかも、あいつが治療費を全額出すからと言いながら私の体をまだ元気に生きられるようにとサイボーグの体にしたのだ。その事実を知った姉はどうやら私が入院中に自殺してしまったようだ。結局最後に姉の姿を見ることはなかった。そして、気を使ってくれた母親からお見舞いに姉の作った人形が手渡された。素材を買いに行くこともなかった姉は使い古した自分の服で作っていたらしく。懐かしい匂いがした…

    退院後、周りからの視線がとても痛い。なぜ私がこんな目に合わなければいけないのか…あいつはいつの間にか私の親友と恋仲になっていた。あぁ、幸せそうだ…あぁ、憎たらしい…あぁ、すべて奪ってやりたい…お前が私からすべてを奪ったように…

    だから、あいつの子であるお前もここで殺す。

    幸は気が付くと周りはいわゆるコロシアムのような壁に覆われた場所にいた。目の前にはペストマスクの悪魔。ここで決着をつける時だと、幸も感じていた。幸は魔法を駆使し、鯆の成れの果てであるその悪魔に対応していたが、やはり力があと一歩及ばない。そんなときに雫が走って、やってきたのだった。人形達は先のピンチに気付くと、みんなで幸の周りを囲んで、幸に魔力を送った。

    「みんな、幸に魔力を集めて。」

    グレーラが指示を出し、幸に魔力が集まると、幸は鯆を睨みつけた。幸は集まった全ての魔力を一気に放ち、まっすぐ鯆を貫き、大きなシロツメクサの花を咲かせた。ペストマスクは崩れ落ち、鯆の魂の炎は勢いを失い天に還っていくのが幸には見えた。そして、フィード魔法が切れると、幸の周りに将信と澪と夜も集まり、鯆を倒したことを、伝えるととりあえず一安心したようだ。しかし、安心したもの束の間。

    「おやぁ?ヘルヘイムがやられたか。ニヴルヘイムも別の魔女を見つけたらしいし、さっさと終わらせるか。」

    悪魔の力で呼び寄せたのか朝がそこに来たのだ。

    続く
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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