ありふれた日々も君さえいれば、ね「おまたせ、ごめんね」
息を切らせて駆けてきたその人を見て、Fulgurは隠しきれない胸のときめきを感じた。
髪を耳にかける仕草もやはり愛らしくて、一方でどこか危なっかしいような色気も秘めていて。
「…待ってないですよ、大丈夫」
辛うじてそれだけ返した俺に、先輩は破顔して「よかった」と言った。
それだけのことで、幸せだと感じる気持ちが止まらない。
こんなんで一日持つだろうか、と自問して気を引き締め直す。
ふーっ、とスポーツマンのように息を吐いたFulgurにShuは微笑んで言った。
「じゃあ、早速だけどどこから回ろうか?」
今日はふたりの、2回目のデートの日であった。
場所は水族館。誘ったのは、Shuから。
ある日の帰り道、あまりにも唐突に誘われたのでFulgurは大層驚いた。
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