愛しくて甘い、大切な彼「あはは、ふふ、」
俺の肩できゃっきゃと声を上げているのは、他でもない、愛しい恋人だった。
ただ、正直この状態の彼のことを俺はあまり好んでいない。
「おいシュウ、担いでるだけなんだからあんまり暴れると落ちるぞ」
呆れたような声色で注意を促すが、案の定酔っ払った恋人には何の効果もなさない。
俺の肩の上で相も変わらず暴れている彼は、今日有給を使って休みを取り、一日友人4人と飲んでいたのだ。
一週間前から嬉しそうな報告を受けていたのでよく覚えていた。
彼ら5人は古くからの友人であったが、それぞれ仕事が忙しくてなかなか集まれないのだと以前から寂しそうに言っていたので、極力俺のいない場では禁止していた飲酒も今日ばかりは解禁せざるを得なかった。ただし、迎えに呼ぶことを前提に。
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