明日はカケルとテートだ。忙しいカケルが、時間を作ってくれた。学校の外、森の先まで行く。
「森は危ないから、俺がカケルを守るぞ……!」
森には魔獣もいるし、危ない崖とか流れの速い川もある。もしもの時は、俺が魔法でカケルを守るんだ! 魔法はカケルの方がずっと実力は上だけど、俺が虎になれば……。
襲い掛かる魔獣、俺は変身してそいつをやっつける。魔獣は尻尾撒いて逃げていく。そんでカケルは、俺の事褒めて撫でてくれるんだ。
「へへ……」
想像して顔がニヤける。カケルにいいとこ見せられるかな? まぁ、危険な事が起きないのが一番だけど。
町では、一緒に上手いもん食って、カケルの買い物に付き合って荷物持ってやるんだ。
よし。明日は早起きしてカケルを迎えに行くぞ! 早く寝ないと! あぁ、でも緊張して眠れねぇ! そうだ、もう一回シミュレーションを……!
——翌朝。
「ぐぅ……」
「もぉ、今日はデートなのに、相変わらずお寝坊さんなんだから」
カケルは気持ちよさそうに眠るタイガの頬にキスをした。