そうなってほしくはないけれど、 別にフロイドくんに死んでほしいとか、ずっと一緒にいたいとか思ってるんじゃない。そういう訳じゃ、ないんだけど、もし──そう、もしも、フロイドくんがオレを追いかけて来てくれるなら。それは確実な愛の証明になるでしょ。それは、オレにとっては……。はは、なんなんだろうね。
頭で回る言葉をかき消そうと、真っ白なシーツを握り込む。じわ、と広がる痛みがオレを責めているようだった。オレが直接見て確かめられない、あの子の愛を理解したいと考えるのはいけない事だろうか。それに見合う愛を返したいと思ってしまうのはオレだけだろうか。直接尋ねる事を恐れ、こんなことしかできないオレは愛想を尽かされるのが関の山だ。
矛盾した思いが腹の中をぐるぐると渦を巻く。
アルコールの臭いが染み込んだ殺風景な病室で息を吐いた。ない交ぜになったこの感情も、押し出されてしまえば良いのに。
ぐちゃぐちゃと考えてばかりの自分に嫌気がさす。
心配しているだろう彼に申し訳ない。