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    funa_314

    @funa_314

    ふかせつレト先生とTOAのじぇいるくとRS2Rの傭兵と第二皇子が好きな人。

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    funa_314

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    転生現パロヘクジェラでジェラ様が独占欲出すのが見たかったです。

    #ヘクジェラ

    君は私の。当然だが護衛の任務が表向きの事なので昔は外出となれば自分の自室まで迎えに来てもらっていた。
    今はお互いの自宅からのほぼ中間地点の駅で待ち合わせる事が多い。
    ヘクターは家まで迎えに行きますよと言ってくれるが自分だっていつまでも子供ではないし昔のように命を狙われるような事は無いだろう。
    それにどちらにしても今だからこそ楽しめる経験が出来る機会を失いたくないのだ。
    ヘクターが先に待っていてくれても、ジェラールが待つ側でも前には味わう事の出来なかった時間だ。

    今日もいつも通り予定の時刻よりも10分ほど早く到着したが待ち合わせ場所には見慣れた青が既に見える。
    しかしその青の隣には自分の知らない女性が2人。
    ジェラールが側に居ない時はヘクターはあまり表情を変えない。
    だからこそ綺麗な顔が際立つのかそこに惹かれてくる人もいるのだろうとジェラールでも理解はできる。ただ納得いくかどうかと言われたらそうはいかないのだ。



    「ヘクター、お待たせ。」
    ジェラールはヘクターの背後から近付き声を掛ける。
    ヘクターはいつもなら正面から声をかけるであろうジェラールの行動に驚いたのか目を丸くし、女性達は色めきだっている。
    正直ジェラール自身は自分の身なりにはヘクター程の自信もなければ手間もかけていない。
    その上、今は第二皇子でも皇帝陛下でもないただの学生でしかない。
    「ジェラール、さ…」
    「弟さんですか?それともお友達~?」
    「友達にしては歳離れてない?タイプも全然違うし。」
    友達と言うならどちらかといえば歳が近いのは兄のヴィクトールだろうし、趣味や見た目でいったら正反対なくらいの違いがある。そんな事は1000年以上も前から自覚はある。
    そういう見かけ上の物は関係なく、前世では晩年近くまで共にし、現世では産まれた時から見守ってくれた彼との繋がりを自分が諦める事はしたくない。
    様子を見ていると絡んでくる2人はしつこく食い下がってくるようでヘクターも手を焼いていたのだろう。
    それなら自分がさっさとこの場を片付けてしまうべきだ。
    「残念ですがお見立てとは違いますね。他にも2人の関係を表すものがありますから。」
    そう言いつつジェラールはヘクターの左手に自分の右手の指を交互に絡め、左手でヘクターの首元の衣類を軽く掴み自分の方に引き寄せ高さが合った所でヘクターの左頬に軽く口付けた。
    ほんの一瞬、その周辺だけ音が無くなったかのような状態でちゅ、とリップ音を響かせ離れるとヘクターは引き寄せられた状態で固まっているし、問題の2人も驚きの表情で声も出せないようだ。
    この隙を逃す手はないとジェラールはそのままヘクターの左腕を胸に抱き寄せる。
    「彼は私の恋人です。これからデートなのでお先に失礼しますね。」
    数千年前に使えていたはずの皇帝陛下の笑顔が出せているかはジェラール自身には分からない。
    それでも彼を恋人と公然と言える自信と勢いでやり切るしかない。

    未だに衝撃から回復しきっていなさそうなヘクターの腕を引き繁華街の方まで連れて行き、入り組んだ路地の死角を見付けてそこに自分の身体とヘクターを押し込みジェラールは一息ついた。
    「多分…追いかけてきていたりはしないよね。ごめんね無理やり…っ!!?」
    密着していた身体をヘクターに引き寄せられ、後頭部を押さえつけられヘクターの唇で唇を割られて舌を押し込まれる。元々会話途中であったので簡単に口内に侵入され舐られる。
    「ふっ…う、あ、あ…っ!」
    途中呼吸の為の猶予は与えられてもまたすぐに塞がれる。
    一応人の目にはつかないであろう場所に逃げ込んだとは言えこんな声を出していれば不審に思われるかもしれない。
    「っへ、へくた…ぁ…ちょっ…うぁあ、…っいっかい…とま、あぁ…っ!!」
    口付けだけならまだしも腰の辺りに触れる手の動きが快感を引き出すような触れ方になってきた。
    「っぅ…ああ!も、もう、いい加減に、しろ!!」
    ジェラールは自由が利く足の踵ででヘクターの足の甲を踏んづけて腕の中から距離をとる。まあヘクターはブーツを履いているので大したダメージはないだろうが公共の空間でこれ以上の行為は止めたい。
    「なななんでそんな急に…!さっきので…?」
    やれてほっぺたにちゅーがジェラールには関の山だった。あそこで唇を奪えたらもう少し格好もついたかもしれないけれど少しの身長差を考慮したらあれが限界だ。
    「いやまあそれも嬉しかったんですけど…その…。」
    「んん?」
    「恋人って言ってくださったのが嬉しくて、ですね…。」
    「えぇ?そっち??」
    そんな特別な事だったかとジェラールは首を傾げるが、翌々考えると過去は秘密の関係で公言できる訳もなく、現代でも小さい頃から当たり前にヘクターがいて薄かった過去の記憶も鮮明になり気が付けば恋人のような関係になっていたが自分からヘクターの存在を説明する必要も無かった気がする。
    ベアやジェイムズと言った自分の皇帝時代に仕えてくれていた人達は過去を知っているし、父と兄にはヘクターがまだ子供と言える時期に説明はしておきましたとヘクターから聞いていたので自分からは説明まではしていない。改めて血縁の父と兄に自分が皇帝継承した後にヘクターと付き合ってました今世でも恋人ですとは言い難い。
    「い…われてみれば初めてか、な…?」
    それも数千年越しに初めて。結構重かった。
    「いつもは可愛いのにいざとなったらかっこいいとかジェラール様反則ですよね…。」
    ヘクターはそんな事を言っているがそれは単純に視力を疑った方がいい。正直言う程格好は付いていなかった。
    なんならここに来た後のヘクターの行動の方が男っぽくて自分は流されてしまうしか無かったくらいだ。
    「君は相変わらず強引だよね…続きは君の家でね。今日は泊まっても良い?」
    「それはもちろん。でもその前に行くんでしょ、デート?」
    そう言ってヘクターはジェラールの肩を抱いてくる。
    そんな事もさっき言い放っていたような朧気な記憶はあるけれど切羽詰まった状況で鮮明には覚えていない。もっと大勢の前で威厳を持っていた記憶の彼方にいる過去の自分の姿は凄かったんだなと思う。
    でもその頃の自分でも絶対に言う事が出来なかった事を今なら言える自由と環境があるのだ。
    それを誰かに伝えて喜んでくれる人も今、隣にいてくれる。
    「行くに決まっているよ、君と一緒ならどこにでも。」
    先程続きは家でと言った自分の言葉を一時撤回して、リベンジの意味も込めてジェラールは恋人の唇を奪うのだった。
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