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    slow006

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    リプorマロ来たセリフで短編書くで、リクエストしてもらいました!

    #及菅
    andKan

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    slow006

    DOODLEリプorマロ来たセリフで短編書くで、リクエストしてもらいました!
    弱っている及川さん良いよねと思いつつ、こんな弱り方するか?と己の解釈と戦っている……。想定していたシチュじゃなかったら申し訳ない……。
    何も云わないで薄暗い玄関にいた。春からの新生活に向けて引っ越したばかりの部屋は物が少なく、未開封の段ボールがそこらかしこに鎮座している。引っ越した、と言ってもまだ準備段階。ここに住んでいるわけではなく、住環境を整えている真っ最中だ。照明もまともに機能しているのは部屋のなかだけ。玄関は用意していた電球ではワット数が合わず、そのままになっている。

    三月も終わりに差し掛かった頃、菅原のもとに一件のメッセージが届く。「これから会えない?」とただ一言。差出人は及川徹。半年ほど前から菅原と交際をしている、要は恋人である。恋人といっても付き合い始めた時期が悪い。部活だ受験だと慌ただしく互い違いになることもしばしば。そもそも通う学校が違う。きちんとしたデートは指で数える程度。なんとか隙間を見つけては逢瀬を重ねていたが、それでもやっぱり恋人というには時間が足りない気がしていた。そして、この春から二人は離れ離れになる。菅原は地元の大学へ進学。及川は単身、アルゼンチンに行くという。どうやら知己の人物を師事してとのことだが、よもや誰が予想できただろうか。それを初めて耳にしたとき、菅原は「そっか」とただ一言だけ返した。完全なるキャパシティオーバーで受け止めるのがやっとだった。
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    slow006

    DOODLE第17回 菅受けワンドロワンライ、「嘘・ハプニング」及菅で参加させていただきました。麦茶カランができたので満足ですが、時間が色々足りなかった。もうちょっと細かい描写入れたかった。
    嘘つきジージーと蝉が鳴く。夏休み真っ只中の小学生がはしゃぐ声が聞こえる。生温い風がそよりと部屋を抜けて窓辺に吊るした風鈴が揺れる。外の明かりに頼った室内は薄暗く、窓一面に広がる青色はまるで額に収まった絵画のようだった。外は雲ひとつない青空で、まさにレジャー日和。今遊ばずして、いつ遊ぶ。夏の陽気に誘われて外へ繰り出すぞ!とはならず、及川と菅原は勉強会を開いていた。夏休みと言えど受験生。部活がない日は勉強だ。及川の部屋に折り畳みのテーブルを広げ、それぞれの得意教科を教え合っていた。参考書を共有しやすいようにL字に座り、黙々と勉強。つい先ほどまでは。

    「ごめん、パーカー踏んで滑った」
    「や、大丈夫」

    今は、及川が菅原を押し倒し、すっぽり菅原を覆っている。きっかけは「麦茶、おかわり持ってくるね」と及川が立ち上がったこと。その足元には菅原を迎えに行く際に来ていたUVカットパーカーがあった。すべすべした素材のUVカットパーカーは滑りやすい。おまけに畳の上だと摩擦も少ない。つるりと滑ってすってんころりん。そばにいた菅原を巻き込んで、という具合である。幸いにも、及川が咄嗟に床に手をついたため菅原を押し潰すことはなかった。自分の下にいる菅原も、見る限りどこかを強く打った様子はなさそうだった。大事な時期に怪我をしたりさせたりするのは困る。及川はホッと胸を撫で下ろし、もう一度菅原のほうに目を向けた。
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    slow006

    DOODLE第16回 菅受けワンドロワンライ、「ごほうび」及菅で参加させていただきました。
    ドサリ。ベッドにうつ伏せに倒れ込んで、及川はふぅと息を吐いた。時刻は午前零時を回ったところ。疲労で鉛みたいに重い身体をもぞりもぞりと動かして、体制を横向きに変える。明かりを消してしまったので室内は暗いが、窓の外から入ってくる薄明かりでぼんやりと部屋の様子が見える。机の上は書類と文房具が散乱、椅子の背もたれには脱いだのか洗ったのかわからない服がかかっている。カバンは床に放りっぱなし。未だかつてない荒れ具合だ。

    この二週間の忙しさは尋常じゃなかった。クラブチームでの日々のトレーニングはもちろんのこと、慰問ボランティア、スポンサーとの会合などなど。オフシーズンといえど、なかなかのハードスケジュールが組まれており、それに加えて、ビザの更新時期が来たのだ。及川は飄々とした立ち振る舞いから軽薄な印象を持たれることはあるが、基本真面目な男である。学生時代、夏休みの宿題は計画的に進めるタイプであったし、無論こうした重要書類の申請などは、事前に準備を済ませ期日に間に合うようにしている。ところが、今回からビザ更新の代行先を変えたのがいけなかった。弁護士に依頼して動きがないまま二ヶ月、三ヶ月と経ち、あと少しで半年というところで、見かねたチームメイトが仲介に入ってくれた。蓋を開けてみれば、及川の依頼は手付かず。「アジア人のガキ」という認識で舐められていたのである。えらいこっちゃとチームメイトも巻き込んで奔走し、どうにかこうにか申請に漕ぎつけた。そんなこんなで日常生活が犠牲となり、この有様だ。
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